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総務やさん」第264号

総務やさん」第264号

総務やさん●■■■■■■■■■■■■■■
                                   
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社長様、管理職の方、総務、人事、経理担当の方のためのビジネス情報誌です
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                     【vol.264】JUN.24.TUE.2008
                発行人:株式会社 総務システムサービス

                                               http://www.ssyss.co.jp

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■今回のINDEX■

◆◆ ISO取得支援サービス部開設のお知らせ ◆◆

●労働契約法施行

●特集記事 「“真田の労働事件簿”(サービス残業編)」4

●「地頭力」をご存知ですか?

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     ◆◆ ISO取得支援サービス部開設のお知らせ ◆◆

 近年企業を取り巻く環境は急激に変化しています。企業は単に利益追求のみ
を最大の事業目的として経営すればすむのではなく、企業を取り巻くもろもろ
のステークホルダーに対して責任を果たすことを求められる時代となってきま
した。

 企業として、組織としてのマネジメントシステムを構築する必要に迫られた
現在、ISOの規格が、このようなマネジメントシステムの構築の基本となる
ものです。

 お客様より、強い要望を受け、弊社にてISO取得支援サービス部を開設い
たしました。詳しくは、弊社ホームページをご閲覧いただければと思います。

↓ 総務システムサービス ISO取得支援サービス部
http://www.ssyss.co.jp/iso.htm

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         ◆◆ 労働法最新情報 ◆◆

 平成19年10月以降に法改正についてまとめております。
PDFデータにて)
 詳しくはこちらをクリック! ↓
 http://www.ssyss.co.jp/pdf/topics1909.pdf

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          ■■■ パートナー募集のお知らせ ■■■

 弊社では、社会保険労務士、中小企業診断士、税理士、行政書士としてご活
躍の方、もしくは今後独立を考えている有資格者の方との業務提携を考えてお
ります。

 関心のある方、詳しい内容についてお聞きになりたい方は、下記のメール
ドレスまで、ご連絡下さい。

 E-mail:partner@ssyss.co.jp (窓口:代表取締役 伊藤碩茂)

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●労働契約法施行

                ・・・・上村 貴範(うえむらたかのり)

 今年の3月1日に労働契約法が施行されました。こういった法律が施行され
た理由は、個別労使紛争の増加という理由があります。先日発表になったデー
タによりますと、H19年度の相談件数は、19万7千件に上っております。
理由としては、解雇トラブル、いじめ、労働条件の引き下げ等が大きな理由と
して挙げられます。

 労働基準法において、平成16年法改正で解雇権濫用法理が明文化されまし
たが、出向や労働条件変更等に関しては、いまだ十分とは言えない状況です。

 こういった個別労使紛争増加の流れを踏まえ、労使紛争の防止や解決手段、
ルールの明確化の必要性が高まり、労働契約法施行に繋がりました。

 しかし、内容としては従来から判例として既に労使紛争の場面において、確
立した内容が多く、また、全部で19条しかない法律で、現在のところ実務面
での影響は少ないというのが印象です。

 ただ、今回の法施行により判例だったモノが法律に明文化されたのは事実で
すし、今後、実務に合わせて様々な修正が加えられていくと思われます。労使
紛争の増加を考えると、労働契約法が今後の労使関係において大きな影響を与
える可能性もありますので、まず、現行の労働契約法を十分に抑えておく事が
必要かと思います。そこで、今回を含め、3回に分けて労働契約法の中身につ
いてご説明していきたいと思います。

 まず、労働契約法の位置づけについて。労働基準法は、労働条件の最低条件

を定めたモノです。それに対し、労働契約法は民事上における採用から退職ま
での労使ルールを定めたモノです。最低条件を定めた労働基準法に違反すれば、
労働基準監督署から是正や指導の対象となります。逆に労働契約法は、是正や
指導の対象となる事はありません。ただ、労使紛争となった時の民事上の争い
の際には、労働契約法に沿った助言指導がなされる事になります。

 そして、労働契約法が対象となる労働者の範囲ですが、実態で判断されます。
つまり、「委任」や「請負」においても契約形式に囚われず、実態として使用
従属関係が認められれば、労働者に該当するとしています。

 何よりも、この法律の中でキーとなるのが、労使の合意形成です。これにつ
いては、全19条のうち、7つの条文で登場に大きなウエイトを占めておりま
す。こちらについては、長くなりますので、次回ご説明致します。
 
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●特集記事 「“真田の労働事件簿”(サービス残業編)」4

・・・・真田 守(さなだ まもる)

 日本M社に対する第一審判決が下ってから、数か月が経過したところであり
ます。M社は、即時に控訴しましたので、最終的に最高裁まで争われることに
なるものと予想されますので、結論が出るまで、後5年から10年ほどかかる
ものと予想されますが、今回はこの日本M社の事件を、私的に検証してみます。

 日本M社の判決に前後して、「みなし管理職」「偽装管理職」という活字が
新聞紙上等を飛び交っている状態で、社会常識的には管理職に残業を支払わな
いのは、許されないとの風潮が漂っているのが現状ではないでしょうか。現実
的に監督行政においても徹底調査を各県の労働局に対して通知しており、対策
が必要な状況になっているのが現実だと思われます。

 労働基準法第41条第2項に規定する「監督又は管理の地位にある労働者」
とは、労働時間、休憩、休日に関する取り扱いについては除外するとの規定に
伴い、深夜労働を除く労働基準法に規定する割増賃金の支払を要しない者とし
て取り扱うことが許されている、例外規定として定義されております。

 「監督又は管理の地位にある労働者」は、学説的に諸説ありますが、監督の
要件と管理の要件についてどちらか一方を満たせば良い説と、両方を満たさな
ければいけないとの二説が有力とされております。法律上の定義としましては、
労働基準法通達において示されており、
1)人事権の付与
2)自由な出退勤
3)相当な処遇(賃金面)
上記の全てを満たしているものとされております。

 では、上記の監督又は管理の地位にある労働者と管理職は同様に取り扱うこ
とができるのかが問題となります。管理職との呼称について認められる訳でな
く実態的に上記の要件を満たしていなければ、否認されてしまいます。今回の
判決においては、上記の3要件の具体的な解釈を行わなかったために、労働現
場において混乱をきたしている原因となっております。

 本来の立法趣旨としては、兼務役員等を想定して規定されているとの説が有
力となっておりますが、戦後間もない時期の立法段階の兼務役員の処遇が高度
成長において労働条件の改善により、下位の役職者である管理職に適用が拡大
されていった経緯があり、昭和末期における国会答弁において、監督又は管理
の地位にある労働者について、当時の労働省担当者が「管理職に相当する労働
者」と発言したのが、現在の管理職神話として定着しているのがきっかけであ
ります。

 今回の日本M社については、監督行政の基準においては判定不能であったた
めに、法廷に持ち込まれましたので明確な法違反としては監督行政としても認
定していた訳でない事例となります。監督行政において法違反と認定された例
としては、従業員の半数以上が管理職として取り扱われていた例、出退勤につ
いて厳しく管理され遅早退・欠勤等の賃金控除が行われていた例、非常に定額
や役職手当の支給により管理職として取り扱っていたおり、一般労働者との賃
金の逆転が生じていた例などがありそれぞれ、上記の3要件のを満たしておら
ず適用を否認されております。

 今回の事案の最終結論については、今後の動向を見守る必要があるものと思
いますが、日本M社や他社においても一定の対応を発表してきており、そのど
れもが実質的に監督又は管理の地位にある労働者の定義の適用を諦め、割増賃
金の支払を事実上行うものとして、対応しているのが流れとなっているのが現
状であります。管理職としての要件を諦めた訳でなく要件を否認された場合の
実質的な不払いを解消していくことによるリスクヘッジ的に対応を行っている
のではないかと考えられます。

 紙面の関係上事例を紹介し、検証することは避けますが、このメルマガを読
まれている読者諸氏の企業においては如何でしょうか、「転ばぬ先の杖」的な
対応が今日の労務管理面において求められるのではないでしょうか?

 管理職要件そのものが否定されている訳ではありませんので、管理職定義の
再構築するなどの検討や他社にて対応している実質的リスクの解消などの検討
をしておかれたほうがよい時期ではないでしょうか。

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●「地頭力」をご存知ですか?

                 ・・・・加藤 めぐみ(かとうめぐみ)

 「地頭(じあたま)力」という言葉をご存知でしょうか?言葉の定義は論者
により様々ですが、最大公約数的な意味合いとしては、「論理的思考能力、本
質を見抜く力」として使われることが多いようです。一言で言ってしまえば、
対話をした際に、「この人は頭がキレるな」と相手に感じさせる能力といえば
わかりやすいでしょう。

 最近、この「地頭力」こそがビジネスパーソンにとって、もっとも大事であ
る、という論調が高まっているようです。実際に企業、特にコンサルティング
会社の採用現場などでは、単に頭がいい人ではなく、「地頭のいい人」が求め
られているようです。

 インターネット情報への過度の依存が思考停止の危機を招き、検索ツール
発達による「コピペ(コピー&ペースト)族」が増殖している今、「考える」
ことの重要性がかつてないほどに高まっているようです。これから本当に重要
になってくるのはインターネットやPCでは代替が不可能な、膨大な情報を選
別して付加価値を付けていくという、本当の意味での創造的な「考える力」、
すなわち「地頭力」であるといえるでしょう。

「地頭力とは生まれつきの頭のよさなのだから、そもそも鍛えることができる
ものなのか?」と思われる人もいるかもしれません。確かに、いい大人に対し
て簡単な教育を施すだけで、地頭力が鍛えられるとは到底思えません・・・。

 でも、そう言い切ってしまっては、身も蓋もないですよね。ご安心ください。
ちゃんと、会社という場でも「地頭力」を伸ばすチャンスはあるようです。

 それは、入社から2~3年目までの濃厚なOJTだそうです。この時期は、
社会人としての「思考のパターン(くせ)」「モノの見方」を形成する上で非
常に重要な時期だとか・・・。この時期に、「目の前の仕事が、全体の中でど
のような位置づけにあるのかを考える(俯瞰的思考)」「事象の思考だけに留
まらず、真因まで考える(深く掘る思考)」「人に物事を説明・説得する際に
はどのように説明するか(説明力)」を研修等でなく、身近な人との仕事を通
じて学ぶことで、社会人に必要な地頭力が伸びるようです。

 逆に、入社してからの数年間、こうしたことを学ぶ機会のなかった社員の場
合、あとから、「地頭力」を伸ばそうとするには、大変な労力が必要だとも言
われています。
 
 「三つ子の魂百まで」との言葉がありますが、企業人にもある程度同じこと
が言えるのではないでしょうか?この春入社した、社会人の皆様、会社にも慣
れてきたころかと思われますが、入社2~3年目の期待のホープになるために
は、今が大事ですよ!!