新生代

新生代

新生代は、古第三紀・新第三紀・第四紀の3つの紀に区分されます。
更に、古第三紀は暁新世、始新世、漸新世に、新第三紀は中新世と鮮新世に、第四紀は更新世と完新世に、細分されます。
新生代は、現代に続いており、哺乳類と鳥類が繁栄している時代ですが、生物については、哺乳類(霊長類)について記述します。

 超大陸パンゲアは分裂し、各大陸は移動し始めました。

  新生代の初めには、オーストラリアと南極大陸はまだ一つで南半球にあり、ユーラシア、アフリカ、南アメリカ、北アメリカ、インドの各大陸は海を隔てていました。
アフリカから分かれて北上していたインド亜大陸は、約4000万年前にアジア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈やチベット高原の隆起が始まりました。
その後もインド亜大陸は北上を続け、アジア大陸の内部に約2000kmも突入したため、100万から600万年前には、8000m級の山脈が形成されました。
隆起が続くヒマラヤ山脈では、高山に対する激しい浸食により岩石の風化が継続しています。
気候も変化し、夏にはインド洋上の高気圧が発達し、モンスーン(季節風)がヒマラヤ山脈にぶつかって雨を降らせます。
そのためヒマラヤ山脈より南側では湿潤となりますが、北側では乾燥するようになりました。
約3800万年前にオーストラリア大陸と南極大陸が完全に分離し、約2000万年前には南アメリカ大陸と南極大陸も離れて、南極大陸が完全に海で囲まれました。
そのため、周囲を取り囲む冷たい海流により熱的に孤立してしまい、寒冷化が進行しました。
約350万年前に南北アメリカ大陸の間にパナマ地峡ができて、大西洋と太平洋が分離されました。この時、動物のアメリカ大陸間大交差がおこりました。

古第三紀
古第三紀は、約6500万年前から約2300万年前までの、約4200万年続いた地質時代です。古第三紀は、暁新世、始新世、漸新世からなります。
気候は、温暖であった白亜紀半ば以後、暁新世末の約5500万年前におこった突発的な温暖化を除くと、徐々に低温化していきました。
約3400万年前の始新世と漸新世の境界時代に南極大陸に巨大な氷床が形成され、以後現在も続いている新生代後期氷河時代に入りました。

哺乳類は暁新世から始新世にかけて第一次適応放散(生物が異なった環境に適応する過程で、食性や生活様式に応じて著しい形態的分化を起こす現象です。)を行いました。
その後、漸新世で2度目の適応放散を行い、現在見られる哺乳類の多様性がみられるようになり、霊長類の真猿類(サル)も登場しました。

新第三紀
新第三紀は、現在の所、約2300万年前から約258万8000年前までの、約2000万年続いた地質時代です(第四紀との境界は議論が多いです)。
新第三紀は、中新世と鮮新世からなります。古第三紀の約5000万年前に、インド亜大陸がアジア大陸に衝突したため、ヒマラヤ山脈やチベット高原が隆起し始め、
新第三紀には高山となりました。ヒマラヤ山脈では雨量が多く、激しい浸食が起こって大量のカルシウム塩が海に供給されました。
このカルシウム塩が大気中の二酸化炭素を吸収したため、大気中の二酸化炭素量が史上最低のレベルまで低下したという説があります。
約3400万年前に南極に氷床ができて氷河時代に入りましたが、約1200万年前から更に寒冷化が進行し、約350万年前には北半球にも氷冠が形成されました。

新第三紀の前半の中新世には、樹上生活の真猿類の中から類人猿が登場しました。

第四紀
第四紀は、約258万8000年前から現在に続く時代です。第四紀は、更新世と完新世からなります。
 第四紀を通じて南極大陸に氷河が存在し続けているため、第四紀は「氷河期」といわれます。
 第四紀は、北米やヨーロッパの大部分が氷床に覆われる寒冷な「氷期」と、現在のように比較的温暖な「間氷期」が交互に訪れ、
非常に短期間に大きな環境変化が繰り返し起こった時期です。最も新しい氷期の最盛期は約1万8000年前で、平均気温は今より6℃から7℃低かったようです。

第四紀は人類の時代ともいわれます。現生人類は、樹上生活していた霊長類のうちアフリカに住んでいた類人猿から派生したとされています。