歴史・人名

竹島の歴史伝えるアシカ猟写真集

竹島の歴史伝えるアシカ猟写真集 昭和初期の画像デジタル修復 鳥取大名誉教授ら「正確に伝える一助に」

5/5(月) 11:29配信

中国新聞デジタル
写真を中心に竹島の記録を伝える「日本海・竹島のアシカ猟」

 島根県隠岐の島町の竹島での昭和初期のニホンアシカ猟の様子を記録した写真集「日本海・竹島のアシカ猟」が出版された。鳥取大名誉教授の井上貴央さん(73)と島根大非常勤講師の佐藤仁志さん(75)が画像をデジタル化して修復し、撮影場所も詳細に特定。「竹島の歴史を正確に伝える一助になれば」と県に400冊を寄贈した。

【画像】島根県に寄贈した井上さん、佐藤さん

 写真集はA4判96ページ。1934年、新聞社のカメラマンがアシカ猟に同行して撮影した26枚の写真などを収める。共著者の2人が92年に隠岐の島町を訪問。猟の頭領の遺族が保管していたアルバムを譲り受け、研究を進めていた。

 2人は写真をデジタル化し、傷や汚れの付いた部分を復元。竹島を独島(トクト)と呼んで実効支配している韓国の映像や当時の天気図などを参照しながら、撮影場所や時間を特定した。網の準備や猟の様子、嵐の夜に小屋の中で将棋を指す風景など、写真の各場面の解説を添えている。

 井上さんは「これまで間違って解釈されてきた写真もある。30年分の研究成果を形にできて良かった」と実感を込める。

 県に寄贈した400冊は、公立図書館や学校などに配布される予定。佐藤さんは「竹島について考えるきっかけになれば」と願っている。

2025-05-07 (水) 09:48:34
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