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固定資産の取得価額に算入する費用、算入しなくてもよい費用

固定資産の取得価額に算入する費用、算入しなくてもよい費用!!

 今回は、固定資産の購入に関する付随費用で、取得価額に算入しなければならない費用、
 取得価額に算入しなくもよい費用、30万円未満の購入資産の即時償却、その判定単位、及び、中古資産の耐用年数などの問題を取り上げます。
 取得価額に算入せずに、そのまま費用処理できれは、直接に法人申告利益を減らすこととなり、それだけ納税額を減少させます。

1.固定資産購入の付随費用

 次のような固定資産の購入に際して要した付随費用は、取得価額に算入しなければならないものです。

  1. 引取運賃、搬入荷役費、購入手数料などの購入に要した費用
  2. 据付費、調整試運転費などの事業の用に供するために要した費用
  3. 土地建物の取得に際して支払った立退料
  4. 土地として利用するために建物付で取得したときの建物の価額

2.取得価額に算入しなくてもよい費用

 固定資産の購入の際に支払ったものでも、次のような費用は、取得価額に算入しなくてもよいこととされています。

  1. 不動産取得税、自動車取得税などの租税公課、登記・登録のために要する費用
  2. 固定資産を取得するために借入をして支払った場合の借入金利子
  3. 割賦販売契約等により購入した資産の割賦利息相当額(購入代価と利息部分が明確に区分されている場合に限られます。)

3.自動車購入に伴う諸費用の処理!

 自動車購入に伴う諸費用については、取得価額に含めるもの、含めなくてもよいものがありますので、特に注意が必要です。具体例を挙げれば次のとおりです。
 取得価額に含めなくてもよいもの
自動車税、自動車重量税、自動車取得税、自賠責保険料、検査登録費用、車庫証明費用、

  1. 取得価額に含めるもの
      納車費用、及び、カーステレオ、カーナビ、カーエアコンなど購入時に付属品として自動車に取り付けたものの価額
  2. 前払費用(預け金)とするもの
      リサイクル預託金

 また、ナンバープレートを希望の番号に変更してもらうための手続き費用は経費に該当します。

4.青色申告事業者は、30万円未満の購入資産の費用処理が可能!

 青色申告を行う事業者、または、資本金1億円未満の法人が、30万円未満の固定資産を購入したときは、その資産の耐用年数による減価償却計算を行わずに、その全額を購入時で費用処理できます。(中小企業者等の即時償却の特例)

 30万円未満かどうかの金額の判定は、購入に際して要した付随費用があれば、その金額を加えるとともに、消費税額は、採用している税込処理、税抜処理の方式により判断します。

5.購入単位(1組・1対、1セット等)の判定基準!!

 固定資産の購入単位をどのように判定して、30万円未満か否かの金額判断により、即時費用か、固定資産の取得として減価償却計算を行うかという問題です。

 ・応接セットはテーブルと椅子の1セットの価額によります。
 ・機械や装置は、1台または、1基ごとの価額です。
 ・器具備品は、1組または、1そろいごとの価額です。
 ・カーテンやブラインドなどは1部屋ごとの価額で判断します。

6.中古固定資産の購入における見積り耐用年数

原則
…… その中古資産が今後どれだけ使用できるかを資産の現状から適正に見積ります。
その際に、中古資産の改良等を行い、支出した金額があるときはその金額を中古資産の取得価額に加えます。
簡便法
…… 中古資産が今後どれだけ使用できるか適正に見積るのは、現実には、難しいこともあり、有形固定資産(付属設備、車両運搬具、機械装置、器具備品等)については、次の簡便計算により耐用年数を決めることが認められています。

イ、 法定耐用年数の全部を経過したもの

(法定耐用年数)× 20% の年数

(注)このとき、1年未満の端数は切り捨てて、この年数が2年未満となるときは、2年とします。

ロ、 法定耐用年数の一部を経過したもの
{(法定耐用年数)-(経過年数)}+{(経過年数)×20%}の年数

(注)同様に、1年未満の端数は切り捨てます。

■具体例

2年9か月落ちの普通中古車を購入したとします。

新品の普通自動車の耐用年数6年>経過期間2年9か月…よって、耐用年数の全部を経過していない場合の計算式となります。

中古資産の経過年数は、2年9か月
⇒経過期間に一年未満の端数が生じているため、注意点①より、月数に直します。
中古資産の経過期間 33か月(2年×12か月+9か月)

上記計算式「耐用年数の全部を経過していない場合の計算方法」に当てはめます。

中古資産の耐用年数=(新品の耐用年数6年×12か月-中古資産の経過期間33ヶ月)+(中古資産の経過期間33ヶ月×20%)
=45.6か月となります。⇒この計算途中で生じた1年未満の端数の切り捨て処理は行いません。

45.6か月を年数に直すと3年9.6ヶ月となります。

注意点②より、計算結果の中古資産の耐用年数に一年未満の端数が生じているため、1年未満を切り捨てます。

3年9.6ヶ月⇒3年>2年…計算上の注意点③より計算結果の耐用年数が2年より大きいため問題ありません。

以上より中古資産の耐用年数は3年となります。***7.一旦、固定資産購入として選択した経理処理は変更できない。 [#bd282df3]

以上、資産取得としての減価償却計算か、取得時の費用処理かの取り扱いについて、説明しましたが、仮に、その時点で費用処理できるものでも、一旦固定資産の取得として、資産計上を選択した以上は、その後の事業年度で取得価額から抜き出して費用処理するという変更は認められません。

取得時点で行う経理処理が如何に大事であるかということです。費用処理できるものは、最初から費用としてきちんと経理処理を行い、節税を図ってください。