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Linux ディストリビューションいろいろ

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Linux ディストリビューションいろいろ

「Linux」って何? ディストリビューションって何?

「Linux」というのは狭義にはカーネルのみを指している言葉です. (カーネルとは動作中の各プログラムから出される要求に応じてメモリーやディスクなどの ハードウェア資源の管理, CPU 時間の配分などを行なう OS の中枢部分です. ) 例の linux-2.x.x とか, あれですね. 一般に「Linux のバージョン」とは, (例えば "uname -r" というコマンドで表示される) このカーネルのバージョンを意味しています. 本サイト Linux カーネル情報 には Linux カーネルの最新版や各バージョンへのリンクがあり, また Linux 関連リンク/カーネル には, カーネル入手先のリストがありますのでごらんください.

Linux カーネルに (主として GNU 起源の) さまざまなライブラリやツール, アプリケーションなどの必要な要素を組み合わせて, UNIX 系 OS として使えるトータルシステムとしてまとめたものが ディストリビューション です. (参考として, Brave GNU World 第 2 号 (日本語版) の「命名法」という項目も 読んでみると良いかもしれません.)

ディストリビューションいろいろ
世界には さまざまなディストリビューション が存在していますが, その中でも特に日本で普及していると 思われるものについて それぞれの主な特徴をまとめてご紹介します.

Slackware
Red Hat Linux
Debian GNU/Linux
Plamo Linux
TurboLinux
LASER5 Linux
Linux MLD
Vine Linux
Kondara MNU/Linux
その他 (Caldera, SuSE, Stampede, Stormix など)
この他 Slackware や US 版 RedHat Linux などのディストリビューション上で 日本語を扱うための追加パッケージ集として以下のものがあります.

PJE Slackware が主な対象だが, RedHat も可.
JRPM RedHat 対象
また Debian GNU/Linux 上で実用的な日本語環境を構築するための 追加パッケージ集として以下のものがあります.

Debian JP Packages
glibc2 ってなんやねん?
このページを記述している 1999/4 現在では, libc5 から glibc-2.0, さらに glibc-2.1 への移行が行われており, 各ディストリビューションもその影響をいろいろなかたちで受けています. ここでは (glibc-2.0 と glibc-2.1 を総称した) glibc2 について 解説することにします.

libc5 と glibc2 の違い
UNIX 系の OS で最も基本的な部分を司るライブラリが C Library (以下 libc) です. Linux では昔から GNU 製の libc である glibc を改造したものが使われています. これまで広く使われていたのは glibc-1.x ベースの libc バージョン 5 で, 一般に libc5 と呼ばれています. これに対して数年前から使われ始めたのが glibc-2.x ベースの libc バージョン 6 です. これは libc5 までとは異なり GNU libc を (独自改造無しで) そのまま 使うようにしているため, 一般に glibc2 と呼ばれています.

開発体制について言うと, libc5 までは「Linux 独自」に開発が進められ, GNU libc をベースに BSD からの機能も組み込んで, コード自体はもとの GNU libc からほとんど別物となっていました. これに対して libc6 からは, GNU オリジナル版をそのまま Linux 上で使えるよう, Linux 開発者たちが GNU に参加し, GNU C Library の開発に貢献しています.

libc5 と glibc2 の大きな違いは, 暗号化対応, マルチアーキテクチャ対応, pthread (POSIX thread) 対応, そして多言語対応の機構である locale (ロカール,またはロケールと読む) 機能などです. 特に最後の locale 機能は, 日本語を扱う場合非常に重要なものです.

glibc2 と日本語 locale
これまでの libc5 でも一応 locale 機能が用意されていましたが, 日本語対応の面では無いも同然のレベルであったため, (例えば Perl 5 を お使いの方は PERL_BADLANG=1 環境変数設定のことを御存知でしょう) locale 機能を必要とするアプリケーションでは X Window System が提供する X_LOCALE ライブラリが一般的に使用されてきました.

glibc2 から libc5 の時代よりも充実した locale 機能を 提供できるようになったため, 多くのディストリビューションでは上記の X_LOCALE を 使わない設定に変更されました. ところが glibc-2.0 の locale 機能では, GNU オリジナル版のままだとまだ日本語に対応できておらず, locale 機能を 必要とするアプリケーションでは日本語の表示や入力ができません. そこで glibc-2.0 を日本語 (マルチバイト文字) 対応にするための wcsmbs ライブラリ (libwcsmbs) が開発され, まずは glibc-2.0 にこのライブラリを組み込んだパッケージ (libc6+wcsmbs) と これに組み合わせる locale データのパッケージ (wcsmbs-locale) が用意されました. そして glibc-2.0 ベースのシステムでは, 標準の libc6 パッケージをそのまま使い, 後から libwcsmbs の各パッケージを追加すれば 日本語環境を構築できるようになっています.

さらに最近では, glibc-2.1 上で日本語環境を構築しているユーザーも 増えてきています. glibc-2.1 では標準の locale 機能がさらに強化され, 上記の libwcsmbs も 不要となります。 しかし現在はまだ完全に日本語対応されていないため, glibc-2.1 用の locale データパッケージ (locale-ja) が用意されています. そこで glibc-2.1 ベースのシステムでは,標準のglibc-2.1のパッケージを利用し,後から locale-ja などの 日本語 locale データを追加すれば日本語環境を構築できるようになっています.

上記のことを踏まえて, 現時点で Linux 上に日本語環境を構築するには 以下のうちいずれかを選ぶことになります.

libc5とX_LOCALEつきのX(Plamo, Slackware など)
glibc-2.0(libc6), libwcsmbs と X_LOCALE なしの X (Vine, Debian 2.0/2.1, RedHat 5.2J, TurboLinux 3.0 Updates など)
glibc-2.1(libc6) + locale-ja と X_LOCALE なしの X (Debian potato (2.2) 以降,RedHat 6.0/6.1 など)

ディストリビューションの違いと日本語対応について
現在はちょうど libc5 から glibc-2.0, さらに glibc-2.1 への移行期であるため, ディストリビューションやパッケージにより標準での日本語対応レベルや自分で対応 させるための方法などが変ってきます. 上記のことを踏まえておかないと, うまく日本語を表示・入力できないこともありえます. ディストリビューションやパッケージを選ぶ際には 以上のことを頭に留めておいてください. 代表的なディストリビューションでは, RedHat (5.0/5.1/5.2), Debian (2.0/2.1), Vine Linux (1.0 以降), TurboLinux (3.0 以降) が glibc-2.0 を採用しています. Slackware と Plamo Linux は現在のところ libc5 をベースに, また現在開発中の Debian potato (2.2 となる予定), RedHat 6.0/6.1, は glibc-2.1 を採用しています.

上記のことを踏まえておかないと, うまく日本語を表示・入力 できないこともありえます. ディストリビューションやパッケージを選ぶ際には以上のことを 頭に留めておいてください.

どれを使うか決めかねているのですが?
解説を読んだらあとは自分で試して気に入った物を 使っていただければよいのですが, どうしてもという方のために独断と偏見による簡単な フローチャートを作ってみました.

Red Hat Linux

特徴
Red Hat Linux (れっどはっとりなっくす)は, Red Hat Software によって 開発されているディストリビューションで, Office での利用を主に考えて作られています. 商用アプリケーションのたくさん出ている海外ではかなり支持されており, Windows の代わりに利用しているユーザもたくさんいると聞きます. セキュリティー情報などもしっかりサポートしています.

対応アーキテクチャ
対応アーキテクチャは i386, DEC Alpha, PowerPC ですが, 主に数値計算に使われると思われる Alpha の対応は不完全という話も聞きます.

バージョン
最新バージョンは 6.1 です. バージョン 4.2 は libc5 で, バージョン 5.0/5.1/5.2 は glibc-2.0 で, バージョン 6.0/6.1 は glibc-2.1 です.

関連プロジェクト
PJE , JRPM , Kondara MNU/Linux

こんな人には向いています
Windows は嫌いじゃないけど Microsoft は嫌いかも.
自分でコンパイルなんてだるいからやらない.
エディタで編集するよりも GUI が使えた方がいいなぁ.
インストールの前に
CD-ROM, NFS, FTP からのインストールに対応しています. インストールに必要なフロッピーディスクは 1 枚か 2 枚です.

インストール時には各パッケージの選択の余地はあまりありません. ディスク容量はフルインストールで 500M ほど見積もっておけば良いでしょう.

パッケージマネージメント
RPM という パッケージマネージメントシステムを利用しています. RPM は, べースに tar よりも新しいアーカイブ形式である cpio を利用し, これに独自のヘッダを付加したものです. したがって RPM パッケージ形式のファイルを操作する際には, 専用コマンドである rpm コマンドを使用するか rpm2cpio というコンバータで cpio 形式に変換しなければなりません.

パッケージ形式
バイナリパッケージ
i386, alpha, ppc などそれぞれのアーキテクチャに対して, i386.rpm, alpha.rpm, ppc.rpm という拡張子です.
パッケージの依存関係などが記録されています.
ソースパッケージ
src.rpm という拡張子です.
多くはソースファイルも含んでおり, コマンド一発で各種のバイナリパッケージを 再コンパイルすることができます.
コンパイルの仕方は src.rpm に含まれる *.spec というファイルに含まれています.
パッケージ操作
各パッケージの操作には rpm コマンドを利用します. このコマンドはかなり多機能で, 使用方法が複雑なため GUI のインターフェース glint を使用するのが 楽で良いでしょう.

インストール済みパッケージの情報は /var/lib/rpm 以下に収められていますが, ユーザがここにあるファイルを直接操作することはできません. かならず rpm コマンドを利用します.

自分で何かのアプリケーションをコンパイルしてインストールし,かつ,そのファイルを管理したい場合は,ちゃんとしたsrc.rpmを作成することをお勧めします.

入手方法
一次配布元はftp.redhat.comです.国内でも各地(ftp.jaist.ac.jpなど)でミラーされています.書籍やCD-ROMも販売されています.
注意点
インストールは楽ですが, いろんなものがデフォルトで入ってしまい, ディスクを圧迫することがあります.
ユーザ情報の管理に PAM という機構を使用しているため, 自分でコンパイルしても使用できないアプリケーションがあったりします.
バージョン 4.2 と 5.0/5.1/5.2 と 6.0/6.1 では使用している libc が異なるため, 日本語化には十分注意しなければなりません. 特に X Window System 関連のソフトウェアには注意を払った方が良いでしょう.
自分でアプリケーションをコンパイルしたいという人は RPM の作り方を勉強する方が良いでしょう.
日本語パッケージがそれほど含まれていないので, 日本語を使いたいときは インストール後に JRPM や PJE や Kondara MNU/Linux をインストール しなければなりません.
既知の問題
バージョン 4.2 では libtcl のリンクが一部おかしいようです.

TurboLinux 日本語版
特徴
TurboLinux (たーぼりなっくす) 日本語版は, ターボリナックス ジャパン社より 販売されている商用ディストリビューション(販売用パーケージの意)です.

1999/7/1 より パシフィック・ハイテック株式会社 は ターボリナックス ジャパン株式会社 に社名を変更しています. プレス・リリース をごらんください.

インストーラやデスクトップ環境の多くが日本語化されており, 簡単に最新のカーネルやソフトウェアが利用できる商用ディストリビューションです. マニュアルも付属しており, はじめて Linux を使う人でも比較的簡単にインストールが行えます. またインストールに関するオンラインサポートも提供されています.

TurboLinux 日本語版 4.0 には, ATOK 12SE(おなじみATOKのLinux版) , Wnn6 Ver3(オムロンソフトウェア製日本語入力システム) などのかな漢字変換システムや, OSS(Linux用のサウンドドライバは,OSS/Freeの名前でフリーのものが(カーネルソースに付属のもの),OSS/Linuxの名前で商用のものがあります。) , System Commander Lite(システムコマンダーは、1台のPCに100種類以上の異なるOSをインストールし、メニュー画面から選択するだけで目的のOSを起動することができます。) などの多くの商用アプリケーションが含まれています. このほかに商用のフォントや各種お試し版のソフトウェアも同梱されています.

バージョン
TurboLinux 日本語版の最新バージョンは 4.0 です. (サポート対象外である ftp 配布版の最新バージョンは 4.1 です) カーネルのバージョンは 2.2.9 , Glibc(GNU製 C libraly マックで言う機能拡張、Windowsでのdllの様なもの) は 2.0 が採用されています.

こんな人には向いています
カーネルは最初から 2.2.* がいい. (OSのバージョン)
KDE(K Desktop Environment) や Gnome(GUN Network Object Model Enovironment) などのデスクトップ環境をすぐに試してみたい.
OSS でしかサポートされてないサウンドカードを持っている.
漢字変換は絶対 ATOK じゃないといやだ.
System Commander でパーティション切りたい.
インストールの前に
何はともあれターボリナックス ジャパン社の サポートページ を見ましょう. 動作確認済みハードウェアなどの情報を見ることもできます.
ローカルハードディスクからのインストールはできません. CD-ROM もしくは NFS か ftp でのインストールに限られます. ノート PC で使いたい人は特に注意が必要です.
パッケージマネージメント
Red Hat Linux と同じく RPM(Redhat Package Manager ソフトウェア配布用パッケージシステム) を採用しています. 独自のパッケージ管理ツール(turbopkg)も提供されています.

入手方法
購入については ターボリナックス ジャパン社 のページを参照しましょう. また商用のソフトウェアやフォントが除かれたパッケージは ftp でも公開されており, ターボリナックス ジャパン社のホームページから辿ることができます.

またいくつかの書籍や雑誌にて 上記の ftp 配布版が CD-ROM で添付されている場合がありますので, 商用のアプリケーションなどが不要ならこちらを利用するのがよいでしょう. ただし, サポートは受けられません.

注意点
何らかの問題があった場合、まずはターボリナックス社の テクニカルサポートのページを読んで, 同様の問題が掲載されていないか確認しましょう. またメーリングリストや掲示板も提供されていますので, こちらも活用したほうがよいでしょう. なお正式な製品版を購入すれば, ターボリナックス社のサポートが受けられます.
雑誌に添付されている CD-ROM に納められた ftp 配布版には, 商用のアプリケーションやフォントが含まれません. よって, それらに依存するソフトウェアが動作しない, あるいは不安定になる場合があります.
バージョン3.0と比べ, 4.0では各種 GUI ツールに大幅な変更が加えられています.
付属する ATOK12SE は, kterm (端末エミュレータ いわゆるDOS窓)でのみ利用が可能, ATOK が ON だと改行ができない, などの制約があります.
既知の問題
マニュアル(ユーザガイド)の誤りが, 正誤表 として公開されています.

LASER5 Linux 6.0
特徴
LASER5 Linux 6.0 (れーざーふぁいぶりなっくす) は, レーザーファイブ株式会社より 販売されている商用ディストリビューションです.

レーザーファイブ株式会社は, 株式会社五橋研究所 OS 事業部が 1999 年 8 月 30 日に独立したものです. 会社案内 をごらんください.
インストーラやデスクトップ環境の多くが日本語化されており, 簡単に最新のカーネルやソフトウェアが利用できる商用ディストリビューションです. 9 冊ものマニュアルが付属しており, はじめて Linux を使う人でも比較的簡単にインストールが行えます. またインストールに関するオンラインサポートも提供されています.

LASER5 Linux 6.0 製品版には, ATOK 12SE, Wnn6 Ver3 などのかな漢字変換システムや, System Commander Lite などの多くの商用アプリケーションが含まれています. このほかに各種お試し版のソフトウェアも同梱されています.

LASER5 Linux 6.0 「製品版」に対して, 廉価版の「日本語入力キット」というパッケージも存在します. 「日本語入力キット」は ATOK 12SE, Wnn6 Ver3 などの かな漢字変換システムは含んでいますが, 「製品版」とは

基本サポート権 (製品版には三ヶ月に三回まで) がない
System Commander Lite が含まれていない ( パッケージの箱の印刷は誤記です)
などの違いがあります.

これは本来日本語 RedHat Linux 6.0 としてリリースされるはずだったものですが, RedHat 社とのパートナー契約が解除されたために, LASER5 Linux 6.0 として発売されることになったディストリビューションです. その生い立ちから, LASER5 Linux 6.0 は RedHat Linux と高い互換性を持っています.

バージョン
LASER5 Linux 6.0 の最新バージョンは 6.0 です. カーネルのバージョンは 2.2.5 , glibc は 2.1.1 が採用されています.

こんな人には向いています
カーネルは最初から 2.2.* がいい.
日本語 KDE や日本語 Gnome などで, 日本語環境にこだわってデスクトップ環境をすぐに試してみたい.
いろんな日本語変換環境を試してみたい.
System Commander Lite でパーティションを切りたい.(製品版のみ)
インストールの前に
何はともあれレーザーファイブ株式会社の 製品案内 を見ましょう. 動作確認済みハードウェアなどの情報を見ることもできます.
現在他のディストリビューションをお使いの方は, ディストリビューション比較 のページが参考になるでしょう.
パッケージマネージメント
Red Hat Linux と同じく RPM を採用しています.

入手方法
購入については レーザーファイブ株式会社 のページを参照しましょう. ftp 公開 もされています.

いくつかの書籍や雑誌に CD-ROM で添付されていますので, こちらを利用するのもよいでしょう. ただし, サポートは受けられません.

注意点
何らかの問題があった場合には, まずはレーザーファイブ株式会社の アップデート情報のページ を読んで, 関連パッケージの問題修正が掲載されていないか確認しましょう. メーリングリスト も提供されていますので, こちらも活用するとよいでしょう. なお正式な製品版を購入すれば, レーザーファイブ株式会社のサポート が受けられます.
雑誌に添付されている CD-ROM に納められたものには, サポート権が含まれません. よって, それらに依存する ソフトウェアが動作しない, などは自力で解消する必要があります.
既知の問題
マニュアル (ユーザガイド) の誤りが, 印刷ミス として公開されています.
glibc , Linuxconf に起因する不具合を修正するパッケージが 公開されています.
インストールに関する注意事項が, 公開 されています.

2000年4月13日、17:00:00