古代史のための用語集(Historical)
をテンプレートにして作成
開始行:
[[Historical]]
#menu(menu_Historical)
''古代史のための用語集''
Author: KAWANISHI Yoshihiro
[あ] [か] [さ] [た] [な] [は] [ま] [や] [ら] [わ]
あ
天照大神 (あまてるおほかみ)
通例、「あまてらすおほみかみ」。これは、あくまで敬語読み。
記紀神話における、太陽神であり、皇祖神。
記紀神話では、「いざなぎ」「いざなみ」の子で、「すさのを...
大国主神に「国譲り」を迫り、「ににぎ」を「葦原中国」に降...
壹与 (いちよ(?))
倭国の女王。卑弥呼の後、13歳で即位。魏、晋に遣使している。
【出典】壹与<魏志倭人伝>
臺与<後漢書>
磐井 (いはゐ)
継体天皇の時代(6世紀)の九州の有力者。九州において、筑...
【古田武彦説】九州王朝の王者。
【出典】竺紫君石井<継体記>
筑紫国造磐井<継体紀>
殷 (いん)
中国古代の王朝。始め商といった。のち殷に都を移したので、...
淮南子 (えなんじ)
【書名】漢・淮南王劉安(?-122)編。二十一巻。漢の儒学推進に...
延喜式 (えんぎしき)
【書名】平安時代。藤原時平・紀長谷雄ら。宮中の儀式等をま...
大国主命 (おほくにぬしのみこと)
出雲の主神。
「おほなむち」「八千矛神」「葦原醜男」等多数の名がある。
『出雲風土記』においては「天下造らしし神」とされる。
「すさのを」の子とも五世孫ともいう。
記紀においては、天照大神によって、「国譲り」を迫られ、隠...
大和の「大物主」と習合され、同一視されたが、本来別の神で...
後には、「大黒天」とも習合された。
か
夏 (か)
中国最古とされる王朝。禹が建国。殷の湯王により滅亡。十七...
加羅 (から)
朝鮮半島南部の地域。駕洛・加羅・加邪など多数の表記は、す...
→任那
漢委奴国王印 (かんのいどこくおうのいん(?))
志賀島で発見された金印。印文に、「漢委奴国王」とある。後...
【亀井南冥・竹田定良他説】「委奴国」は「倭国」と同じで「...
【上田秋成説】「委奴国」は「いとこく」と読み、「伊都国」...
【三宅米吉説】「かんのわのなのこくおう」と読み、金印を授...
【古田武彦説】「かんのいどこくおう」と二段に読み、「委奴...
漢 (かん)
1)前漢。
2)後漢。
→前漢、 後漢
漢書 (かんじょ)
【書名】後漢・班固撰。前漢一代の歴史書。紀伝体の正史。百...
→前漢
魏 (ぎ)
1)三国の一。曹丕(三国志の英雄・曹操の子)が後漢をついで...
2)北魏。
→北魏
記紀神話 (ききしんわ)
『古事記』第一巻、『日本書紀』第一、二巻に載せる神話。
「いざなぎ」→「天照大神」→(出雲神話)→「ににぎ」→「山幸...
主に筑紫と出雲を舞台とする神話。
【河西コメント】記紀神話が「日本神話」の全てと思われがち...
→日本書紀
魏書 (ぎしょ)
【書名】北斉・魏収撰。百十四巻。
→北魏
魏志倭人伝 (ぎしわじんでん)
【書名(通称)】晋・陳寿撰『三国志』の魏志、東夷伝、倭人...
→三国志、 邪馬壹国
紀伝体 (きでんたい)
歴史書の記述方法。帝王の伝記を記す「帝紀」と、臣下の伝記...
【河西コメント】我が国では「日本書紀」が紀伝体(ただし列...
→編年体
旧事紀 (きゅうじき)
【書名】「くじき」とも読まれる。先代旧事本紀。
→先代旧事本紀
九州年号 (きゅうしゅうねんごう)
【古田武彦説】「大宝」(701)以前の年号。『二中歴』『如是...
→二中歴
九州 (きゅうしゅう)
1)中国全土のこと。古くは「禹」の領域を九州と言い、後、中...
2)日本における、いわゆる「九州」地方。
【古田武彦説】(1)の派生。日本列島において、倭国の領域を...
九州王朝 (きゅうしゅうおうちょう)
【古田武彦説】邪馬壹国(魏志倭人伝)~多利思北孤の[イ妥](...
旧唐書 (きゅうとうじょ)
【書名】「くとうじょ」とも読まれる。五代・劉[日句]著。倭...
→唐、 新唐書
百済本記 (くだらほんき)
【書名】『日本書紀』引用の百済系史書の一。
継体紀、欽明紀に引用。百済王なら、武寧王から威徳王までの...
「任那日本府」の記事を載せる。
百済記・百済新撰とともに、成立・著者等一切不明。
→百済記、 百済新撰
百済 (くだら)
朝鮮半島西南部に興った国。始祖温祚。中国史上には4世紀頃か...
百済記 (くだらき)
【書名】『日本書紀』に引用された史書。
神功紀から応神紀にかけてと、雄略紀に引用されている。百済...
その逸文は『日本書紀』にしか見えず、成立年・著者等、一切...
恐らく、百済人の手において完成されたものと思われるが、未...
ただし、記載された内容については、信用してよいとされる。
→百済本記、 百済新撰
百済新撰 (くだらしんせん)
【書名】『日本書紀』に引用された百済系史書の一。
雄略紀と武烈紀に引用されている。百済王では、蓋鹵王から武...
武寧王(斯麻王)の記載があり、記述が韓国公州にて発見され...
→百済本記、 百済記
国譲り (くにゆずり)
天照大神は、出雲の大国主神に対し、「葦原中国」の割譲を迫...
【古田武彦説】この前提には、大国主=主、天照=従の関係が...
景行九州遠征 (けいこうきゅうしゅうえんせい)
『日本書紀』景行紀にみえる、景行天皇による九州遠征。『古...
【津田左右吉説】六世紀史官による造作。史実ではない。
【古田武彦説】実際は、九州王朝の王者の業績を景行天皇のも...
呉 (ご)
1)周の初、泰伯が建てた国。二十五代七百五十九年。倭人伝の...
【出典】其の俗、男子皆点して文す。其の旧語を聞くに、自ら...
2)三国の一。孫権が建国。晋により滅亡。四代六十年(221-280)
高句麗 (こうくり)
朝鮮半島北部に興った国。始祖朱蒙は扶余の出という。中国史...
後漢 (ごかん)
前漢が新(王莽)にとってかわられた後、劉秀(光武帝)によ...
→漢
後漢書 (ごかんじょ)
【書名】南朝劉宋・范曄(398-445)撰。後漢一代の歴史書。百二...
古語拾遺 (こごしゅうい)
【書名】斎部廣成著。大同2年(807年)。
古事記 (こじき)
712年。太安万侶編。三巻。「日本」の歴史について、神代より...
【津田左右吉説】「帝紀」と「旧辞」を太安万侶が一つにまと...
【河西説】「旧辞」のみをまとめたもの。→「古事記の成立」
さ
三国遺事 (さんごくいじ)
【書名】13世紀末頃。高麗・僧一然撰。三国史記の後に、史記...
三国志 (さんごくし)
【書名】晋・陳寿(233-297)著。後漢滅亡後の三国時代の騒乱を...
→魏志倭人伝
三国史記 (さんごくしき)
【書名】1145年、高麗・金富軾撰。高句麗・新羅・百済の三国...
史記 (しき)
【書名】漢・司馬遷(前145?-前86?)撰。黄帝から前漢の武帝ま...
周 (しゅう)
1)武王の時、殷の紂王を倒し、鎬京(現、西安の西北)に都し...
2)北周。
3)則天武后が一時称した国名(690-705)
→北周
尚書 (しょうしょ)
【書名】五経の一。漢代には「書」、宋(趙氏)代以降には「...
続日本紀 (しょくにほんぎ)
【書名】桓武天皇延暦十六年(797年)、藤原継縄撰。「六国史...
蜀 (しょく)
蜀漢。三国の一。劉備が建国。成都に都す。魏によって滅亡。...
新羅 (しらぎ)
朝鮮半島東南部に興った国。中国史上に登場するのは4世紀頃か...
新唐書 (しんとうじょ)
【書名】欧陽脩・宋祁(998-1061)撰。旧唐書に続く。唐代後半...
→唐、 旧唐書
秦 (しん)
1)戦国七雄の一。始皇帝のとき、天下統一。劉邦により滅亡。...
2)前秦。苻健が長安に建国(351-394)
3)後秦。姚萇が前秦を滅ぼし、建国(384-417)
4)西秦。乞伏乾帰が建国(385-431)
晋 (しん)
司馬炎が魏に代わって建国。始め洛陽、後に長安に都したが、3...
→東晋、 晋書
晋書 (しんじょ)
【書名】唐・房玄齢(?-648)ら撰。全百三十巻。648年。
→晋
神武東征 (じんむとうせい)
初代の天皇と伝えられる神武天皇が九州の地から大和へ移動し...
【河西コメント】九州における一豪族だった神武が東なる地に...
隋 (ずい)
北朝の一。楊堅が周を滅ぼし建国。南朝の陳をも滅ぼし、南北...
→隋書
隋書 (ずいしょ)
【書名】唐・魏徴(580-643)撰。[イ妥]国伝(隋書では「倭国...
→隋
帥升 (すいしょう(?))
倭王。後漢安帝永初元年(107)年に遣使した倭王。倭人中で中国...
斉 (せい)
1)南斉。
2)北斉。
→南斉書、 南斉、 北斉
山海経 (せんかいきょう)
【書名】著者未詳。前漢・劉秀、建平元年(前6)編。中国国内...
前漢 (ぜんかん)
劉邦が秦を滅ぼして建国。王莽に取って代わられるまで。(前20...
→漢書、 漢
戦国策 (せんごくさく)
【書名】著者不明。漢・劉向(前77-前6)編。戦国七雄の時代か...
先代旧事本紀 (せんだいきゅうじほんぎ)
【書名】平安朝頃か。推古朝時代の編纂と序文にあるが、疑わ...
1.内容が記紀を踏まえたものであること。
2.推古朝以降の記事を収録していること。
所謂「偽書」と見なされているが、「天孫本紀」「国造本紀」...
→旧事紀
宋 (そう)
南朝の一。劉裕により建国。斉により滅亡。八代五十九年(420-...
→宋書
宋書 (そうじょ)
【書名】梁・沈約(441-513)撰。南朝劉宋の同時代史。所謂「倭...
→宋、 倭五王
た
多利思北孤 (たりしほこ(?))
隋書にあらわれる[イ妥]国王。自ら天子を称し、煬帝の怒りを...
【通説】天皇の称号「たらしひこ」を人名として記載したもの。
【直木孝次郎説】聖徳太子のこと。(直木孝次郎『日本の歴史...
【古田武彦説】九州王朝の王のことであり、天皇家とは無関係...
短里 (たんり)
【古田武彦説】『魏志』の里単位は、漢や唐のそれよりも短い...
【谷本茂説】『周碑算経』の里単位も同様に、一里=75メートル...
朝鮮 (ちょうせん)
1)箕子朝鮮。周の初、箕子が建てたとされる国。少なくとも、...
2)衛氏朝鮮。衛満が亡命先で朝鮮王準から国を奪って建国。漢...
陳 (ちん)
南朝の一。陳覇先が建国。隋によって滅亡(557-589)
通典 (つてん)
【書名】唐・杜祐編。801年。二百巻。政治上参考になるような...
天孫降臨 (てんそんこうりん)
「国譲り」の後、天照大神は、その孫・ににぎを「筑紫日向高...
【古田武彦説】弥生時代前期の実在の事件と見られる。実際に...
天皇 (てんのう)
日本の「最高位」の称号。(現代史における定義は、今の記述...
7世紀頃からその使用が認められる。
【古田武彦説】最初に「天皇」号を名乗ったのは九州王朝。
【河西説】あくまで、「天皇家」が名乗った称号。
唐 (とう)
李淵が隋を滅ぼし建国。二十代二百八十九年(618-907)
→新唐書、 旧唐書
唐会要 (とうかいよう)
【書名】宋・王傅編。北宋の建隆二(981)年。百巻。唐代の法令...
東晋 (とうしん)
→晋
な
南史 (なんし)
【書名】唐・李延寿撰。659年。南北朝時代の南朝の歴史をまと...
→北史
南斉 (なんせい)
南朝の一。蕭道成が建国。梁により滅亡。七代二十四年(479-502)
→南斉書、 斉
南斉書 (なんせいじょ)
【書名】梁・蕭子顕撰。全五十九巻。
→倭五王、 南斉、 斉
二中歴 (にちゅうれき)
【書名】文保2年(1318)~延元4年(1339)に一旦成立。
文安年間(1444~8)頃、最終成立。
『掌中歴』と『懐中歴』の二書をあわせた辞典。
「年代歴」には、多くの逸年号を載せる。
→九州年号
二倍年暦 (にばいねんれき)
【古田武彦説】「二倍年暦」は古田武彦の命名。
最初に提唱したのは安本美典。
「一年二季暦」などの呼称もある。
魏志倭人伝の中に載せる魏略に、
「其の俗、正歳四節を知らず。但、春耕秋収を計りて年紀と為...
とあり、ここから、倭人の暦は春耕と秋収を基準とした暦であ...
今の1年365日の間に、年の区切りが二つあるので、この暦...
魏志倭人伝・記紀に見える長寿は、この反映と考えられる。
例えば神武天皇は古事記に依れば139歳で没したと言うが、...
日本 (にほん)
言わずと知れた我が国の国号。7世紀頃からその使用が見られる...
【河西説】「日本」の国号は古く、神武が大和に移ってくる以...
→倭、 大倭
日本書紀 (にほんしょき)
【書名】元正天皇養老四年(720年)、舎人親王撰。「六国史」...
→記紀神話
は
白村江の戦 (はくすきのえのたたかい)
百済滅亡後、百済の再興を支持した倭国と、新羅・唐が衝突し...
【古田武彦説】これによって倭国(=九州王朝)は滅亡したと...
卑弥呼 (ひみこ)
倭国の女王。魏に使いを送り、明帝を喜ばせた。倭国の戦乱の...
【出典】卑弥呼<三国志、魏志、倭人伝>
俾弥呼<三国志、魏志、明帝紀>
卑弥乎<三国史記、新羅本紀、阿達羅尼師今>
→邪馬壹国
編年体 (へんねんたい)
歴史書の記述方法。年月を追って順次事件を記載して行く方法...
→紀伝体
北魏 (ほくぎ)
東晋の時、鮮卑の拓跋桂が建国。北朝の始。(386-534)
→魏書、 魏
北史 (ほくし)
【書名】唐・李延寿撰。659年。南北朝時代の北朝の歴史をまと...
→南史
北周 (ほくしゅう)
南北朝時代の北朝の一。宇文覚が建国。隋によって滅亡。五代...
→周
北斉 (ほくせい)
北朝の一。高洋が建国。後周により滅亡。五代二十九年(549-577)
→斉
ま
万葉集 (まんようしゅう)
【書名】日本最古の歌集。雄略天皇以降、奈良時代まで。
その歌風は総じて素朴といわれる。
任那日本府 (みまなにほんふ)
雄略紀から欽明紀にかけて登場する、任那における「日本」の...
【古田武彦説】九州王朝の任那における施設。
【河西コメント】あくまで、「日本」すなわち、天皇家の施設...
任那 (みまな)
朝鮮半島南部の地域。古くから、韓人・倭人が雑居し、5~6世...
→加羅
文選 (もんぜん)
【書名】南朝梁の昭明太子(蕭統、501-531)撰。周から梁まで...
や
邪馬壹国 (やまいちこく(?))
いわゆる「邪馬台国」。ただし、「魏志倭人伝」による限り、「...
→卑弥呼、 魏志倭人伝、 邪馬台国
邪馬台国 (やまたいこく)
1) 魏志倭人伝に登場する卑弥呼の国の通称。本来は、魏志倭人...
【松下見林説】「壹」は「臺」の誤り。
【古田武彦説】「壹」は「臺」の誤りではない。
2) 後漢書に登場する倭王の都。こちらは「邪馬臺国」で正しい。
「読み」に関して
【森博達説】「やまたいこく」では呉音と漢音を混交させた読...
【河西コメント】「やまたい」なる読みは、もともと「やまと...
→邪馬壹国
大倭 (やまと)
現在の奈良県の旧国名=大和。
【河西コメント】やまと(山跡)に「大倭」の字をつけたのは...
→倭、 日本
ら
梁 (りょう)
南朝の一。蕭衍により建国(502-557)
→梁書
梁書 (りょうじょ)
【書名】唐・姚思廉、636年撰。
→梁、 倭五王
わ
倭 (わ(ゐ))
中国史上に名を残す、日本列島の古代王朝。
【河西コメント】「倭国」の国号は九州王朝が名乗ったもので...
→日本、 大倭
倭五王 (わのごおう)
宋書から梁書の倭国伝に記された、「讃」「珍」「済」「興」...
【松下見林説】讃=履中、珍=反正、済=允恭、興=安康、武=雄略
【星野恒説】讃=仁徳、珍=反正、済=允恭、興=安康、武=雄略
【前田直典説】讃=応神、珍=仁徳、済=允恭、興=安康、武=雄略
【水野祐説】讃=仁徳、珍=反正、済=允恭、興=木梨軽皇子、武=...
【古田武彦説】系譜からいって、天皇家には当たらない為、九...
→宋書、 梁書、 南斉書
RIGHT:歴史学の方法に関連しそうな人たち(Historical)
終了行:
[[Historical]]
#menu(menu_Historical)
''古代史のための用語集''
Author: KAWANISHI Yoshihiro
[あ] [か] [さ] [た] [な] [は] [ま] [や] [ら] [わ]
あ
天照大神 (あまてるおほかみ)
通例、「あまてらすおほみかみ」。これは、あくまで敬語読み。
記紀神話における、太陽神であり、皇祖神。
記紀神話では、「いざなぎ」「いざなみ」の子で、「すさのを...
大国主神に「国譲り」を迫り、「ににぎ」を「葦原中国」に降...
壹与 (いちよ(?))
倭国の女王。卑弥呼の後、13歳で即位。魏、晋に遣使している。
【出典】壹与<魏志倭人伝>
臺与<後漢書>
磐井 (いはゐ)
継体天皇の時代(6世紀)の九州の有力者。九州において、筑...
【古田武彦説】九州王朝の王者。
【出典】竺紫君石井<継体記>
筑紫国造磐井<継体紀>
殷 (いん)
中国古代の王朝。始め商といった。のち殷に都を移したので、...
淮南子 (えなんじ)
【書名】漢・淮南王劉安(?-122)編。二十一巻。漢の儒学推進に...
延喜式 (えんぎしき)
【書名】平安時代。藤原時平・紀長谷雄ら。宮中の儀式等をま...
大国主命 (おほくにぬしのみこと)
出雲の主神。
「おほなむち」「八千矛神」「葦原醜男」等多数の名がある。
『出雲風土記』においては「天下造らしし神」とされる。
「すさのを」の子とも五世孫ともいう。
記紀においては、天照大神によって、「国譲り」を迫られ、隠...
大和の「大物主」と習合され、同一視されたが、本来別の神で...
後には、「大黒天」とも習合された。
か
夏 (か)
中国最古とされる王朝。禹が建国。殷の湯王により滅亡。十七...
加羅 (から)
朝鮮半島南部の地域。駕洛・加羅・加邪など多数の表記は、す...
→任那
漢委奴国王印 (かんのいどこくおうのいん(?))
志賀島で発見された金印。印文に、「漢委奴国王」とある。後...
【亀井南冥・竹田定良他説】「委奴国」は「倭国」と同じで「...
【上田秋成説】「委奴国」は「いとこく」と読み、「伊都国」...
【三宅米吉説】「かんのわのなのこくおう」と読み、金印を授...
【古田武彦説】「かんのいどこくおう」と二段に読み、「委奴...
漢 (かん)
1)前漢。
2)後漢。
→前漢、 後漢
漢書 (かんじょ)
【書名】後漢・班固撰。前漢一代の歴史書。紀伝体の正史。百...
→前漢
魏 (ぎ)
1)三国の一。曹丕(三国志の英雄・曹操の子)が後漢をついで...
2)北魏。
→北魏
記紀神話 (ききしんわ)
『古事記』第一巻、『日本書紀』第一、二巻に載せる神話。
「いざなぎ」→「天照大神」→(出雲神話)→「ににぎ」→「山幸...
主に筑紫と出雲を舞台とする神話。
【河西コメント】記紀神話が「日本神話」の全てと思われがち...
→日本書紀
魏書 (ぎしょ)
【書名】北斉・魏収撰。百十四巻。
→北魏
魏志倭人伝 (ぎしわじんでん)
【書名(通称)】晋・陳寿撰『三国志』の魏志、東夷伝、倭人...
→三国志、 邪馬壹国
紀伝体 (きでんたい)
歴史書の記述方法。帝王の伝記を記す「帝紀」と、臣下の伝記...
【河西コメント】我が国では「日本書紀」が紀伝体(ただし列...
→編年体
旧事紀 (きゅうじき)
【書名】「くじき」とも読まれる。先代旧事本紀。
→先代旧事本紀
九州年号 (きゅうしゅうねんごう)
【古田武彦説】「大宝」(701)以前の年号。『二中歴』『如是...
→二中歴
九州 (きゅうしゅう)
1)中国全土のこと。古くは「禹」の領域を九州と言い、後、中...
2)日本における、いわゆる「九州」地方。
【古田武彦説】(1)の派生。日本列島において、倭国の領域を...
九州王朝 (きゅうしゅうおうちょう)
【古田武彦説】邪馬壹国(魏志倭人伝)~多利思北孤の[イ妥](...
旧唐書 (きゅうとうじょ)
【書名】「くとうじょ」とも読まれる。五代・劉[日句]著。倭...
→唐、 新唐書
百済本記 (くだらほんき)
【書名】『日本書紀』引用の百済系史書の一。
継体紀、欽明紀に引用。百済王なら、武寧王から威徳王までの...
「任那日本府」の記事を載せる。
百済記・百済新撰とともに、成立・著者等一切不明。
→百済記、 百済新撰
百済 (くだら)
朝鮮半島西南部に興った国。始祖温祚。中国史上には4世紀頃か...
百済記 (くだらき)
【書名】『日本書紀』に引用された史書。
神功紀から応神紀にかけてと、雄略紀に引用されている。百済...
その逸文は『日本書紀』にしか見えず、成立年・著者等、一切...
恐らく、百済人の手において完成されたものと思われるが、未...
ただし、記載された内容については、信用してよいとされる。
→百済本記、 百済新撰
百済新撰 (くだらしんせん)
【書名】『日本書紀』に引用された百済系史書の一。
雄略紀と武烈紀に引用されている。百済王では、蓋鹵王から武...
武寧王(斯麻王)の記載があり、記述が韓国公州にて発見され...
→百済本記、 百済記
国譲り (くにゆずり)
天照大神は、出雲の大国主神に対し、「葦原中国」の割譲を迫...
【古田武彦説】この前提には、大国主=主、天照=従の関係が...
景行九州遠征 (けいこうきゅうしゅうえんせい)
『日本書紀』景行紀にみえる、景行天皇による九州遠征。『古...
【津田左右吉説】六世紀史官による造作。史実ではない。
【古田武彦説】実際は、九州王朝の王者の業績を景行天皇のも...
呉 (ご)
1)周の初、泰伯が建てた国。二十五代七百五十九年。倭人伝の...
【出典】其の俗、男子皆点して文す。其の旧語を聞くに、自ら...
2)三国の一。孫権が建国。晋により滅亡。四代六十年(221-280)
高句麗 (こうくり)
朝鮮半島北部に興った国。始祖朱蒙は扶余の出という。中国史...
後漢 (ごかん)
前漢が新(王莽)にとってかわられた後、劉秀(光武帝)によ...
→漢
後漢書 (ごかんじょ)
【書名】南朝劉宋・范曄(398-445)撰。後漢一代の歴史書。百二...
古語拾遺 (こごしゅうい)
【書名】斎部廣成著。大同2年(807年)。
古事記 (こじき)
712年。太安万侶編。三巻。「日本」の歴史について、神代より...
【津田左右吉説】「帝紀」と「旧辞」を太安万侶が一つにまと...
【河西説】「旧辞」のみをまとめたもの。→「古事記の成立」
さ
三国遺事 (さんごくいじ)
【書名】13世紀末頃。高麗・僧一然撰。三国史記の後に、史記...
三国志 (さんごくし)
【書名】晋・陳寿(233-297)著。後漢滅亡後の三国時代の騒乱を...
→魏志倭人伝
三国史記 (さんごくしき)
【書名】1145年、高麗・金富軾撰。高句麗・新羅・百済の三国...
史記 (しき)
【書名】漢・司馬遷(前145?-前86?)撰。黄帝から前漢の武帝ま...
周 (しゅう)
1)武王の時、殷の紂王を倒し、鎬京(現、西安の西北)に都し...
2)北周。
3)則天武后が一時称した国名(690-705)
→北周
尚書 (しょうしょ)
【書名】五経の一。漢代には「書」、宋(趙氏)代以降には「...
続日本紀 (しょくにほんぎ)
【書名】桓武天皇延暦十六年(797年)、藤原継縄撰。「六国史...
蜀 (しょく)
蜀漢。三国の一。劉備が建国。成都に都す。魏によって滅亡。...
新羅 (しらぎ)
朝鮮半島東南部に興った国。中国史上に登場するのは4世紀頃か...
新唐書 (しんとうじょ)
【書名】欧陽脩・宋祁(998-1061)撰。旧唐書に続く。唐代後半...
→唐、 旧唐書
秦 (しん)
1)戦国七雄の一。始皇帝のとき、天下統一。劉邦により滅亡。...
2)前秦。苻健が長安に建国(351-394)
3)後秦。姚萇が前秦を滅ぼし、建国(384-417)
4)西秦。乞伏乾帰が建国(385-431)
晋 (しん)
司馬炎が魏に代わって建国。始め洛陽、後に長安に都したが、3...
→東晋、 晋書
晋書 (しんじょ)
【書名】唐・房玄齢(?-648)ら撰。全百三十巻。648年。
→晋
神武東征 (じんむとうせい)
初代の天皇と伝えられる神武天皇が九州の地から大和へ移動し...
【河西コメント】九州における一豪族だった神武が東なる地に...
隋 (ずい)
北朝の一。楊堅が周を滅ぼし建国。南朝の陳をも滅ぼし、南北...
→隋書
隋書 (ずいしょ)
【書名】唐・魏徴(580-643)撰。[イ妥]国伝(隋書では「倭国...
→隋
帥升 (すいしょう(?))
倭王。後漢安帝永初元年(107)年に遣使した倭王。倭人中で中国...
斉 (せい)
1)南斉。
2)北斉。
→南斉書、 南斉、 北斉
山海経 (せんかいきょう)
【書名】著者未詳。前漢・劉秀、建平元年(前6)編。中国国内...
前漢 (ぜんかん)
劉邦が秦を滅ぼして建国。王莽に取って代わられるまで。(前20...
→漢書、 漢
戦国策 (せんごくさく)
【書名】著者不明。漢・劉向(前77-前6)編。戦国七雄の時代か...
先代旧事本紀 (せんだいきゅうじほんぎ)
【書名】平安朝頃か。推古朝時代の編纂と序文にあるが、疑わ...
1.内容が記紀を踏まえたものであること。
2.推古朝以降の記事を収録していること。
所謂「偽書」と見なされているが、「天孫本紀」「国造本紀」...
→旧事紀
宋 (そう)
南朝の一。劉裕により建国。斉により滅亡。八代五十九年(420-...
→宋書
宋書 (そうじょ)
【書名】梁・沈約(441-513)撰。南朝劉宋の同時代史。所謂「倭...
→宋、 倭五王
た
多利思北孤 (たりしほこ(?))
隋書にあらわれる[イ妥]国王。自ら天子を称し、煬帝の怒りを...
【通説】天皇の称号「たらしひこ」を人名として記載したもの。
【直木孝次郎説】聖徳太子のこと。(直木孝次郎『日本の歴史...
【古田武彦説】九州王朝の王のことであり、天皇家とは無関係...
短里 (たんり)
【古田武彦説】『魏志』の里単位は、漢や唐のそれよりも短い...
【谷本茂説】『周碑算経』の里単位も同様に、一里=75メートル...
朝鮮 (ちょうせん)
1)箕子朝鮮。周の初、箕子が建てたとされる国。少なくとも、...
2)衛氏朝鮮。衛満が亡命先で朝鮮王準から国を奪って建国。漢...
陳 (ちん)
南朝の一。陳覇先が建国。隋によって滅亡(557-589)
通典 (つてん)
【書名】唐・杜祐編。801年。二百巻。政治上参考になるような...
天孫降臨 (てんそんこうりん)
「国譲り」の後、天照大神は、その孫・ににぎを「筑紫日向高...
【古田武彦説】弥生時代前期の実在の事件と見られる。実際に...
天皇 (てんのう)
日本の「最高位」の称号。(現代史における定義は、今の記述...
7世紀頃からその使用が認められる。
【古田武彦説】最初に「天皇」号を名乗ったのは九州王朝。
【河西説】あくまで、「天皇家」が名乗った称号。
唐 (とう)
李淵が隋を滅ぼし建国。二十代二百八十九年(618-907)
→新唐書、 旧唐書
唐会要 (とうかいよう)
【書名】宋・王傅編。北宋の建隆二(981)年。百巻。唐代の法令...
東晋 (とうしん)
→晋
な
南史 (なんし)
【書名】唐・李延寿撰。659年。南北朝時代の南朝の歴史をまと...
→北史
南斉 (なんせい)
南朝の一。蕭道成が建国。梁により滅亡。七代二十四年(479-502)
→南斉書、 斉
南斉書 (なんせいじょ)
【書名】梁・蕭子顕撰。全五十九巻。
→倭五王、 南斉、 斉
二中歴 (にちゅうれき)
【書名】文保2年(1318)~延元4年(1339)に一旦成立。
文安年間(1444~8)頃、最終成立。
『掌中歴』と『懐中歴』の二書をあわせた辞典。
「年代歴」には、多くの逸年号を載せる。
→九州年号
二倍年暦 (にばいねんれき)
【古田武彦説】「二倍年暦」は古田武彦の命名。
最初に提唱したのは安本美典。
「一年二季暦」などの呼称もある。
魏志倭人伝の中に載せる魏略に、
「其の俗、正歳四節を知らず。但、春耕秋収を計りて年紀と為...
とあり、ここから、倭人の暦は春耕と秋収を基準とした暦であ...
今の1年365日の間に、年の区切りが二つあるので、この暦...
魏志倭人伝・記紀に見える長寿は、この反映と考えられる。
例えば神武天皇は古事記に依れば139歳で没したと言うが、...
日本 (にほん)
言わずと知れた我が国の国号。7世紀頃からその使用が見られる...
【河西説】「日本」の国号は古く、神武が大和に移ってくる以...
→倭、 大倭
日本書紀 (にほんしょき)
【書名】元正天皇養老四年(720年)、舎人親王撰。「六国史」...
→記紀神話
は
白村江の戦 (はくすきのえのたたかい)
百済滅亡後、百済の再興を支持した倭国と、新羅・唐が衝突し...
【古田武彦説】これによって倭国(=九州王朝)は滅亡したと...
卑弥呼 (ひみこ)
倭国の女王。魏に使いを送り、明帝を喜ばせた。倭国の戦乱の...
【出典】卑弥呼<三国志、魏志、倭人伝>
俾弥呼<三国志、魏志、明帝紀>
卑弥乎<三国史記、新羅本紀、阿達羅尼師今>
→邪馬壹国
編年体 (へんねんたい)
歴史書の記述方法。年月を追って順次事件を記載して行く方法...
→紀伝体
北魏 (ほくぎ)
東晋の時、鮮卑の拓跋桂が建国。北朝の始。(386-534)
→魏書、 魏
北史 (ほくし)
【書名】唐・李延寿撰。659年。南北朝時代の北朝の歴史をまと...
→南史
北周 (ほくしゅう)
南北朝時代の北朝の一。宇文覚が建国。隋によって滅亡。五代...
→周
北斉 (ほくせい)
北朝の一。高洋が建国。後周により滅亡。五代二十九年(549-577)
→斉
ま
万葉集 (まんようしゅう)
【書名】日本最古の歌集。雄略天皇以降、奈良時代まで。
その歌風は総じて素朴といわれる。
任那日本府 (みまなにほんふ)
雄略紀から欽明紀にかけて登場する、任那における「日本」の...
【古田武彦説】九州王朝の任那における施設。
【河西コメント】あくまで、「日本」すなわち、天皇家の施設...
任那 (みまな)
朝鮮半島南部の地域。古くから、韓人・倭人が雑居し、5~6世...
→加羅
文選 (もんぜん)
【書名】南朝梁の昭明太子(蕭統、501-531)撰。周から梁まで...
や
邪馬壹国 (やまいちこく(?))
いわゆる「邪馬台国」。ただし、「魏志倭人伝」による限り、「...
→卑弥呼、 魏志倭人伝、 邪馬台国
邪馬台国 (やまたいこく)
1) 魏志倭人伝に登場する卑弥呼の国の通称。本来は、魏志倭人...
【松下見林説】「壹」は「臺」の誤り。
【古田武彦説】「壹」は「臺」の誤りではない。
2) 後漢書に登場する倭王の都。こちらは「邪馬臺国」で正しい。
「読み」に関して
【森博達説】「やまたいこく」では呉音と漢音を混交させた読...
【河西コメント】「やまたい」なる読みは、もともと「やまと...
→邪馬壹国
大倭 (やまと)
現在の奈良県の旧国名=大和。
【河西コメント】やまと(山跡)に「大倭」の字をつけたのは...
→倭、 日本
ら
梁 (りょう)
南朝の一。蕭衍により建国(502-557)
→梁書
梁書 (りょうじょ)
【書名】唐・姚思廉、636年撰。
→梁、 倭五王
わ
倭 (わ(ゐ))
中国史上に名を残す、日本列島の古代王朝。
【河西コメント】「倭国」の国号は九州王朝が名乗ったもので...
→日本、 大倭
倭五王 (わのごおう)
宋書から梁書の倭国伝に記された、「讃」「珍」「済」「興」...
【松下見林説】讃=履中、珍=反正、済=允恭、興=安康、武=雄略
【星野恒説】讃=仁徳、珍=反正、済=允恭、興=安康、武=雄略
【前田直典説】讃=応神、珍=仁徳、済=允恭、興=安康、武=雄略
【水野祐説】讃=仁徳、珍=反正、済=允恭、興=木梨軽皇子、武=...
【古田武彦説】系譜からいって、天皇家には当たらない為、九...
→宋書、 梁書、 南斉書
RIGHT:歴史学の方法に関連しそうな人たち(Historical)
ページ名: