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八咫鏡

八咫鏡
ヤタノカガミ

 三種の神器のひとつ。
 日本史の教材などで写真を目にした方も多いと思うが、当時の鏡はすべて金属鏡で、現在使われている水銀やらアルミやらにガラスをかぶせたものとは全く違う。金属の表面をできるだけ平らに磨き上げたものである。従って今のようにきれいに人の姿を映すものではなかった。では鏡はいったい何のために使われていたのか。
これは、出土する金属鏡のほとんどが円形をとっていることからもうかがえる。当時の鏡とは太陽の光を映すものとして、太陽の化身と考えられていた。神社の社の扉を開けると、そこに丸い鏡が祀られているという光景を思い浮かべることができる。これはすなわち、太陽信仰が偶像を求めた結果ともいえるだろう。
 ことにこの八咫鏡は、太陽神天照大神の御魂代(ミタマシロ=神霊の依り代)であった。ほかの三種の神器と同様に、天照大神から邇邇芸命、神武天皇へと受け継がれてきた由緒ある鏡である。 石凝姥神が天岩戸事件の際に天照大神を洞窟から誘い出すための祭具として作ったといわれている。
農耕民族にとって太陽ほど重要なものはなく、従って鏡ほど重要な祭器もないということになる。天皇家代々に継承されるべき神器のひとつに数えられたのもうなずけるところである。
 三種の神器の中で、神の持つ力を表す。