国税庁、国際博覧会への協賛金税務で文書回答

国税庁、国際博覧会への協賛金税務で文書回答

カテゴリ:01.法人税, 03.消費税 トピック
作成日:2016/07/07  提供元:21C・TFフォーラム

 国税庁はこのほど、国際的イベントに企業が協賛金等を支出した場合の税務上の取扱いを明らかにした。これは「2016年アンタルヤ国際園芸博覧会」の協賛企業が支出する費用の税務上の取扱いについて、国税庁が事前照会に対して文書回答したもの。

 「2016年アンタルヤ国際園芸博覧会」は、平成28年4月23日から10月30日まで、トルコ共和国のアンタルヤ県で開催される国際博覧会で、100ヵ国・30機関の参加と、約800万人の入場者数が見込まれている。日本政府も国土交通省主導で日本庭園を出展することが決まっており、出展に向けて企業・団体等に幅広く協賛を募っている。

 協賛の方法は、1)広告宣伝を目的とした金銭による協賛、2)広告宣伝を目的とした物品・サービスによる協賛(木製ベンチ、ガイドボランティア等)、3)寄附協賛の3種類。寄附協賛以外については、博覧会ホームページへの企業名表示や協賛企業ホームページのリンク、会場内の日本庭園における協賛企業名の表示など、協賛に相応する広告宣伝の特典が付与される。

 事前照会は、この3種類の協賛それぞれについて法人税、消費税税務上の取扱いを下記の通り照会し、国税庁は「照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。」と文書回答している。

法人税法上の取扱い>
・金銭および物品による協賛:最も長い広告宣伝期間(協賛の日から平成28年12月31日まで)を基礎として期間配分し、それぞれの期間に属する事業年度の損金に算入。
・サービスによる協賛:自社の従業員の派遣にかかった費用であれば給与として支出の都度損金に算入。派遣社員であれば、金銭協賛等と同様の扱い。
・寄附協賛:法人税法上の一般の寄付金扱い。

消費税法上の取扱い>
・ 金銭による協賛:協賛企業は2種類の広告宣伝特典(ホームページ、会場)を受けるが、金銭は一括して支払うものであり、個々の広告宣伝の対価の額も定められていないため、協賛企業が、ホームページでの協賛企業名の表示等(国内取引分)と博覧会会場での協賛企業名の表示(国外取引)の対価を合理的に見積って区分することは実務上できない。このため今回の役務の提供の内外判定については、役務提供を行う実行委員会の事務所の所在地が国内であることから、その所在地により行っても差し支えなく、国内取引に該当する。従って、協賛企業が支出する協賛金は、国内で行われる役務提供の対価であり、協賛企業の課税仕入れに係る支払対価の額に該当する。
・ 物品・サービスによる協賛:給与等を対価とする役務提供に該当するもの又は消費税が非課税もしくは免税となる資産の譲渡等に係るものを除き、協賛企業の課税仕入れに係る支払対価の額に該当する。
・ 寄附協賛:反対給付のない一方的行為による金銭の贈与に該当することから、協賛企業の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない。


https://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/cdd94bf9d217317a4925766c002ba3c5/ed3995c9817b835b49257fe80083a686?OpenDocument