最近の「社内行事」事情

最近の「社内行事」事情

 かつて、日本の企業の多くが運動会や社員旅行などの「社内行事」を積極的
に行っていました。しかし、バブル崩壊後の不景気やオンとオフの区切りをつ
ける風潮などが相まって、「社内行事」が下火になっていきました。ところが
最近、「社員同士のコミュニケーションの活性化」の必要性から、再び「社内
行事」が見直され始めているそうです。そこで、現代の「社内行事事情」をリ
サーチし、いまどきの社内行事の傾向と鍵を紹介いたします。

 具体的な行事の内容は、大きく分けると3つに分類されます。一つ目は「内
定式」「入社式」といったセレモニー。二つ目は「社員総会」「研修」などの
仕事に関わるもの。三つ目が「忘年会・新年会」「歓迎会」「社員旅行」とい
ったレクリエーション的なものに分類されます。

 一つ目や二つ目の分類とされる行事は、就業時間内に行われ、参加すること
が業務とみなされると場合が多いのに対し、三つ目のようなレクリエーション
要素の強い行事は、就業時間後や休日に開催することか多いことなどから、企
業にとっては「参加する社員の行事へのモチベーションをいかに高めるか?」
というところが大きな課題になっているようです。

 それにあわせて、参加費用の自己負担という問題も、多くの企業は抱えてい
るようです。自己負担部分がある以上、「参加を強制できない」という現実が
あります。バブル崩壊以降、「プライベートの時間を大切にする」という風潮
が、就業時間後や休日に行われる社内行事の場合、「参加人数が読めない」と
いう、企業を悩ませる課題となっているようです。

 しかし、そんな迷いを感じつつも、殆どの企業が「社内行事は必要」と感じ
ているようです。その理由はやはり「コミュニケーション」にあるのではない
でしょうか。

 プライベートと仕事をきっちりと分ける風潮が定着するにつれ、職場でのコ
ミュニケーション不足が叫ばれるようになってきました。「仕事」だけでは、
深い人間関係ができず、その結果仕事にも影響を及ぼしているとのこと。

 社員が参加したいと思う社内行事を行うには、魅力ある社内行事を企画する
ことが不可欠となります。実際、さまざまな企業がユニークな社内行事を行っ
ているようです。

 たとえば、いわゆる「飲み会」の場合、「ボジョレーヌーボーの会」などテ
ーマを設けると、ガラリと印象が変わり興味も増します。また「初詣」「豆ま
き」「お花見」「景気払い」「夏祭り」など、季節感のあるイベントを開催す
るのも楽しそうですよね。

 さらに、「内定式を大運動会形式に」というように、セレモニーとレクリエ
ーションを合体させた企業もあるようです。では、一体どのようにしたら、社
内行事は成功するのでしょうか。

 創立8年目をを迎えた株式会社イノベーションは、さまざまな社内行事を行
っているそうです。月に一度、誕生月の社員を祝う「誕生会」。その月、もっ
とも活躍した人を投票で選ぶ「月間一番星」。運動会「イノカップ」等々。こ
れだけの社内行事を企画、運営するのはイベント委員で、正式に人事任命して
いるそうです。イベント委員になったからといって、仕事量も減免されず、一
年間の任期中は相当大変だそうです。

 そのエネルギーを営業活動に向けて売上を伸ばすことに力を注いだほうが効
率的という声が聞こえてきそうですが・・・。「この人たちと一緒にがんばっ
た」という経験が社員のモチベーションの向上につながって、中期的に見れば
売上に貢献し、みんなの給料アップにつながり、いいサイクルが回り始める。
社内行事をその一つのきっかけにしたい。と代表の富田氏はおっしゃていまし
た。

 新入社員が入社し、新しい仲間が増えているこの時期、御社も新たな社内行
事を企画されてはいかがでしょうか。

●テレワークという働き方(第4回)

 今回から在宅勤務導入における労務管理のポイントを整理して行きたいと思
います。ポイントとしては、1)労働時間の管理、2)在宅勤務者とのコミュ
ニケーション、3)在宅勤務者の評価、4)機密情報のセキュリティ の4つ
が挙げられます。このうち今回は労働時間の管理について取り上げます。

■在宅勤務者の時間管理
1)通常の勤務体系での管理
 すべての業務に適用が可能ですが、労働時間等は就業規則に定められた時間
となり、就業場所が会社から自宅に変わっただけで、在宅勤務者のメリットは
少なくなります。

2)フレックスタイム制での管理
 すべての業務に適用が可能です。在宅勤務者のメリットとして、私用と業務
の調和を図りながら働くことが可能となります。会社側もコアタイムやフレキ
シブルタイムを設けることで労働時間の把握や業務連絡がとりやすいなどのメ
リットがあります。
【導入要件】
 ・対象となる労働者の範囲
 ・清算期間(1ヶ月以内)
 ・清算期間における総労働時間
 ・標準となる1日の労働時間
 ・コアタイムを設ける場合は、その開始及び終了の時刻
 ・フレキシブルタイムを設ける場合は、その開始及び終了の時刻

3)事業場外みなし労働時間制での管理
 労働時間の把握が困難な業務に適用可能ですが、会社側が労働時間の把握が
できないので、在宅勤務者の管理に不安がでる恐れがあります。

【導入要件】みなし労働時間制を導入するには、以下に掲げる要件が必要です。
 ・当該業務が、起居寝食等私生活を営む自宅で行われること。
 ・当該情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこと
  とされていないこと。
 ・当該業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。

4)専門業務型裁量労働制
 政令で定める19業務が適用可能です。労働時間は、在宅勤務者の裁量によ
るので、会社側は深夜労働に対する割増賃金の支払や健康障害となる長時間労
働にならないように労働時間が適正であるか把握する必要があります。

【導入要件】次の事項について書面よる労使協定において定めることが必要。
 ・対象業務:法令の19業務
 ・みなし労働時間
 ・対象業務を遂行する手段及び時間配分の決定等に関し、対象業務に従事す
  る労働者に具体的な指示をしないこと。
 ・対象業務に従事する労働者の労働時間の状況の把握方法と把握した労働時
  間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容
 ・対象業務に従事する労働者からの苦情の処理のため実施する措置の具体的
  内容
 ・有効期間(3年以内とすることが望ましい)
 ・導入要件4点目及び5点目に関し、把握した労働時間の状況と講じた健康・
  福祉確保措置及び苦情処理措置の記録を協定の有効期間中及びその期間の
  満了後3年間保存すること
 ・時間外労働・休憩時間・休日労働・深夜業