買収した100%子会社からの受取配当金の税務
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買収した100%子会社からの受取配当金の税務
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買収した100%子会社からの受取配当金の税務 ブログコンテンツバナー.jpgNAKAYUKUI episode3 【買収した100%子会社からの受取配当金の税務】 M&Aにより取得した100%子会社から配当金を受けとる際には、以下の点に注意が必要です。 1.受取配当金の益金不算入について 配当の額の計算期間の開始の日からその計算期間の末日まで継続して、配当を行う会社と配当を受け取る会社に完全支配関係がある場合、つまり、親会社が100%子会社から配当金を受け取る場合は、親会社が受け取った配当金の金額は、その全額が益金不算入になります。 ※受取配当金の益金不算入とは・・・法人が内国法人から受けた配当については、会計上(損益計算書)は収益として計上されるものの、税務上は益金(収益)に算入されずに、課税所得の計算上控除されることをいいます。 ここで、配当計算期間とは、以下の期間を指します。 A.過去1年以内に配当支払いがあった場合・・・・前回の配当基準日の翌日(3月決算の会社なら4月1日) B.過去1年以内に配当の支払いがなかった場合・・・今回の配当基準日の1年前の日の翌日(3月決算の会社なら4月1日) C. 設立後1年未満の会社が配当を行う場合・・・その設立の日 D.発行法人から取得して1年未満の場合・・・その取得の日 M&Aで取得した100%子会社の場合の計算期間は、上記のAもしくはBであることがほとんどなので、3月決算会社であれば、前年の4月1日から3月31日が配当計算期間となります。 しかし、100%子会社からの配当金を受け取った場合でも、全額益金不算入とならない場合があります。 <例> 3月31日決算の会社の株式を7月1日に取得した場合 配当計算期間のすべての期間、継続して完全支配していないので、受取配当金の全額を益金不算入とはならず、配当金の一部が益金算入となる従来の規定の適用になります。 つまり、期中にM&Aを実施した場合は、最初に迎える決算で配当を行うと、受取配当金の全額益金不算入規定は適用されないので、注意が必要です。 2.所得税額控除 配当の支払いを受ける場合には、源泉徴収される所得税のうち、一定額は法人税の額から控除され、控除しきれない金額は還付されます。 税額控除額は以下の式で算出されます。 税額控除額=所得税の額×(その元本を所有していた期間の月数÷配当の計算の基礎となった期間の月数) すなわち、配当計算期間と同じ期間だけ子会社株式を保有している場合に限り、所得税全額を法人税から控除できるということです。 <例> 3月31日決算の会社の株式を7月1日に取得した場合 配当計算期間のすべての期間、継続して子会社株式を保有していないので、所得税の9/12だけが税額控除できることになります。 期中にM&Aを実施した場合は、最初に迎える決算で配当を行うと、源泉所得税は全額控除できなくなるので、注意が必要です。 受取配当金の益金不算入.jpg 【まとめ】 上記をまとめると、期中に株式買収で100%子会社化した会社から配当受け取る場合に、受取配当金の益金不算入規定と源泉所得税の税額控除をフルに活用するには、買収後の初めての決算時ではなく、2回目以降の決算時に配当を行う必要があるということになります。
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買収した100%子会社からの受取配当金の税務 ブログコンテンツバナー.jpgNAKAYUKUI episode3 【買収した100%子会社からの受取配当金の税務】 M&Aにより取得した100%子会社から配当金を受けとる際には、以下の点に注意が必要です。 1.受取配当金の益金不算入について 配当の額の計算期間の開始の日からその計算期間の末日まで継続して、配当を行う会社と配当を受け取る会社に完全支配関係がある場合、つまり、親会社が100%子会社から配当金を受け取る場合は、親会社が受け取った配当金の金額は、その全額が益金不算入になります。 ※受取配当金の益金不算入とは・・・法人が内国法人から受けた配当については、会計上(損益計算書)は収益として計上されるものの、税務上は益金(収益)に算入されずに、課税所得の計算上控除されることをいいます。 ここで、配当計算期間とは、以下の期間を指します。 A.過去1年以内に配当支払いがあった場合・・・・前回の配当基準日の翌日(3月決算の会社なら4月1日) B.過去1年以内に配当の支払いがなかった場合・・・今回の配当基準日の1年前の日の翌日(3月決算の会社なら4月1日) C. 設立後1年未満の会社が配当を行う場合・・・その設立の日 D.発行法人から取得して1年未満の場合・・・その取得の日 M&Aで取得した100%子会社の場合の計算期間は、上記のAもしくはBであることがほとんどなので、3月決算会社であれば、前年の4月1日から3月31日が配当計算期間となります。 しかし、100%子会社からの配当金を受け取った場合でも、全額益金不算入とならない場合があります。 <例> 3月31日決算の会社の株式を7月1日に取得した場合 配当計算期間のすべての期間、継続して完全支配していないので、受取配当金の全額を益金不算入とはならず、配当金の一部が益金算入となる従来の規定の適用になります。 つまり、期中にM&Aを実施した場合は、最初に迎える決算で配当を行うと、受取配当金の全額益金不算入規定は適用されないので、注意が必要です。 2.所得税額控除 配当の支払いを受ける場合には、源泉徴収される所得税のうち、一定額は法人税の額から控除され、控除しきれない金額は還付されます。 税額控除額は以下の式で算出されます。 税額控除額=所得税の額×(その元本を所有していた期間の月数÷配当の計算の基礎となった期間の月数) すなわち、配当計算期間と同じ期間だけ子会社株式を保有している場合に限り、所得税全額を法人税から控除できるということです。 <例> 3月31日決算の会社の株式を7月1日に取得した場合 配当計算期間のすべての期間、継続して子会社株式を保有していないので、所得税の9/12だけが税額控除できることになります。 期中にM&Aを実施した場合は、最初に迎える決算で配当を行うと、源泉所得税は全額控除できなくなるので、注意が必要です。 受取配当金の益金不算入.jpg 【まとめ】 上記をまとめると、期中に株式買収で100%子会社化した会社から配当受け取る場合に、受取配当金の益金不算入規定と源泉所得税の税額控除をフルに活用するには、買収後の初めての決算時ではなく、2回目以降の決算時に配当を行う必要があるということになります。
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