八坂瓊勾玉

八坂瓊勾玉

やさかにのまがたま

 三種の神器のひとつ。
 勾玉とは、古代の装飾具で、主にネックレスや衣服の襟に用いられた。材料としては主に翡翠(ヒスイ)、瑪瑙(メノウ)、碧玉(ヘキギョク=ジャスパー)などが使われたらしい。日本史の教材などで写真を見た方も多いと思う。ともえ形という形らしいのだが、よく見てみると、魂のような形をしている。もちろん魂を見たことがあるわけではないのだが、なんとなくお分かりになっていただけるのではないか。もともと、勾玉というのは神霊の依り代とも考えられていたもので、重要な神宝として神祭りに用いられたそうである。そのような重要な祭器であったから、このうちの特に霊力の強いものが三種の神器のひとつとなったとしても不思議ではない。
 この神器は、国生みの神伊邪那岐命が、天照大神に高天原の統治権の象徴として与えたもので、「古事記」にその名が「御倉板挙(ミクラタナ)の神」とある。これは神聖な稲種が収納される蔵に祀られる神のことであり、稲種を守り翌年の豊穣をもたらす機能を持っていると考えられる。 天照大神は後の邇邇芸命の天孫降臨の際、天璽之神宝(アメノミシルシノカンダカラ)として与えたという。後に神武天皇まで継承され、天皇家の三種の神器のひとつとなった。
 三種の神器の中で、王の権威を表す。


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