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市況解説 2009/02/27

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「利益確定の売りで続落」

再建中で現下のオバマ政権の難題のひとつ自動車大手GMの四半期(10−
12月)決算が発表され結果は96億ドルの赤字となった。2008年通期
でみると308億6000万ドル(約3兆円)の赤字。この四半期は好調だ
った中国などアジア地域の売上も前年同期比で51%もの減少となってい
た。同社の手元資金は12月末140億ドルとされるが、10−12月期に
(政府のつなぎ融資を考慮した実質で)60億ドル減少しており、いよいよ
厳しい状況。3月末までに米国政府の支援の有無、程度につき判断が下され
るが、支援の規模が時間の経過とともに拡大しているのが現状。

さらに米政府系住宅金融ファニー・メイが10−12月期決算で252億ド
ルの赤字となり、通期では590億ドル(約5兆6000億円)近くの赤字
を計上。政府に対し152億ドルの支援を要請とAP通信が伝えている。債
務超過状態にあると見られているが、政府保証により破綻はないものの支援
規模がさらに膨らむものと見られている。こちらは米国住宅市場の根幹を支
えている機関につき、取扱件数も多く、決算の規模も大きくなっている。

一方、英国でも大手銀RBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)
が2008年通期で約3兆3500億円もの(英企業としては過去最高の)
赤字を計上。政府の管理下で資産売却等再建を目指すこととなった。米国で
もシティ・グループへの政府出資の比率が高まる方向が予想されており、金
融安定化へ向けた動きが徐々に輪郭を現している。

こうした流れは年始1月中旬以降に表面化し、すでに金市場ではそれを映し
てETFの残高急増に織り込まれてきた材料といえる。足元の動きは、それ
らが具体化し始めていることを表す。金市場のほうは、このなかで利益確定
の売りや2月入り以降の急騰相場の反動もあって4日続落。NY市場のスポ
ット価格は、一時932.10ドルまで売り込まれた後に940ドル台半ば
の水準に。今週に入って動きが見られなかったETFは、ロンドン主力上場
のGBSが週初から3トン程度、26日はSPDR(スパイダー)が0.3
1トンとわずかに増加。

26日は、オバマ大統領が中期の財政見通しを発表したが、2009財政年
度の財政赤字は空前の1兆7520億ドル(約171兆円)に上るとされ
た。これまでの過去最大は昨年度の4590億ドル。今週は折しも米国債の
大量発行(入札)が行われているのだが、発行が再開された7年債を含め無
事に消化が進んでいる。この消化が進んでいることが、当座の安心感を市場
にもたらしているとも言えそうだ。(2009年2月27日記)

金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎

※本レポートは執筆者の個人的な見解を述べたものであり、
 実際の投資にあたってはお客様ご自身にてリスクをご判断ください。

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