古事記 中-7
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古事記 中の卷
七、應神天皇
后妃と皇子女
ホムダワケの命(應神天皇)、大和の輕島の明の宮においで...
オホヤマモリの命とオホサザキの命
――天皇が、兄弟の御子に對してテストをされる。その結果弟が...
ここに天皇がオホヤマモリの命とオホサザキの命とに「あな...
葛野の歌
――國ほめの歌曲の一つ。――
或る時、天皇が近江の國へ越えてお出ましになりました時に...
葉の茂つた葛野を見れば、
幾千も富み榮えた家居が見える、
國の中での良い處が見える。
蟹の歌
――蟹と鹿とは、古代の主要な食料であつた。その蟹を材料とし...
かくて木幡の村においでになつた時に、その道で美しい孃子...
この蟹はどこの蟹だ。
遠くの方の敦賀の蟹です。
横歩きをして何處へ行くのだ。
イチヂ島・ミ島について、
カイツブリのように水に潛つて息をついて、
高低のあるササナミへの道を
まつすぐにわたしが行きますと、
木幡の道で出逢つた孃子、
後姿は楯のようだ。
齒竝びは椎の子や菱の實のようだ。
櫟井の丸邇坂の土を
上の土はお色が赤い、
底の土は眞黒ゆえ
眞中のその中の土を
かぶりつく直火には當てずに
畫眉を濃く畫いて
お逢いになつた御婦人、
このようにもとわたしの見たお孃さん、
あのようにもとわたしの見たお孃さんに、
思いのほかにも向かつていることです。
添つていることです。
かくて御結婚なすつてお生みになつた子がウヂの若郎子でご...
髮長姫
――酒宴で孃子を贈り、また孃子を得た喜びの歌曲。古く諸縣舞...
また天皇が、日向の國の諸縣の君の女の髮長姫が美しいとお...
さあお前たち、野蒜摘みに
蒜摘みにわたしの行く道の
香ばしい花橘の樹、
上の枝は鳥がいて枯らし
下の枝は人が取つて枯らし、
三栗のような眞中の枝の
目立つて見える紅顏のお孃さんを
さあ手に入れたら宜いでしよう。
また、
水のたまつている依網の池の
堰杙を打つてあつたのを知らずに
ジュンサイを手繰つて手の延びていたのを知らずに
氣のつかない事をして殘念だつた。
かようにお歌いになつて賜わりました。その孃子を賜わつて...
遠い國の古波陀のお孃さんを、
雷鳴のように音高く聞いていたが、
わたしの妻としたことだつた。
また、
遠い國の古波陀のお孃さんが、
爭わずにわたしの妻となつたのは、
かわいい事さね。
國主歌
――吉野山中の土民の歌曲。――
また、吉野のクズどもがオホサザキの命の佩びておいでにな...
天子樣の日の御子である
オホサザキ樣、
オホサザキ樣のお佩きになつている大刀は、
本は鋭く、切先は魂あり、
冬木のすがれの下の木のように
さやさやと鳴り渡る。
また吉野のカシの木のほとりに臼を作つて、その臼でお酒を...
カシの木の原に横の廣い臼を作り
その臼に釀したお酒、
おいしそうに召し上がりませ、
わたしの父さん。
この歌は、クズどもが土地の産物を獻る時に、常に今でも歌...
文化の渡來
――大陸の文化の渡來した記憶がまとめて語られる。多くは朝鮮...
この御世に、海部・山部・山守部・伊勢部をお定めになりま...
また百濟の國王照古王が牡馬一疋・牝馬一疋をアチキシに付...
ススコリの釀したお酒にわたしは醉いましたよ。
平和なお酒、樂しいお酒にわたしは醉いましたよ。
かようにお歌いになつておいでになつた時に、御杖で大坂の...
オホヤマモリの命とウヂの若郎子
――オホヤマモリの命を始祖と稱する山部の人々の傳えた物語。――
かくして天皇がお崩れになつてから、オホサザキの命は天皇...
流れの早い宇治川の渡場に
棹を取るに早い人はわたしのなかまに來てくれ。
そこで河の邊に隱れた兵士が、あちこちから一時に起つて矢...
流れの早い宇治川の渡場に
渡場に立つている梓弓とマユミの木、
切ろうと心には思うが
取ろうと心には思うが、
本の方では君を思い出し
末の方では妻を思い出し
いらだたしく其處で思い出し
かわいそうに其處で思い出し、
切らないで來た梓弓とマユミの木。
そのオホヤマモリの命の屍體をば奈良山に葬りました。この...
かくてオホサザキの命とウヂの若郎子とお二方、おのおの天...
天の日矛
――異類婚姻説話の一つ、朝鮮系統のものである。終りに出石神...
また新羅の國王の子の天の日矛という者がありました。この...
その伺つていた賤の男がその玉を乞い取つて、常に包んで腰...
そこで天の日矛がその妻の逃げたことを聞いて、追い渡つて...
この天の日矛の持つて渡つて來た寶物は、玉つ寶という玉の...
秋山の下氷壯夫と春山の霞壯夫
――同じく異類婚姻説話であるが、前の物語に比してずつと日本...
ここに神の女、イヅシ孃子という神がありました。多くの神...
そこでその兄に「わたしはイヅシ孃子を得ました」と言う。...
系譜
――允恭天皇の皇后の出る系譜であり、後に繼體天皇が、この系...
このホムダの天皇の御子のワカノケフタマタの王が、その母...
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古事記 中の卷
七、應神天皇
后妃と皇子女
ホムダワケの命(應神天皇)、大和の輕島の明の宮においで...
オホヤマモリの命とオホサザキの命
――天皇が、兄弟の御子に對してテストをされる。その結果弟が...
ここに天皇がオホヤマモリの命とオホサザキの命とに「あな...
葛野の歌
――國ほめの歌曲の一つ。――
或る時、天皇が近江の國へ越えてお出ましになりました時に...
葉の茂つた葛野を見れば、
幾千も富み榮えた家居が見える、
國の中での良い處が見える。
蟹の歌
――蟹と鹿とは、古代の主要な食料であつた。その蟹を材料とし...
かくて木幡の村においでになつた時に、その道で美しい孃子...
この蟹はどこの蟹だ。
遠くの方の敦賀の蟹です。
横歩きをして何處へ行くのだ。
イチヂ島・ミ島について、
カイツブリのように水に潛つて息をついて、
高低のあるササナミへの道を
まつすぐにわたしが行きますと、
木幡の道で出逢つた孃子、
後姿は楯のようだ。
齒竝びは椎の子や菱の實のようだ。
櫟井の丸邇坂の土を
上の土はお色が赤い、
底の土は眞黒ゆえ
眞中のその中の土を
かぶりつく直火には當てずに
畫眉を濃く畫いて
お逢いになつた御婦人、
このようにもとわたしの見たお孃さん、
あのようにもとわたしの見たお孃さんに、
思いのほかにも向かつていることです。
添つていることです。
かくて御結婚なすつてお生みになつた子がウヂの若郎子でご...
髮長姫
――酒宴で孃子を贈り、また孃子を得た喜びの歌曲。古く諸縣舞...
また天皇が、日向の國の諸縣の君の女の髮長姫が美しいとお...
さあお前たち、野蒜摘みに
蒜摘みにわたしの行く道の
香ばしい花橘の樹、
上の枝は鳥がいて枯らし
下の枝は人が取つて枯らし、
三栗のような眞中の枝の
目立つて見える紅顏のお孃さんを
さあ手に入れたら宜いでしよう。
また、
水のたまつている依網の池の
堰杙を打つてあつたのを知らずに
ジュンサイを手繰つて手の延びていたのを知らずに
氣のつかない事をして殘念だつた。
かようにお歌いになつて賜わりました。その孃子を賜わつて...
遠い國の古波陀のお孃さんを、
雷鳴のように音高く聞いていたが、
わたしの妻としたことだつた。
また、
遠い國の古波陀のお孃さんが、
爭わずにわたしの妻となつたのは、
かわいい事さね。
國主歌
――吉野山中の土民の歌曲。――
また、吉野のクズどもがオホサザキの命の佩びておいでにな...
天子樣の日の御子である
オホサザキ樣、
オホサザキ樣のお佩きになつている大刀は、
本は鋭く、切先は魂あり、
冬木のすがれの下の木のように
さやさやと鳴り渡る。
また吉野のカシの木のほとりに臼を作つて、その臼でお酒を...
カシの木の原に横の廣い臼を作り
その臼に釀したお酒、
おいしそうに召し上がりませ、
わたしの父さん。
この歌は、クズどもが土地の産物を獻る時に、常に今でも歌...
文化の渡來
――大陸の文化の渡來した記憶がまとめて語られる。多くは朝鮮...
この御世に、海部・山部・山守部・伊勢部をお定めになりま...
また百濟の國王照古王が牡馬一疋・牝馬一疋をアチキシに付...
ススコリの釀したお酒にわたしは醉いましたよ。
平和なお酒、樂しいお酒にわたしは醉いましたよ。
かようにお歌いになつておいでになつた時に、御杖で大坂の...
オホヤマモリの命とウヂの若郎子
――オホヤマモリの命を始祖と稱する山部の人々の傳えた物語。――
かくして天皇がお崩れになつてから、オホサザキの命は天皇...
流れの早い宇治川の渡場に
棹を取るに早い人はわたしのなかまに來てくれ。
そこで河の邊に隱れた兵士が、あちこちから一時に起つて矢...
流れの早い宇治川の渡場に
渡場に立つている梓弓とマユミの木、
切ろうと心には思うが
取ろうと心には思うが、
本の方では君を思い出し
末の方では妻を思い出し
いらだたしく其處で思い出し
かわいそうに其處で思い出し、
切らないで來た梓弓とマユミの木。
そのオホヤマモリの命の屍體をば奈良山に葬りました。この...
かくてオホサザキの命とウヂの若郎子とお二方、おのおの天...
天の日矛
――異類婚姻説話の一つ、朝鮮系統のものである。終りに出石神...
また新羅の國王の子の天の日矛という者がありました。この...
その伺つていた賤の男がその玉を乞い取つて、常に包んで腰...
そこで天の日矛がその妻の逃げたことを聞いて、追い渡つて...
この天の日矛の持つて渡つて來た寶物は、玉つ寶という玉の...
秋山の下氷壯夫と春山の霞壯夫
――同じく異類婚姻説話であるが、前の物語に比してずつと日本...
ここに神の女、イヅシ孃子という神がありました。多くの神...
そこでその兄に「わたしはイヅシ孃子を得ました」と言う。...
系譜
――允恭天皇の皇后の出る系譜であり、後に繼體天皇が、この系...
このホムダの天皇の御子のワカノケフタマタの王が、その母...
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