淡島明神

淡島明神

あわしまみょうじん
別:淡島様

婦人病に霊験あらたか。

全国の淡島神社に祭られる女性を婦人病から守る女神。「淡島明神(あわしまみょうじん)」、「粟島大明神(あわしまだいみょうじん)」とも呼ばれる。しかし、淡島神社の本社である和歌山県にある加太神社の祭神は元来少名毘古那神である。淡島様信仰は江戸元禄時代に淡島願人と呼ばれる乞食行者が、淡島様の小宮をたずさえたり、背負ったりして、その由来を語り、門付けをして諸国を行脚していたことで広まった。それによれば、淡島様は元々住吉神社の女房神だったが、「帯下の病(帯下とは女性性器からの分泌物のこと。婦人病の一種のことだと思われる)」に罹ったため、大社の門扉に乗せて海に流され、和歌山に流れ着き女性の守り神となったという。婦人病、縁結び、安産の神として信仰を集め、花柳病(性病のこと)や婦人病に罹った女性が淡島様に腰布を奉納して平癒を祈願することもあった。

淡島様が婦人病などの関連視されるに至った理由は、おそらく「日本書記」の「及至産時、先以淡路洲爲胞(産む時に至るに及びて、先ず淡路洲(あわじしま)を以て胞(え)とす)」という記述からと思われる。また俗に淡島様は婆利塞女(はりさいにょ)で、住吉の神に嫁ぐにあたり人形を作り夫婦の道を学んだという謂れが伝わっている。


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