歴史・人名

核・原子力史(年表)

核・原子力史(年表)(読み)かくげんしりょくしねんぴょう

   年表核・原子力史

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

B.C.500~300 レウキッポス、デモクリトス、エピクロス、原子論的自然哲学を提唱
B.C.80ころ ルクレティウス、長詩『物の本質』を発表
A.D.1774 ラボアジエ、質量保存の法則を発見
1799 プルースト、定比例の法則を発見
1803 ドルトン、倍数比例の法則を発見、化学変化についての諸法則を原子論を使って説明、原子記号元素記号をつくり、原子量を計算
1808 ゲイ・リュサック、気体反応の法則を発見
1811 アボガドロ、アボガドロの法則を発表
1858 プリュッカー、陰極線を発見
1860 マクスウェル、気体分子運動論を発表
1869 メンデレーエフ、元素の周期律を発表
1895 レントゲン、X線を発見
1896 ボルツマン、気体分子運動論を完成。ゼーマン、ゼーマン効果のを発見
1896~1898 ベックレル、キュリー夫妻(ピエール・キュリー、マリー・キュリー)、放射能を発見
1897 J・J・トムソン、電子の比電荷を測定
1900 プランク、量子論を提唱
1902 ラザフォード、ソディ、原子核の放射性崩壊説を提唱
1903 J・J・トムソン、初の原子模型を提出。長岡半太郎、原子の有核模型を提唱
1905 アインシュタイン、光電効果の理論
1908 バークラ、元素の特性X線を発見。ガイガー、初の計数装置を発明。ペラン、分子の実在性を実証
1909 ミリカン、電子の電荷を測定
1910 ソディ、アイソトープの概念を発表
1911 ラザフォード、原子核の存在を実証。ウィルソン、霧箱(ウィルソンの霧箱)を発明
1912 ラウエ、ブラッグ父子(ブラッグ)、X線回折現象を発見
1913 ボーア、原子模型と古典量子論を提唱
1914 フランク、ヘルツ、電子衝突による原子の励起を研究
1919 アストン、質量分析器による同位元素の研究。シュタルク、シュタルク効果の発見。ラザフォード、α粒子の衝撃による原子核の人工破壊
1922 コンプトン、コンプトン効果の発見。シュテルン、原子線の磁場中での方向量子化に関する実験(シュテルン‐ゲルラハの実験)。ド・ブローイ、物質波の概念を提出
1924 パウリ、電子スピンの概念の提唱とパウリの原理の発見
1925 ウーレンベック、ハウトスミット、原子スペクトルの多重項の研究によるスピン概念の実証。ハイゼンベルク、量子力学(行列力学)を建設
1926 シュレーディンガー、量子力学(波動力学)を建設。フェルミ、ディラック、量子統計力学(フェルミ‐ディラック統計)を創始
1927~1928 デビッソン、 G・P・トムソン、電子線回折を実証
1928 ディラック、相対論的量子力学を建設
1930 ローレンス、サイクロトロンを発明
1931 パウリ、ニュートリノの存在を予言
1932 チャドウィック、中性子を発見。アンダーソン、陽電子を発見
1933 ポーリング、化学結合の本性に関する研究
1934 フェルミ、中性子衝撃による原子核反応の研究。ジョリオ・キュリー(夫妻)、人工放射性元素の研究。湯川秀樹、核力の理論により中間子の存在を予言
1938 ハーン、核分裂を発見
1939 アインシュタイン、米ルーズベルト大統領に原爆研究を勧告
1940 マクミラン、超ウラン元素を発見。ラービ、原子線核磁気共鳴の発見
1942 アメリカ、マンハッタン計画開始。アメリカ、世界最初の原子炉運転
1945 アメリカ、世界最初の原爆実験。8月、広島、長崎に原子爆弾投下
1946 国連原子力委員会発足。アメリカ、ビキニ環礁で原爆実験開始
1947 朝永振一郎、シュウィンガー、量子電磁力学の完成。ラム、水素原子のラムシフトを発見
1948 クーシュ、電子の磁気モーメントの精密測定
1949 カスレ、光ポンピング法を創案し、量子エレクトロニクスの基礎を開拓
1950 アメリカ、水爆製造命令。ストックホルム・アピール(原子兵器無条件禁止を要求)
1951 アメリカ、ネバダ実験場で戦術核兵器実験開始
1952 国連軍縮委員会発足
1953 アメリカ、原子砲発射実験。ソ連、水爆装置実験
1954 アメリカ、ビキニ環礁で本格的水素爆弾実験。第五福竜丸事件。最初の原子力潜水艦就役
1955 セグレ、チェンバレン、反陽子の発見
1956 国連放射能科学委員会発足
1957 イギリス、第一回水爆実験。アメリカ、ICBM(大陸間弾道弾)アトラス初実験
1958 メスバウアー、無反跳核共鳴吸収(メスバウアー効果)を発見
1960 タウンズら、レーザーの実現
1961 米ソ、マックロイ‐ゾーリン協約を国連総会に提出。ソ連、世界最大の水爆実験
1962 キューバ危機
1963 米英ソ、部分的核実験禁止条約調印
1964 ゲルマン、クォーク理論の提唱
1965 ジークバーン、X線光電子分光に関する精密実験。ブレームベルゲン、ショーロウ、レーザー分光法の開発
1967~1968 ワインバーグ、サラム、弱い相互作用と電磁相互作用の統一理論(ワインバーグ‐サラムの理論)
1968 核不拡散条約調印。アメリカ、MIRV(多弾頭核ミサイル)ポセイドン発射実験
1970 アメリカ、ABM(ICBM迎撃ミサイル)実験に成功
1971 アメリカ、5メガトンの地下核実験
1972 米ソ、SALT‐Ⅰ(第一次戦略兵器制限交渉)・ABM条約暫定協定調印
1973 ソ連、MIRV実験に成功
1974 ティン、リヒター、J/ψ粒子の発見
1978 第一回国連軍縮特別総会
1979 米ソ、SALT‐Ⅱ条約調印。NATO、米国製中距離ミサイル配備方針決定(二重決定)
1980 国連ワルトハイム事務総長、『核兵器の包括的研究』報告書提出
1981 アメリカ、中性子爆弾生産開始。ヨーロッパの反核運動強まる
1982 スウェーデン王立科学アカデミー、『アンビオ』誌で「核の冬」を予測。国連第二回軍縮特別総会
1983 アメリカ、レーガン大統領、SDI(戦略防衛構想)を公表
1984 アメリカ、原子力潜水艦に核巡航ミサイル配備開始
1985 米ソ、戦略兵器制限交渉再開で合意
1986 ソ連、チェルノブイリ原子力発電所事故
1987 米ソ、中距離核戦力全廃条約に調印
1989 ベルリンの壁崩壊、冷戦の終焉(ドイツ統一)
1991 米ソ、START(戦略兵器削減交渉)に調印。ブッシュ、核軍縮提案
1993 米ロ、STARTⅡに調印。北朝鮮、NPT(核不拡散条約)脱退表明
1994 ウクライナ、旧ソ連の核兵器全面放棄の合意文書に署名。北朝鮮、核査察拒否表明するが、核開発凍結に同意
1995 フランス、CTBT(包括的核実験禁止条約)調印までの8回の駆け込み核実験を公表
1996 国連総会、CTBTを圧倒的賛成多数で採択
1997 東南アジア諸国連合7か国とラオス・カンボジア・ミャンマーが調印(1995)した東南アジア非核地帯条約の発効
1998 5月11日、13日インド地下核実験。5月28日パキスタン初の地下核実験、5月30日にもふたたび実施
1999 アメリカ上院でCTBTの批准を否決
2000 ロシア下院でCTBTの批准を可決。チェルノブイリ原子力発電所全面閉鎖
2001 ドイツ、政府と主要電力会社がドイツの原子力発電所を約30年後に全廃する協定文書に署名
2002 アメリカ・イギリスが共同で未臨界核実験(臨界前核実験)
2003 北朝鮮、NPT脱退、IAEA(国際原子力機関)との保障措置協定の拘束からの離脱を宣言。イラン、IAEAによる核査察の受入れを表明
2004 イラン、イギリス、フランス、ドイツとの間で、ウラン濃縮関連活動の停止に合意
2005 北朝鮮、核兵器の保有を公式に宣言
2006 10月 朝鮮中央通信が北朝鮮初の核実験の実施を発表、国連安保理は北朝鮮制裁決議を採択。イラン、ウラン濃縮を含む核研究開発を再開、12月 国連安保理は制裁決議を全会一致で採択
2007 国連安保理、3月 イランの核開発をめぐる追加制裁決議を全会一致で採択。6月 IAEA査察団北朝鮮を訪問、核施設視察。7月にIAEA査察官が停止対象5施設すべての稼動停止を確認