歴史学の方法に関連しそうな人たち(Historical)
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''歴史学の方法に関係しそうな人たち。''
Author: KAWANISHI Yoshihiro
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A
Althusser (ルイ・アルチュセール:Louis ALTHUSSER, 1918-19...
重層的決定論
マルクス主義で言う「土台」の経済一元で上部構造(特にイデオ...
イデオロギー的国家装置
公的な国家装置から比較的自立した、教会や学校やメディアな...
Amino (網野善彦:AMINO Yoshihiko, 1928-2004)
日本人
日本人とは、日本の国制化にある本来多様な人々のことを言う...
Anderson (ベネディクト・アンダーソン:Benedict Richard O'...
国民/民族の3つのパラドックス
国民/民族(Nation)をめぐる問題には3つのパラドックスを抱え...
-国民の存在は近代国家によって成立したものに過ぎないが、ナ...
-すべての人はどこかの国家に属すのでナショナリティを持つの...
-にもかかわらず、ナショナリズムをめぐる議論はまったく深ま...
想像の共同体
ナショナリズムに基づく共同性は、歴史的に構築された〈想像...
Austin (ジョン・L・オースティン:John Langshaw AUSTIN, 19...
行為遂行的発言(performative)
言語を発することは何らかの行為(約束・命令・警告など)であ...
言語行為論(speech act theory)
すべての発言に関わる行為を3つに区分する。
-発語行為(locutionary act)...発語すること。「約束します」...
-発語内行為(illocutionary act)...発語によって行う行為。「...
-発語媒介行為(perlocutionary act)...発語を媒介として為さ...
慣習(convention)
行為遂行的発言は慣習的でなければならない。特に発語内行為...
【河西コメント】〈慣習〉という用語によって示されるのは、...
B
Bakhtine (ミハエル・バフチン:Mikhail BAKHTINE, 1895-1975)
対話(dialogue)
言語は社会的に組織された人々の間での対話者の相互作用の結...
Balibar (エティエンヌ・バリバール:Etienne BALIBAR, 1942-...
ナショナリズム
ナショナリズムという概念は、決して単独では機能せず、常に...
ナショナル・アイデンティティ
ナショナル・アイデンティティは常に投影のメカニズムによっ...
Barraclough (バラクラフ:Geoffrey BARRACLOUGH, 1908- )
世界史
一国史はもはや、科学や技術やマスコミの発達によって一体化...
Barthes (ロラン・バルト:Roland BARTHES, 1915-1980)
シークエンス分析
物語の構成要素(機能体)について、〈核〉と〈触媒〉に分け、...
-核...物語の筋
-触媒...自然な展開を保証するための埋め草
【河西コメント】このような手法は、まったく「科学的」では...
指標
筋には関わらないが、物語の内容にとって重要な情報をもたら...
エクリチュール
伝達の意味内容ではなく、伝達様式そのものに焦点を当てるタ...
作者の死
伝統的実証主義文学批判における、作者中心の批評を改め、読...
【河西コメント】もちろん、作者中心が「古い愚かな考え」で...
Becker (ハワード・ソール・ベッカー:Howard Saul BECKER, 1...
ラベリング理論
社会における逸脱行為(犯罪・非行・狂気等)は、人間の性質に...
Benveniste (エミール・バンヴェニスト:Emile BENVENISTE, 1...
発話行為の主体
人間の主体は発話行為の主体のことである。「わたし」は「わ...
ディスクール(discours)/イストワール(histoire)
-ディスクール...書き手が自らを発話者として示すタイプのテ...
-イストワール...出来事が自ら語っているような非人称の叙述
遂行的発言の一回性
行為遂行的発言は、歴史的個人的であり、一回だけ行われる。...
Berlin (アイザリア・バーリン:Isaiah BERLIN, 1909-1997)
ナショナリズム
ナショナリズムとは、普通ならば寛容で平和的であるかもしれ...
Bernheim (エルンスト・ベルンハイム:Ernst BERNHEIM, 1850-...
歴史記述の方法
歴史記述の方法には3つある。
-物語風歴史(erzahlende Gesch.)...ホメロスのような叙述。
-教訓的実用的歴史(lehrhafte od. pragmatische Gesch.)...歴...
-発展的発生的歴史(entwickelnde od. genetische Gesch.)......
Binford (ルイス・ビンフォード: Lewis Roberts BINFORD, 19...
考古学に関するミドルレンジセオリー
-歴史考古学
-実験考古学
-民族考古学
Bloom (ハロルド・ブルーム:Harold BLOOM, 1930- )
影響理論
複数のテクストの関係を、先行テクストと後続テクストの親子...
Bloomfield (レオナード・ブルームフィールド:Leonard BLOOM...
意味の意味
「なんにせよ見かけは重要でない物事が、ヨリ重要な物事と密...
【河西コメント】つまり、〈意味〉というものがそこに存在す...
Bourdieu (ピエール・ブルデュー:Pierre BOURDIEU, 1930-200...
ハビトゥス
ある個人(行為者)の、階級や集団に特有な知覚、価値観、行動...
Braudel (フェルナン・ブローデル:Fernand BRAUDEL, 1902-19...
アナール学派(annales)
歴史の基底にあって変化しない長期持続的なものに注目し、食...
歴史の「時間」
歴史には3種類の時間がある。
-地理学的時間...自然条件や主要な交通路などのほとんど変化...
-社会的時間...社会制度・文化文明の構造などの緩やかに変化...
-個人的時間...軍事的・政治的事件などの短時間で急激に変化...
生活の三層
人々の生活には以下の3層がある。
-物質生活...衣食住のような基本的な生存に関わる生活
-経済生活...物質生活を基礎とした商業・貿易などの生活
-資本主義...19世紀以降発展してきた複雑な経済システム
Bremond (クロード・ブレモン:Claude BREMOND, 1929- )
ストーリー構造
ストーリーは、節目ごとの選択(読者によってであれ、作者によ...
Brendal (ヴィゴ・ブレンダル:Viggo BRENDAL, 1887-1942)
超越論的構造主義
言語の分析に当たって言語の外部の概念を適用し、言語学以外...
極的形式/中立形式/複合形式/極的複合形式
あらゆるシステムを規定する関係の形式は、
-~か…か...極的形式
-~でもなく…でもない...中立形式
-~でもあり…でもある...複合形式
-~でもあり…でもある(どちらかといえば~)...極的複合形式
Burckhardt (ヤーコプ・クリストフ・ブルクハルト:Jacob Chr...
歴史における3つの力(Potenz)
歴史には以下の3つの力が働く。
-国家...政治的要求の表現
-宗教...形而上学的要求の表現
-文化...とにかく自発的に成立した全てのものの総体
国家と宗教は、それぞれ当の国民に普遍的妥当性を要求する。...
C
Carnap (ルードルフ・カルナップ:Rudolf CARNAP, 1891-1970)
論理実証主義
一切の言明を以下の3つに分類する。
-経験的言明
-分析的言明
-擬似的言明
従来の哲学的問題に対する言明は全て擬似的言明であり、学問...
経験的言明
直接検証できるものと間接的に検証できるものがある。直接検...
Carr (エドワード・H・カー:Edward Hallett CARR, 1892-1982)
歴史とは
「歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり...
Chartier (ロジェ・シャルチエ:Roger CHARTIER, 1945- )
読書の実践形態(プラチック)
読書という行為は、読者によって、また時代によって、その形...
テクストの媒体としての書物
テクストは媒体としての書物がなければ存在し得ない。書物の...
Chomsky (ノーム・チョムスキー:Noam CHOMSKY, 1928- )
能力(competence)/運用(performance)
言語共同体の中で使われる文法を表現する能力(言語能力)とそ...
【河西コメント】ソシュールの〈ラング/パロール〉の区別に...
生成文法(generative grammar)
言語獲得に関しては、人間は基本的な文法能力を生まれながら...
Xバー理論(X-bar theory)
普遍文法の原理。X'→αXで示され、ある句構造(名詞句など)Xは...
Collingwood (ロビン・ジョージ・コリングウッド:Robin Geor...
歴史とは
「歴史というのは、歴史家がその歴史を研究しているところの...
Croce (ベネデット・クローチェ:Benedetto CROCE, 1866-1952)
歴史とは
「すべて歴史的判断の基礎には実践的要求があるので、すべて...
Culler (ジョナサン・カラー:Jonathan CULLER, 1944- )
アプリケーション(application)
複数のテクストをすり合わせること。比較するのではなく、同...
D
Dallenbach (リュシェン・デーレンバック:Lucien DALLENBACH)
間テクスト性の審級
間テクスト性は以下の審級が区別されなくてはならない。
-一般的な間テクスト性...作者Aのテクストaと作者Bのテクスト...
-制限的な間テクスト性...同一作者Aのテクストaとテクストbの...
-自己的な間テクスト性...同一作者の同一テクストaとa'の関係
Danto (アーサー・コールマン・ダント:Arthur Coleman DANTO...
物語文(narrative sentence)
物語における文章は、少なくとも2つの時間的に離れた出来事を...
理想的年代記(Ideal Chronicle)
あらゆる経験は、原因と結果、始まりと終わりという時間的に...
Darwin (チャールズ・ロバート・ダーウィン:Charles Robert ...
自然選択説
どんな生物にも個体差があり、自然環境の中で増えると、生存...
【河西コメント】むしろ、我々は、「生き残ったもののことを...
de Man (ポール・ド・マン:Paul DE MAN, 1919-1983)
読みの不可能性
テクストは常に両義的な表現や曖昧な統語構造などのシニフィ...
盲点/洞察
テクストの意味の決定不可能な性質にもかかわらず、読者が一...
Deleuze (ジル・ドゥルーズ:Gilles DELEUZE, 1925-1995)
リゾーム
西洋哲学の基本思想の二分法による樹形図構造に対する概念と...
Derrida (ジャック・デリダ:Jacques DERRIDA, 1930-2004)
脱構築(deconstruction)
古代ギリシア以来の西洋哲学が、絶対的な知、理性の存在に疑...
脱構築(deconstruction)とは、ある議論に対して、議論の外部...
差延(differance)
テクスト内における、テクストそのものからのずれ。相違し、...
ラングという体系の中における、自身からのずれ。ラングとい...
【河西コメント】このような考えは、ソシュールの〈通時態〉...
Donnellan (キース・セドウィック・ドネラン:Keith Sedgwick...
遮断(block)
架空の人物、虚構の登場人物は、固有名の指示の因果連鎖にお...
E
Eagleton (テリー・イーグルトン:Terry EAGLETON, 1934- )
ポストモダニズム批判
ラカン・フーコー・ドゥルーズ・デリダなどに端を発するポス...
Eco (ウンベルト・エーコ:Umberto ECO, 1932- )
開かれた作品
造形芸術、視覚芸術、音楽などを含む全ての芸術作品は、解釈...
Engels (フリードリヒ・エンゲルス:Friedlich ENGELS, 1820-...
史的唯物論
物質的生活の生産にあたって人々の間に生産のための人間関係(...
Erikson (エリック・エリクソン:Erik Homburger ERIKSON, 19...
8つの発達段階と危機
人間の発達を以下の段階における危機の問題として捉える。
-乳児期(口唇期)...基本的信頼←→不信
-早期幼児期(肛門期)...自律性←→恥・疑惑
-後期幼児期(男根期・エディプス期)...積極性←→罪悪感
-学童期(潜在期)...生産性←→劣等感
-青年期...同一性←→同一性拡散
-早期成人期...親密性←→孤立
-成人期(壮年期)...生殖性←→停滞
-老年期...統合性←→絶望
青年期と自我同一性(Identity)の確立
青年期には、急激な身体発達と第二次性徴、知能の発達により...
F
Feuerbach (ルートヴィヒ・フォイエルバッハ:Ludwig Andreas...
人間主義
神の本質は「人間」である。神が全能であると言われるのは、...
Fish (スタンリー・フィッシュ:Stanley FISH)
読者反応批評
文学における批評とは、読者の反応を記すことである、とし、...
Foerster (ハインツ=フォン・フェルスター:Heinz-von FOERST...
固有値(Eigenwert)
システムの諸作動が回帰的ネットワークを形成する中で、一時...
無差別的コード化の命題
ある神経細胞の刺激状態は、強さだけをコード化するのであっ...
Foucault (ミシェル・フーコー:Michel FOUCAULT, 1926-1984)
エピステーメ(episteme)
ある時代を支配し、規定している全体的な「知」。
ディスクール(discours)
フーコーのディスクールの概念は、以下の3段階のうちのひとつ。
-言表(enonce)...実際に述べられたもの、書かれているもの
-ディスクール(discours)...言表を生み出す背景
-ディスクール化の体制(regime discoursif)...ディスクールを...
権力と知の共犯関係
「権力は知を産み出す。(それは単に、知が権力に奉仕するが故...
Frege (ゴットロブ・フレーゲ:Gottolob FREGE, 1848-1925)
哲学的論理学
哲学的論理学を形成する三つの原理は以下のとおり。
-反心理主義...心理的なものを論理的なものから、主観的なも...
-文脈原理...語の意味を文脈のなかで問い、文脈から切り離し...
-概念と対象との関係を常に念頭に置くこと。
意味と指示
意味と指示は別のものとし、意味に含まれる要素を3つに分ける。
-指示(Bedeutung)...文が指し示すもの。意味とはまったく別の...
-意義(Sinn)...意味のうち、文の真理値に関わるもの。
-潤色(Farbung)...文の真理値には関わりの無い表現の違い。
-力(Kraft)...同じ文を主張、命令、疑問などに使い分ける時の...
Freud (ジグムント・フロイト:Sigmund FREUD, 1856-1939)
精神分析(psycoanalyse)
患者との対話により、患者の失錯・言い間違い・記憶違い・夢...
【河西コメント】精神分析を本当に行なうのは、分析者ではな...
無意識(inconscient)
失錯・言い間違い・変形などを通じて、意識の底にあると考え...
原始言語の相反的意味(Gegesinn der Ulwrote)
言語学者K.アーベル(K.Abel)の1884年の著書『原始言語の相反...
フロイトは夢における「対立」の現れ方は、「一致」の場合と...
G
Gadamer (ハンス=ゲオルグ・ガダマー:Hans-Georg GADAMER, 1...
解釈学(Hermoneutik)
経験一般の言語性と歴史性は、人間存在の有限性の所以である...
Geertz (クリフォード・ギアツ:Clifford GEETZ, 1926- )
国家の概念
国家(State)には、本来、3つの意味が含まれている。
-エステイト(estate)...地位、身分、状態
-ステイトゥリネス(stateliness)...威厳
-ステイトクラフト(statecraft)...政治手腕、君臨・支配の技...
近代政治思想上の「国家」は専らステイトクラフトを中心に考...
劇場国家
3つの国家概念が分かちがたく組み合わさっている国家。
Gellner (エルンスト・ゲルナー:Ernst GELLNER, 1925- )
ナショナリズム
ナショナリズムとは、政治的な単位と民族的な単位が一致しな...
Genette (ジェラルド・ジュネット:Gerard GENETTE, 1930- )
物語論(ナラトロジー、narratologie)
物語のテクスト分析の際の基本概念。
-物語言説(レシ)...テクストそのもの
-物語内容(イストワール)...話の内容
-物語行為(ナラシオン)...語るという行為
上記の物語言説と他の二つとの関係を扱う。
その下位範疇として以下を扱う。
-時間...順序・持続(速度)・頻度を扱う範疇
-叙法...物語情報の制御の仕方(距離・パースペクティヴ)を扱...
-態...語り手に関する問題(語りの時間・語りの水準・語りの人...
パランプセスト
書いてある文字を消して新たに重ね書きされた羊皮紙。あるテ...
-上層テクスト(hypertext)...変形を行っている後続テクスト
-下層テクスト(hypotext)...変形される先行テクスト
パラテクスト
書物の本文(狭義のテクスト)以外の、テクストの読解に影響を...
Ginzburg (カルロ・ギンズブルグ:Carlo GINZBURG)
ポストモダン歴史学とナチズム
言語派=ポストモダン歴史学の立場を推し進め、歴史史料のテク...
Goux (ジャン=ジョセフ・グー:Jean-Joseph GOUX, 1943- )
象徴秩序の生成プロセス
商品の交換プロセスにおける貨幣という一般等価物の存在が、...
象徴化能力
現実に存在するありとあらゆる差異・変化の中から、不変のも...
Gramsci (アントニオ・グラムシ:Antonio GRAMSCI, 1891-1937)
ヘゲモニー(hegemony)
日常的な権力が作動する様子。マルクス主義の直線的、一方通...
Greenblatt (スティーヴン・グリーンブラット:Stephen GREEN...
新歴史主義文学批評(new historicism)
歴史的な事象や、政治、経済、哲学、芸術全般などのあらゆる...
Greimas (アルジルダス・ジュリアン・グレマス:Algirdas Jul...
構造意味論
意味作用は、差異を知覚することに他ならない。差異を知覚す...
-矛盾関係...白と非白の関係。同時に現前できない。
-対立関係...白と黒の関係。一方が現前すれば必ず他方も現前...
-含意関係...白と非黒の関係。一方が他方を前提しあう。
行為項分析
プロップ、スーリオの分析を受け、3組の対の行為項を定める。
-主体/客体...願望・探索の主体/対象
-送り手/受け手...価値の決定者乃至審判者/受益者乃至裁か...
-補助者/反対者...主体の援助者/敵対者
Grice (ポール・グライス:H. Paul GRICE, 1913-1988)
言語使用における意図
発話者は、以下のことを知っている。
-発話の内容が発話者にとって何らかの意味があること。
-発話の相手がその発話に何らかの意味があることを了承するこ...
-相手が発話の内容を理解すること。
H
Hall (スチュアート・ホール:Stuart HALL, 1932- )
オーディエンス
視聴者。メッセージを主体的に読み、そこから自らの生にかか...
エンコーディング(記号化、encoding)/デコーディング(復号化...
メディアを介してやり取りされるメッセージは、まず発話者に...
デコーディングは、自立的に行われるが、各々のデコーディン...
【河西コメント】こうした読み同士の鬩ぎ合いの関係は、言語...
オーディエンスの採り得る位置
デコーディングするオーディエンスは、エンコードの意図に対...
-支配的な位置...エンコードの意図とでコードの読みがほぼ一...
-交渉的な位置...エンコードの意図や支配的な読みを大枠で認...
-対抗的な位置...エンコードの意図や支配的な読みに対立する...
Hegel (G・W・F・ヘーゲル:George Wilhelm Friedrich HEGEL,...
弁証法(Dialektik)
物事の対立・矛盾を克服し、統一し、乗り越えることによって...
歴史哲学
絶対的な知の体系の存在を根拠に、人間は歴史の末に絶対的な...
Hirschberg (ダニエル・S・ハーシュバーグ:Daniel S. HIRSCH...
最長共通部分列(Longest Common Subsequence)
文書比較を行う問題は、2つの文書A,Bの最長共通部分(LCS Long...
Hjelmslev (ルイ・イェルムスレウ:Louis HJELMSLEV, 1899-19...
内在的構造主義
言語学以外の諸科学(論理学、心理学等)によって提供される諸...
融即的対立関係(opposition participative)
言語を構成する対立関係は、プラスとマイナスの二項を生み出...
-A...明確な項(内括項)
-A + non A...不明確な項(外括項)
Husserl (エドムンド・フッサール:Edmund HUSSERL, 1859-193...
現象学
人は存在そのものを言い当てることは出来ないが、存在の意味...
超越論的自我
意味を読み取る主体のこと。
I
Iser (ウォルフガング・イーザー:Wolfgang ISER, 1926- )
レパートリィ(repertory)
虚構文学において読者が世界を構築する為の諸要素。実話であ...
Ishigami (石上英一:ISHIGAMI Eiichi, 1946- )
古代史料テクスト構造
古代史料は、歴史的情報過程を時間順行方向に移動する歴史情...
-テクスト生成過程状態
-テクスト生成終了状態
テクスト生成過程状態の構造
-追記構造...あるテクストに追記を施すことによって新たなテ...
-派生構造...同一内容、もしくは変更を加えた内容の新たなテ...
テクスト生成終了状態の構造
-時間変数
-階層・順序変数
-真偽値・二項対立値
-統「文」構造
【河西コメント】おそらく、生成過程状態と生成終了状態の区...
Itagaki (板垣雄三:ITAGAKI Yuzo, 1931- )
n地域
埋め込まれた差別体制の重層構造を拡大的に再生産する力(P)に...
J
Jackendoff (ジャッケンドフ:Ray S. JACKENDOFF)
概念構造(conceptual structure)
言語構造を音韻構造、統語構造、概念構造に分ける。このうち...
-概念範疇(物体・場所・経路・行為・出来事・方法・量など)
-関数(BE関数・GO関数・CAUSE関数など)
これらを組み合わせることによって文の意味を表示する。
例) あそこにカメラがある。
[stateBE([thingCAMERA],[placeTHERE])]
大文字は個別言語ではなく意味概念を表す。BE(α,β)は、関数。...
小文字は概念範疇を表す。
【河西コメント】これは、単に別の言語を作成しているだけで...
Jakobson (ロマン・ヤコブソン:Roman JAKOBSON, 1896-1982)
言語活動の六機能
言語コミュニケーションを構成する6つの要素と、そのうちのど...
-発信者...心情的機能
-コンテクスト...指示機能
-メッセージ...詩的機能
-接触...交話的機能
-コード...メタ言語的機能
-受信者...動能的機能
James (ウィリアム・ジェイムズ:William JAMES, 1842-1910)
プラグマティズム(pragmatism)
真理は、人間の意識経験、認識を超えたところに厳然と存在す...
Jauss (ハンス・ルーベルト・ヤウス:Hans Robert JAUSS)
受容理論
文学研究における読者の役割を重視し、作品はそれ自体で成立...
-作者の時代
-作品の時代
-読者の時代
Johnson (バーバラ・ジョンソン:Barbara JOHNSON, 1947- )
批評的差異(critical difference)
テクストの内的差異。
Jung (カール・グスタフ・ユング:Carl Gustav JUNG, 1875-19...
元型(archetype)
人間の無意識の中には、人間に共通の様相(普遍的無意識)が複...
-影(shadow)...その個人にとって生きられなかった半面。個人...
-太母(グレートマザー)...慈しみ、呑込む。産み出して死に還...
-アニマ/アニムス...男性が持つ女性像がアニマ、女性が持つ...
-仮面(ペルソナ)...社会的役割。
-自己(self)...意識と無意識を含みこんだ心の全体
-老賢者
-トリックスター
【河西コメント】普遍的無意識という概念は、人間そのものの...
K
Kabashima (樺島忠夫:KABASHIMA Tadao, 1927- )
樺島の法則
素材テクストの延べ語数の品詞構成比率を名詞(N)の比率を基準...
-形容詞(M)の比率...M=45.67-0.60N
-接続詞(I)の比率...logI=11.67-6.56logN
-動詞(V)の比率...V=100-(N+M+I)
Karatani (柄谷行人:KARATANI Kojin, 1941- )
教える立場
ソシュール以来の言語学が寄って立つ立場は「話す立場」のよ...
Kripke (ソール・A・クリプキ:Saul Aaron KRIPKE, 1940- )
指示の因果説(causal theory of reference)
固有名の指示内容は、最初の命名儀式から現在まで連なる因果...
Krippendorff (クラウス・クリッペンドルフ:Klaus KRIPPENDO...
内容分析
「内容分析とは、データをもとにそこから(それが組み込まれ...
「歴史家もまた決して単なる資料の収集家にとどまるものでは...
Kristeva (ジュリア・クリステヴァ:Julia KRISTEVA, 1941- )
意味生成分析(semanalyse)
言語活動を行ううえで、言語体系という生産様式に則ってテク...
-フェノ=テクスト...現象としてのテクスト、表層テクスト
-ジェノ=テクスト...生成としてのテクスト。テクストの生成過...
ル・セミオティック
ル・サンボリック(→ラカン)のなかに噴出してくる「掻き乱すも...
間テクスト性(intertextualite)、転位(transposition)
目の前のテクストとは別のテクストの存在によって、はじめて...
「あらゆるテクストは引用のモザイクとして構築されている。...
【河西コメント】クリステヴァの〈間テクスト性〉という用語...
L
Lacan (ジャック・ラカン:Jacques LACAN, 1901-1981)
テクストの無意識
精神分析において無意識を読むことが出来るのは、患者の話を...
想像界(リマジネール、l'imaginele)/象徴界(ル・サンボリッ...
精神の表象世界を以下のように分ける。
-想像界...類同原理に支配された、鏡像段階の無意識構造
-象徴界...エディプス・コンプレックスの完成と言語の獲得後...
Langlois & Seingobos (ラングロア & セニョボス :Charles V...
歴史と史料
「歴史は史料で作られる。史料とは、むかしの人間が残した思...
Lejeune (フィリップ・ルジュンヌ:Philippe LEJEUNE, 1938- )
自伝契約
自伝というジャンルを成り立たせている文学的慣習。
Levi-Strauss (クロード・レヴィ=ストロース:Claude LEVI-ST...
構造人類学
民族の風習・伝承を個別的な特徴によって記述するのではなく...
Levinas (エマニュエル・レヴィナス:Emmanuel LEVINAS, 1906...
他者性(l'alterite)
「コミュニケーションに挫折という文字が、あるいは非本来性...
「コミュニケーションの挫折認識の挫折とみなされているのだ...
Levy-Bruhl (リュシェン・レヴィ=ブリュール:Lucien LEVY-BR...
融即律(loi de participation)
未開人の思考は、文明人の思考とは異質の前論理に支配されて...
Libby (ウィラード・リビー:Willard Frank LIBBY, 1908-1980)
放射性炭素法(14C炭素法)
放射性炭素と呼ばれる炭素(C)の同位体14Cを用い、年代を測定...
Luhmann (ニクラス・ルーマン:Niklas LUHMANN, 1927-1998)
システム/環境
ルーマンにとってシステムとは、常に環境から区別される存在...
複雑性
複雑性とは、〈完全な/選択的な〉関連付けの差異によって定...
コミュニケーション
コミュニケーションは、指示可能な客観的対象として存在する...
-情報(Information)...事実確認的(constative)な側面
-伝達(Vermittelung)...行為遂行的(performative)な側面
-理解(Verstenhen)...上記の差異を観察すること
M
Maruyama (丸山圭三郎:MARUYAMA Keizaburou, 1933-1993)
『講義』のソシュールと「原資料」のソシュール
ソシュール言語学のバイブルである『一般言語学講義』は、ソ...
Marx (カール・マルクス:Karl MARX, 1818-1883)
価値形態
ある量の商品Aの価値は、ある量の商品Bの使用価値で表示され...
交通(Verkehr)
「ある地方でえられた生産諸力、ことに諸発明が、以後の発展...
【河西コメント】マルクス、エンゲルスの言う〈交通〉の概念...
Maturana & Varela (マトゥラーナ & ヴァレラ:Humberto R. M...
オートポイエーシス
構成素が構成素を産出する産出(変形・破壊)過程のネットワー...
McLuhan (マーシャル・マクルーハン:Marshall MCLUHAN, 1911...
印刷術
印刷術の普及により、近代人は均質で線条的な理解を強いられ...
Merton (ロバート・キング・マートン:Robert King MERTON, 1...
ミドルレンジセオリー(middle range theory)
具体的なフィールド調査のデータと高度に抽象的な社会理論と...
Mill (ジョン・スチュアート・ミル:John Stuart MILL, 1806-...
固有名詞
固有名詞は、対象の名に過ぎず、一切の内包をもたない。した...
Monod (ジャック・モノー:Jacques MONOD, 1910-1976)
生命発生の偶然性
地球上に生命が発生する可能性は、ほとんどゼロに等しい。し...
「〈宇宙〉は生命をはらんでいなかったし、生物圏は人間をは...
Montelius (モンテリウス:Gustaf Oscar Augustin MONTELIUS,...
形式学(typology)
考古学は個々の遺物に認められる属性(attribute)に基づいて纏...
【河西コメント】〈形式/遺物〉の区別は、自然科学における...
Morris (チャールズ・ウィリアム・モリス:Charles William M...
言語の記号論的分析
言語とは、以下の3つの規則によって規定される記号媒体の相互...
-統辞論的(syntactical)
-意味論的(semantical)
-語用論的(pragmatical)
N
Nelson (テッド・ネルソン:Theodor Holm NELSON, 1937- )
ハイパーテクスト
複数のテクストが、順番に関わらず、相互にリンクされている...
Nietzsche (フリードリヒ・ニーチェ:Friedrich NIETZSCHE, 1...
概念の形成
すべての概念は、等しからざるものを等置することによって、...
(フリードリヒ・ニーチェ「哲学者に関する著作のための準備草...
文献学批判
文献学は教育施設(ギムナジウム)の最高権威として存在してお...
Noe (野家啓一:NOE Keiichi, 1949- )
物語行為論
口承伝承としての、物語るという行為は、すでに特定の作者が...
O
Oguma (小熊英二:OGUMA Eiji, 1962-)
単一民族神話の起源
日本民族が単一民族である、という発想は、戦後になってから...
Ohno (大野晋:OHNO Susumu, 1919- )
大野の法則
素材テクストの異なり語数の品詞構成比率の法則。
任意の三作品甲乙丙の各語彙について、名詞の構成比をそれぞ...
-(y-Y0)/(Y1-Y0)=(x-X0)/(X1-X0)
P
Peirce (チャールズ・サンダース・パース:Charles Sanders P...
記号
記号Xと指示される対象Yとのあり方により記号を3つに分類する。
-アイコン(icon)...ある点において対象と類似するもの。
-インデックス(index)...対象を直接的物理的に表す様式。
-シンボル(symbol)...対象と慣習的に結びつくもの。
Pickering (ピッカリング:M. PICKERING)
分析者の再帰的態度
知的言説の物語性・権力性を自覚し、分析者自身の位置を問い...
Prince (ジェラルド・プリンス:Gerald PRINCE)
物語文法
生成文法を、物語の解釈に応用する考え。
語られる相手(narrataire / narratee)
テクストの「語り手」が語るのはテクスト外部の「読み手」だ...
Propp (ウラジミール・プロップ:Vladimir PROPP, 1895-1970)
(物語における)機能
物語において登場人物の果たす役割。以下の基本テーゼがある。
-昔話の恒常的不変要素は人物たちの機能である。
-この機能の数は有限(しかも少数)である。
-機能の継起順序は常に同一である。
-あらゆる昔話がその構造の点では1つのタイプに属する。
R
Ranke (レオポルド・フォン・ランケ:Leopold von RANKE, 179...
歴史主義(歴史実証主義)
人類の精神的な「進歩」は存在せず、各時代において無限に多...
Recoeur (ポール・リクール:Paul RECOEUR, 1913- )
物語的理解
物語とは行動のミメーシスであり、筋であり、出来事の組み立...
物語的自己同一性
私とは誰か、という問いに答えることは、すなわち、誕生から...
Riffaterre (ミハエル・リファテール:Michael RIFFATERRE, 1...
文体
「語連続のある要素に対して読者の注意を否応なく喚起する浮...
テクストにおいて、読者が何らかの刺戟を受ける刺戟因の総称。
原=読者(archi-lectur)
テクストを読み刺戟因をすくい上げる為の道具としての「読者...
-付け足しによる誤り...過去において規範的だった要素が現在...
-見落としによる誤り...過去において逸脱的だった要素が現在...
非文法性(ungrammaticality)
「原=読者」が順調な思考の流れを断ち切られ、解釈行為が足止...
Rostow (ウォルト・ホイットマン・ロストウ:Walt Whitman RO...
成長経済史学
経済成長を基準とし、伝統的社会(traditional society)/過渡...
Russell (バートランド・ラッセル:Bertrand RUSSELL, 1872-1...
表示理論(theory of denoting)
変項xに対し、命題関数C(x)とすると、everything、nothing、s...
-C(everything)...C(x)は常に真である。...(x)C(x)
-C(nothing)...「C(x)は偽である」は常に真である。...(x)-C(x)
-C(something)...「「C(x)は偽である」は常に真である」は偽...
記述理論(theory of description)
「チャールズ二世の父は処刑された」を例に取ると、それは以...
-xはチャールズ二世を子に持ち、かつ、「もしyがチャールズ二...
-(∃x)(Bx & (y)(もしByならy=x) & Ex)...Bxは「xはチャールズ...
論理的原子論
分析の結果、世界のあらゆるものは個人的、刹那的な感覚の束...
S
Said (エドワード・W・サイード:Edward W. SAID, 1935-2004)
オリエンタリズム(orientalism)
東洋についてかかれた西欧のオリエント研究が、西欧の視点か...
Sapir (エドワード・サピア:Edward SAPIR, 1884-1939)
偏流(drift)
言語の使用における変化は、個々の主体の意識を超えて、ある...
【河西コメント】ソシュールの言う、〈通時態〉における〈交...
Sartre (ジャン・ポール・サルトル:Jean Paul SARTRE, 1905-...
志向性(intentionnalite)
意識は何ものかについての意識であるとする概念。
超越論的自我(私)が、意識に統一と個性を与えるのではなく...
即自存在(etre en soi)/対自存在(etre pour soi)
事物、心像の存在の仕方は以下の2つがある。
-即自存在...「私」の自発性に関係なくあるがままに惰性的に...
-対自存在...「私の意識」が意識することによってのみ存在で...
Sausurre (フェルディナン・ド・ソシュール:Ferdinand de SA...
ラング(langue)/パロール(parole)
言語の社会的な規則、辞書、文法的側面をラングとし、その実...
【河西コメント】ソシュールのラングは、〈聴く主体〉の中に...
シニフィアン(signifiant)/シニフィエ(signifie)/シーニュ(...
言葉は何かを指し示す為の道具ではなく、言葉自体に表現(シニ...
共時態(syncronie)/通時態(diaclonie)
言語学における同時共存の「状態」の静態的研究(=共時態)と時...
「〈共時態〉とは、「語る主体の意識」に問うことによって取...
【河西コメント】共時態は、〈語る主体=聴く主体〉の意識の中...
交通(intercourse)
あらゆる人間の集団にはたらく2種類の力がある。
-郷土の力(force du clocher)...ある集団の内部で凝縮され、...
-交通の力(force du l'intercourse)...ある集団と他の集団の...
【河西コメント】我々は、この〈力〉を集団だけに限定する必...
Schmidt (ジークフリード・シュミット:Siegfried J. SCHMIDT)
文学現象
文学を広い社会的コミュニケーションとして捉え、以下のよう...
-文学創作行為...創作活動
-文学媒介行為...出版社、書籍流通、取次、図書館など
-文学受容行為...読書、観劇、映画鑑賞など
-文学加工行為...批評、翻訳、映画化など
Scott (ジョーン・スコット:John SCOTT, 1949- )
フェニミズム歴史学
Searle (ジョン・R・サール:John R. SEARLE, 1932- )
発語内行為の分類
全ての言説に含まれる行為である発語内行為を以下のように分...
-確言
-命令
-約束
-表出
-宣言
また、これらの行為の成立条件として4つの規則がある。
-本質規則...行為の本質的なルール。
-事前規則...行為の前に成立していなければならない条件。
-命題内容規則...表現される命題に関する規則。
-誠実性規則...行為者に求められる責任、条件。
Serres (ミシェル・セール:Michel SERRES, 1930- )
パラジット
一見するとシステムの淀みない作動を妨げるように見える外的...
Slobin (ダン・アイザック・スロービン:Dan Isaac SLOBIN, 1...
話す為の思考(thinking for speaking)
話をする為には特別なオンライン的な考え方があり、それは話...
Souriau (エティエンヌ・スーリオ:Etienne SOURIAU, 1892-19...
(演劇における)機能
演劇における登場人物の機能は以下の6つ。
-獅子座...一定の方向を与えられた主題の力
-太陽...善乃至価値の代表者
-地球...善を潜在的に受けるもの
-火星...反対者
-天秤座...善の配当者である審判者
-月...獅子座の力を強める援助者
Spengler (オズワルド・シュペングラー:Oswald SPENGLER, 18...
没落
西洋文明を始め、全ての文明は必ず没落するという歴史観。
Sperber & Wilson (スペルベル & ウィルソン:Dan SPERBER, 1...
関連性理論(relevance theory)
発話解釈は、以下の2段階からなる。
-文法(言語能力)による可能な複数個の仮説を形成する段階
-語用論能力を用い、仮設を評価し、特定の仮説を採用して話し...
解釈仮説の評価に当たっては、最適な関連性を持つものを採用...
-その発話が聞き手の注意を惹くのに値する十分な認知的効果を...
-その効果を得る為に聞き手に課される処理労力はそれほど大き...
【河西コメント】結局、〈意味〉そのものがそこにあるのでは...
Spitzer (レオ・シュピッツァー:Leo SPITZER, 1887-1960)
エティモン
作品の有する全ての要素を類縁付け、説明する共通分母。作品...
文献学的円環法(philological circle)
作品の再読吟味により、作品を支配する美的・心理的印象、効...
Spivak (ガヤトリ・C・スピヴァック:Gayatri Chakravorty SP...
認識論の暴力
エスニシティ・人種・女性などの概念は、言説それ自体が西洋...
Stevens (スタンリー・スミス・スティーヴンス:Stanley Smit...
数値の尺度
-名義尺度(nominal scale)...分類されたカテゴリーに名義的に...
-序数尺度(ordinal scale)...量を比較できる数値の順序を扱う...
-距離尺度(interval scale, equal unit scale)...数値間の間...
-比例尺度(ratio scale)...距離尺度である上に、絶対零点を持...
Stirner (マックス・シュティルナー:Max STIRNER, 1806-1856)
階級と諸個人
「彼はキリスト教徒である」「彼は人間である」など、「何」...
T
Tatsukawa (立川健二:TATSUKAWA Kenji, 1958- )
誘惑(seduction)
ソシュール以来の言語学は「聴く立場」に立つ議論である。「...
【河西コメント】立川の興味は、言語の「社会性」よりもむし...
Thomzen (トムゼン:Christian Jugensen THOMZEN, 1788-1865)
三時代法(three age system)
古物を材質によって分類。
- 石器時代
- 青銅器時代
- 鉄器時代
Thorndyke (ソーンダイク:P. W. THORNDYKE)
物語文法
物語理解の際の心的な枠組みとしての物語文法。成分構造を生...
Toyama (外山滋比古:TOYAMA Shigehiko, 1923- )
古典化
作品は作者が作る、と言われるが、作者は古典を作ることは出...
Toynbee (アーノルド・ジョゼフ・トインビー:Arnold Joseph ...
文明
歴史の発展の基本単位は、国家ではなく文明である。
挑戦と応戦(challenge and response)
文明は発生/成熟/老衰/衰退の運命をたどる。これらの文明...
Tsuda (津田左右吉:TSUDA Soukichi, 1873-1961)
歴史の矛盾性
歴史家は、二つの矛盾する立場に共に立たなければならない。
-史実を現在の事実としてみる立場…あらゆる史実は、その時に...
-歴史を過去としてみる立場…現在から振り返って過去を見る立...
歴史学における概念の拒否
歴史学において、国家や民族などに対して予め〈概念〉を以っ...
【河西コメント】これは主に「マルクス主義」或いは「唯物史...
Turing (アラン・マジスン・チューリング:Alan Mathison TUR...
チューリング・テスト
もし、人間と機械とに同じように問いかけてみて、人間と機械...
U
Ueno (上野千鶴子:UENO Chidzuko, 1948- )
ジェンダー・ヒストリー
従来の歴史学に対するジェンダー・ヒストリーのインパクトは...
-文書史料中心主義への挑戦...公文書自体が権力によって構成...
-学問の客観性、中立性神話への挑戦...客観性とは強者のルー...
-オーラル・ヒストリー、口承の歴史証言の方法論的挑戦...文...
【河西コメント】この批判は、「修正主義」或いは固定化した...
V
Valery (ポール・ヴァレリー:Paul VALERY, 1871-1945)
自我の内的差異
「自分に話す、この奇妙で直接的な機能はわれわれの<自我>に...
「『私が』『私に』話すのである以上、前の『私』は後の『私...
van Dijk & Kintsch (ヴァンダイク & キンチ:Teun Adrianus ...
文章理解
文章が理解されるまでには以下の3種の表象が構成される。
-表層的記憶...単語や文の意味についての記憶
-命題的記憶...文章全体の展開構造の記憶
-状況モデルやメンタルモデルなどの所謂記憶表象
意味表象の構成
「言語使用者は文章の産出と理解の双方において、同一の、あ...
Vidal-Naquet (ピエール・ヴィダール=ナケ:Pierre VIDAL-NAQ...
歴史と物語
「いっさいが言説を通過せざるをえないということは分かりま...
Vogt (ジョセフ・フォークト:Joseph VOGT, 1895- )
世界史
世界史という分野は20世紀になってから生まれてきたものであ...
W
Wallerstein (イマニュエル・ウォーラーステイン:Immanuel M...
世界システム(world-system)
歴史上存在した世界システムを以下の2つに分類する。
-帝国...システム全体が1つに統合されているタイプの世界シス...
-世界経済(world-economy)...経済的には大規模な分業体制を取...
世界システムは、このような包括的な概念である。が、ウォラ...
中核/周縁/半周縁
世界経済における経済状況により、地域は以下の3つに区分され...
-中核...システムの分業体制により経済余剰の大半を握る。
-周縁(peripheral)...経済的に中核に従属させられている。
-半周縁...中核と周縁の中間。
ウォラーステイン理論においては、中核から半周縁への降下、...
覇権(ヘゲモニー、hegemony)
中核諸国の1国が圧倒的な経済力を有し、他を寄せ付けない状態...
Watanabe (渡辺仁:WATANABE Hitoshi, 1919- )
考古学者のアプローチ
-モード1...資料の記載に終わり、その解釈を通じて遺物をめぐ...
-モード2...用途や機能という分野への興味はあるが、科学的解...
-モード3...科学的アプローチによる遺物情報の人類学的理論化...
Weber (マックス・ヴェーバー:Max WEBER, 1864-1920)
理念型(idealtypus)
歴史認識にあたって、一定の視点を持ち、その視点から現実の...
White (ヘイドン・ホワイト:Hayden WHITE, 1928- )
歴史のプロット化
歴史を記述する場合、必ず、何らかの価値基準によりプロット...
メタヒストリー(meta-history)
歴史の記述は、言語論的転回(20世紀の哲学の対象における事実...
Whorf (ベンジャミン・リー・ウォーフ:Benjamin Lee WHORF, ...
サピア-ウォーフ仮説/言語相対性仮説(Sapir-Whorf hypothesi...
人は言語によって世界を認識し、概念化するため、言語の違い...
-強い仮説...言語がそのまま思考であるという主張
-弱い仮説...言語の性質が思考に影響を及ぼすという主張
色の再認実験では効果が認められたが、記憶実験の精緻化効果...
Wittfogel (カール・アウグスト・ウィットフォーゲル:Karl A...
水利社会論
灌漑の存否や規模の大小によって社会組織や国家の形態が異な...
Wittgenstein (ルードウィヒ・ウィトゲンシュタイン:Ludwig ...
言語ゲーム論
多様な「言語と言語の織り込まれた諸活動の総体」として捉え...
【河西コメント】〈規則〉という語が、変更不可能な固定的な...
ウィトゲンシュタインの懐疑論者
始めから〈規則〉なるものが存在したから、コミュニケーショ...
Y
Yuge (弓削達:YUGE Tooru, 1924- )
存在としての歴史/ロゴスとしての歴史
歴史学を精神的な生産活動と見なし、歴史を以下の二つに区別...
-存在としての歴史...全ての人間の生活の総体。生産の素材。...
-ロゴスとしての歴史...史料を基に人間の歴史を創造したもの...
Yule (ユール:George Udny YULE, 1871-1951)
K特性値
語彙の豊かさを示す統計値。
Z
Zipf (ジョージ・キングスレイ・ジップ:George Kingsley ZIP...
ジップの法則
語の使用率分布において、使用度数(f)と度数順位(r)の積は一...
Zizek (スラヴォイ・ジジェク:Slavoj ZIZEK)
普遍性
「重要な点は、普遍性を参照するということは、語りそのもの...
RIGHT:独り言(Historical)
終了行:
[[Historical]]
#menu(menu_Historical)
''歴史学の方法に関係しそうな人たち。''
Author: KAWANISHI Yoshihiro
[A] [B] [C] [D] [E] [F] [G] [H] [I] [J] [K] [L] [M] [N] [...
A
Althusser (ルイ・アルチュセール:Louis ALTHUSSER, 1918-19...
重層的決定論
マルクス主義で言う「土台」の経済一元で上部構造(特にイデオ...
イデオロギー的国家装置
公的な国家装置から比較的自立した、教会や学校やメディアな...
Amino (網野善彦:AMINO Yoshihiko, 1928-2004)
日本人
日本人とは、日本の国制化にある本来多様な人々のことを言う...
Anderson (ベネディクト・アンダーソン:Benedict Richard O'...
国民/民族の3つのパラドックス
国民/民族(Nation)をめぐる問題には3つのパラドックスを抱え...
-国民の存在は近代国家によって成立したものに過ぎないが、ナ...
-すべての人はどこかの国家に属すのでナショナリティを持つの...
-にもかかわらず、ナショナリズムをめぐる議論はまったく深ま...
想像の共同体
ナショナリズムに基づく共同性は、歴史的に構築された〈想像...
Austin (ジョン・L・オースティン:John Langshaw AUSTIN, 19...
行為遂行的発言(performative)
言語を発することは何らかの行為(約束・命令・警告など)であ...
言語行為論(speech act theory)
すべての発言に関わる行為を3つに区分する。
-発語行為(locutionary act)...発語すること。「約束します」...
-発語内行為(illocutionary act)...発語によって行う行為。「...
-発語媒介行為(perlocutionary act)...発語を媒介として為さ...
慣習(convention)
行為遂行的発言は慣習的でなければならない。特に発語内行為...
【河西コメント】〈慣習〉という用語によって示されるのは、...
B
Bakhtine (ミハエル・バフチン:Mikhail BAKHTINE, 1895-1975)
対話(dialogue)
言語は社会的に組織された人々の間での対話者の相互作用の結...
Balibar (エティエンヌ・バリバール:Etienne BALIBAR, 1942-...
ナショナリズム
ナショナリズムという概念は、決して単独では機能せず、常に...
ナショナル・アイデンティティ
ナショナル・アイデンティティは常に投影のメカニズムによっ...
Barraclough (バラクラフ:Geoffrey BARRACLOUGH, 1908- )
世界史
一国史はもはや、科学や技術やマスコミの発達によって一体化...
Barthes (ロラン・バルト:Roland BARTHES, 1915-1980)
シークエンス分析
物語の構成要素(機能体)について、〈核〉と〈触媒〉に分け、...
-核...物語の筋
-触媒...自然な展開を保証するための埋め草
【河西コメント】このような手法は、まったく「科学的」では...
指標
筋には関わらないが、物語の内容にとって重要な情報をもたら...
エクリチュール
伝達の意味内容ではなく、伝達様式そのものに焦点を当てるタ...
作者の死
伝統的実証主義文学批判における、作者中心の批評を改め、読...
【河西コメント】もちろん、作者中心が「古い愚かな考え」で...
Becker (ハワード・ソール・ベッカー:Howard Saul BECKER, 1...
ラベリング理論
社会における逸脱行為(犯罪・非行・狂気等)は、人間の性質に...
Benveniste (エミール・バンヴェニスト:Emile BENVENISTE, 1...
発話行為の主体
人間の主体は発話行為の主体のことである。「わたし」は「わ...
ディスクール(discours)/イストワール(histoire)
-ディスクール...書き手が自らを発話者として示すタイプのテ...
-イストワール...出来事が自ら語っているような非人称の叙述
遂行的発言の一回性
行為遂行的発言は、歴史的個人的であり、一回だけ行われる。...
Berlin (アイザリア・バーリン:Isaiah BERLIN, 1909-1997)
ナショナリズム
ナショナリズムとは、普通ならば寛容で平和的であるかもしれ...
Bernheim (エルンスト・ベルンハイム:Ernst BERNHEIM, 1850-...
歴史記述の方法
歴史記述の方法には3つある。
-物語風歴史(erzahlende Gesch.)...ホメロスのような叙述。
-教訓的実用的歴史(lehrhafte od. pragmatische Gesch.)...歴...
-発展的発生的歴史(entwickelnde od. genetische Gesch.)......
Binford (ルイス・ビンフォード: Lewis Roberts BINFORD, 19...
考古学に関するミドルレンジセオリー
-歴史考古学
-実験考古学
-民族考古学
Bloom (ハロルド・ブルーム:Harold BLOOM, 1930- )
影響理論
複数のテクストの関係を、先行テクストと後続テクストの親子...
Bloomfield (レオナード・ブルームフィールド:Leonard BLOOM...
意味の意味
「なんにせよ見かけは重要でない物事が、ヨリ重要な物事と密...
【河西コメント】つまり、〈意味〉というものがそこに存在す...
Bourdieu (ピエール・ブルデュー:Pierre BOURDIEU, 1930-200...
ハビトゥス
ある個人(行為者)の、階級や集団に特有な知覚、価値観、行動...
Braudel (フェルナン・ブローデル:Fernand BRAUDEL, 1902-19...
アナール学派(annales)
歴史の基底にあって変化しない長期持続的なものに注目し、食...
歴史の「時間」
歴史には3種類の時間がある。
-地理学的時間...自然条件や主要な交通路などのほとんど変化...
-社会的時間...社会制度・文化文明の構造などの緩やかに変化...
-個人的時間...軍事的・政治的事件などの短時間で急激に変化...
生活の三層
人々の生活には以下の3層がある。
-物質生活...衣食住のような基本的な生存に関わる生活
-経済生活...物質生活を基礎とした商業・貿易などの生活
-資本主義...19世紀以降発展してきた複雑な経済システム
Bremond (クロード・ブレモン:Claude BREMOND, 1929- )
ストーリー構造
ストーリーは、節目ごとの選択(読者によってであれ、作者によ...
Brendal (ヴィゴ・ブレンダル:Viggo BRENDAL, 1887-1942)
超越論的構造主義
言語の分析に当たって言語の外部の概念を適用し、言語学以外...
極的形式/中立形式/複合形式/極的複合形式
あらゆるシステムを規定する関係の形式は、
-~か…か...極的形式
-~でもなく…でもない...中立形式
-~でもあり…でもある...複合形式
-~でもあり…でもある(どちらかといえば~)...極的複合形式
Burckhardt (ヤーコプ・クリストフ・ブルクハルト:Jacob Chr...
歴史における3つの力(Potenz)
歴史には以下の3つの力が働く。
-国家...政治的要求の表現
-宗教...形而上学的要求の表現
-文化...とにかく自発的に成立した全てのものの総体
国家と宗教は、それぞれ当の国民に普遍的妥当性を要求する。...
C
Carnap (ルードルフ・カルナップ:Rudolf CARNAP, 1891-1970)
論理実証主義
一切の言明を以下の3つに分類する。
-経験的言明
-分析的言明
-擬似的言明
従来の哲学的問題に対する言明は全て擬似的言明であり、学問...
経験的言明
直接検証できるものと間接的に検証できるものがある。直接検...
Carr (エドワード・H・カー:Edward Hallett CARR, 1892-1982)
歴史とは
「歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり...
Chartier (ロジェ・シャルチエ:Roger CHARTIER, 1945- )
読書の実践形態(プラチック)
読書という行為は、読者によって、また時代によって、その形...
テクストの媒体としての書物
テクストは媒体としての書物がなければ存在し得ない。書物の...
Chomsky (ノーム・チョムスキー:Noam CHOMSKY, 1928- )
能力(competence)/運用(performance)
言語共同体の中で使われる文法を表現する能力(言語能力)とそ...
【河西コメント】ソシュールの〈ラング/パロール〉の区別に...
生成文法(generative grammar)
言語獲得に関しては、人間は基本的な文法能力を生まれながら...
Xバー理論(X-bar theory)
普遍文法の原理。X'→αXで示され、ある句構造(名詞句など)Xは...
Collingwood (ロビン・ジョージ・コリングウッド:Robin Geor...
歴史とは
「歴史というのは、歴史家がその歴史を研究しているところの...
Croce (ベネデット・クローチェ:Benedetto CROCE, 1866-1952)
歴史とは
「すべて歴史的判断の基礎には実践的要求があるので、すべて...
Culler (ジョナサン・カラー:Jonathan CULLER, 1944- )
アプリケーション(application)
複数のテクストをすり合わせること。比較するのではなく、同...
D
Dallenbach (リュシェン・デーレンバック:Lucien DALLENBACH)
間テクスト性の審級
間テクスト性は以下の審級が区別されなくてはならない。
-一般的な間テクスト性...作者Aのテクストaと作者Bのテクスト...
-制限的な間テクスト性...同一作者Aのテクストaとテクストbの...
-自己的な間テクスト性...同一作者の同一テクストaとa'の関係
Danto (アーサー・コールマン・ダント:Arthur Coleman DANTO...
物語文(narrative sentence)
物語における文章は、少なくとも2つの時間的に離れた出来事を...
理想的年代記(Ideal Chronicle)
あらゆる経験は、原因と結果、始まりと終わりという時間的に...
Darwin (チャールズ・ロバート・ダーウィン:Charles Robert ...
自然選択説
どんな生物にも個体差があり、自然環境の中で増えると、生存...
【河西コメント】むしろ、我々は、「生き残ったもののことを...
de Man (ポール・ド・マン:Paul DE MAN, 1919-1983)
読みの不可能性
テクストは常に両義的な表現や曖昧な統語構造などのシニフィ...
盲点/洞察
テクストの意味の決定不可能な性質にもかかわらず、読者が一...
Deleuze (ジル・ドゥルーズ:Gilles DELEUZE, 1925-1995)
リゾーム
西洋哲学の基本思想の二分法による樹形図構造に対する概念と...
Derrida (ジャック・デリダ:Jacques DERRIDA, 1930-2004)
脱構築(deconstruction)
古代ギリシア以来の西洋哲学が、絶対的な知、理性の存在に疑...
脱構築(deconstruction)とは、ある議論に対して、議論の外部...
差延(differance)
テクスト内における、テクストそのものからのずれ。相違し、...
ラングという体系の中における、自身からのずれ。ラングとい...
【河西コメント】このような考えは、ソシュールの〈通時態〉...
Donnellan (キース・セドウィック・ドネラン:Keith Sedgwick...
遮断(block)
架空の人物、虚構の登場人物は、固有名の指示の因果連鎖にお...
E
Eagleton (テリー・イーグルトン:Terry EAGLETON, 1934- )
ポストモダニズム批判
ラカン・フーコー・ドゥルーズ・デリダなどに端を発するポス...
Eco (ウンベルト・エーコ:Umberto ECO, 1932- )
開かれた作品
造形芸術、視覚芸術、音楽などを含む全ての芸術作品は、解釈...
Engels (フリードリヒ・エンゲルス:Friedlich ENGELS, 1820-...
史的唯物論
物質的生活の生産にあたって人々の間に生産のための人間関係(...
Erikson (エリック・エリクソン:Erik Homburger ERIKSON, 19...
8つの発達段階と危機
人間の発達を以下の段階における危機の問題として捉える。
-乳児期(口唇期)...基本的信頼←→不信
-早期幼児期(肛門期)...自律性←→恥・疑惑
-後期幼児期(男根期・エディプス期)...積極性←→罪悪感
-学童期(潜在期)...生産性←→劣等感
-青年期...同一性←→同一性拡散
-早期成人期...親密性←→孤立
-成人期(壮年期)...生殖性←→停滞
-老年期...統合性←→絶望
青年期と自我同一性(Identity)の確立
青年期には、急激な身体発達と第二次性徴、知能の発達により...
F
Feuerbach (ルートヴィヒ・フォイエルバッハ:Ludwig Andreas...
人間主義
神の本質は「人間」である。神が全能であると言われるのは、...
Fish (スタンリー・フィッシュ:Stanley FISH)
読者反応批評
文学における批評とは、読者の反応を記すことである、とし、...
Foerster (ハインツ=フォン・フェルスター:Heinz-von FOERST...
固有値(Eigenwert)
システムの諸作動が回帰的ネットワークを形成する中で、一時...
無差別的コード化の命題
ある神経細胞の刺激状態は、強さだけをコード化するのであっ...
Foucault (ミシェル・フーコー:Michel FOUCAULT, 1926-1984)
エピステーメ(episteme)
ある時代を支配し、規定している全体的な「知」。
ディスクール(discours)
フーコーのディスクールの概念は、以下の3段階のうちのひとつ。
-言表(enonce)...実際に述べられたもの、書かれているもの
-ディスクール(discours)...言表を生み出す背景
-ディスクール化の体制(regime discoursif)...ディスクールを...
権力と知の共犯関係
「権力は知を産み出す。(それは単に、知が権力に奉仕するが故...
Frege (ゴットロブ・フレーゲ:Gottolob FREGE, 1848-1925)
哲学的論理学
哲学的論理学を形成する三つの原理は以下のとおり。
-反心理主義...心理的なものを論理的なものから、主観的なも...
-文脈原理...語の意味を文脈のなかで問い、文脈から切り離し...
-概念と対象との関係を常に念頭に置くこと。
意味と指示
意味と指示は別のものとし、意味に含まれる要素を3つに分ける。
-指示(Bedeutung)...文が指し示すもの。意味とはまったく別の...
-意義(Sinn)...意味のうち、文の真理値に関わるもの。
-潤色(Farbung)...文の真理値には関わりの無い表現の違い。
-力(Kraft)...同じ文を主張、命令、疑問などに使い分ける時の...
Freud (ジグムント・フロイト:Sigmund FREUD, 1856-1939)
精神分析(psycoanalyse)
患者との対話により、患者の失錯・言い間違い・記憶違い・夢...
【河西コメント】精神分析を本当に行なうのは、分析者ではな...
無意識(inconscient)
失錯・言い間違い・変形などを通じて、意識の底にあると考え...
原始言語の相反的意味(Gegesinn der Ulwrote)
言語学者K.アーベル(K.Abel)の1884年の著書『原始言語の相反...
フロイトは夢における「対立」の現れ方は、「一致」の場合と...
G
Gadamer (ハンス=ゲオルグ・ガダマー:Hans-Georg GADAMER, 1...
解釈学(Hermoneutik)
経験一般の言語性と歴史性は、人間存在の有限性の所以である...
Geertz (クリフォード・ギアツ:Clifford GEETZ, 1926- )
国家の概念
国家(State)には、本来、3つの意味が含まれている。
-エステイト(estate)...地位、身分、状態
-ステイトゥリネス(stateliness)...威厳
-ステイトクラフト(statecraft)...政治手腕、君臨・支配の技...
近代政治思想上の「国家」は専らステイトクラフトを中心に考...
劇場国家
3つの国家概念が分かちがたく組み合わさっている国家。
Gellner (エルンスト・ゲルナー:Ernst GELLNER, 1925- )
ナショナリズム
ナショナリズムとは、政治的な単位と民族的な単位が一致しな...
Genette (ジェラルド・ジュネット:Gerard GENETTE, 1930- )
物語論(ナラトロジー、narratologie)
物語のテクスト分析の際の基本概念。
-物語言説(レシ)...テクストそのもの
-物語内容(イストワール)...話の内容
-物語行為(ナラシオン)...語るという行為
上記の物語言説と他の二つとの関係を扱う。
その下位範疇として以下を扱う。
-時間...順序・持続(速度)・頻度を扱う範疇
-叙法...物語情報の制御の仕方(距離・パースペクティヴ)を扱...
-態...語り手に関する問題(語りの時間・語りの水準・語りの人...
パランプセスト
書いてある文字を消して新たに重ね書きされた羊皮紙。あるテ...
-上層テクスト(hypertext)...変形を行っている後続テクスト
-下層テクスト(hypotext)...変形される先行テクスト
パラテクスト
書物の本文(狭義のテクスト)以外の、テクストの読解に影響を...
Ginzburg (カルロ・ギンズブルグ:Carlo GINZBURG)
ポストモダン歴史学とナチズム
言語派=ポストモダン歴史学の立場を推し進め、歴史史料のテク...
Goux (ジャン=ジョセフ・グー:Jean-Joseph GOUX, 1943- )
象徴秩序の生成プロセス
商品の交換プロセスにおける貨幣という一般等価物の存在が、...
象徴化能力
現実に存在するありとあらゆる差異・変化の中から、不変のも...
Gramsci (アントニオ・グラムシ:Antonio GRAMSCI, 1891-1937)
ヘゲモニー(hegemony)
日常的な権力が作動する様子。マルクス主義の直線的、一方通...
Greenblatt (スティーヴン・グリーンブラット:Stephen GREEN...
新歴史主義文学批評(new historicism)
歴史的な事象や、政治、経済、哲学、芸術全般などのあらゆる...
Greimas (アルジルダス・ジュリアン・グレマス:Algirdas Jul...
構造意味論
意味作用は、差異を知覚することに他ならない。差異を知覚す...
-矛盾関係...白と非白の関係。同時に現前できない。
-対立関係...白と黒の関係。一方が現前すれば必ず他方も現前...
-含意関係...白と非黒の関係。一方が他方を前提しあう。
行為項分析
プロップ、スーリオの分析を受け、3組の対の行為項を定める。
-主体/客体...願望・探索の主体/対象
-送り手/受け手...価値の決定者乃至審判者/受益者乃至裁か...
-補助者/反対者...主体の援助者/敵対者
Grice (ポール・グライス:H. Paul GRICE, 1913-1988)
言語使用における意図
発話者は、以下のことを知っている。
-発話の内容が発話者にとって何らかの意味があること。
-発話の相手がその発話に何らかの意味があることを了承するこ...
-相手が発話の内容を理解すること。
H
Hall (スチュアート・ホール:Stuart HALL, 1932- )
オーディエンス
視聴者。メッセージを主体的に読み、そこから自らの生にかか...
エンコーディング(記号化、encoding)/デコーディング(復号化...
メディアを介してやり取りされるメッセージは、まず発話者に...
デコーディングは、自立的に行われるが、各々のデコーディン...
【河西コメント】こうした読み同士の鬩ぎ合いの関係は、言語...
オーディエンスの採り得る位置
デコーディングするオーディエンスは、エンコードの意図に対...
-支配的な位置...エンコードの意図とでコードの読みがほぼ一...
-交渉的な位置...エンコードの意図や支配的な読みを大枠で認...
-対抗的な位置...エンコードの意図や支配的な読みに対立する...
Hegel (G・W・F・ヘーゲル:George Wilhelm Friedrich HEGEL,...
弁証法(Dialektik)
物事の対立・矛盾を克服し、統一し、乗り越えることによって...
歴史哲学
絶対的な知の体系の存在を根拠に、人間は歴史の末に絶対的な...
Hirschberg (ダニエル・S・ハーシュバーグ:Daniel S. HIRSCH...
最長共通部分列(Longest Common Subsequence)
文書比較を行う問題は、2つの文書A,Bの最長共通部分(LCS Long...
Hjelmslev (ルイ・イェルムスレウ:Louis HJELMSLEV, 1899-19...
内在的構造主義
言語学以外の諸科学(論理学、心理学等)によって提供される諸...
融即的対立関係(opposition participative)
言語を構成する対立関係は、プラスとマイナスの二項を生み出...
-A...明確な項(内括項)
-A + non A...不明確な項(外括項)
Husserl (エドムンド・フッサール:Edmund HUSSERL, 1859-193...
現象学
人は存在そのものを言い当てることは出来ないが、存在の意味...
超越論的自我
意味を読み取る主体のこと。
I
Iser (ウォルフガング・イーザー:Wolfgang ISER, 1926- )
レパートリィ(repertory)
虚構文学において読者が世界を構築する為の諸要素。実話であ...
Ishigami (石上英一:ISHIGAMI Eiichi, 1946- )
古代史料テクスト構造
古代史料は、歴史的情報過程を時間順行方向に移動する歴史情...
-テクスト生成過程状態
-テクスト生成終了状態
テクスト生成過程状態の構造
-追記構造...あるテクストに追記を施すことによって新たなテ...
-派生構造...同一内容、もしくは変更を加えた内容の新たなテ...
テクスト生成終了状態の構造
-時間変数
-階層・順序変数
-真偽値・二項対立値
-統「文」構造
【河西コメント】おそらく、生成過程状態と生成終了状態の区...
Itagaki (板垣雄三:ITAGAKI Yuzo, 1931- )
n地域
埋め込まれた差別体制の重層構造を拡大的に再生産する力(P)に...
J
Jackendoff (ジャッケンドフ:Ray S. JACKENDOFF)
概念構造(conceptual structure)
言語構造を音韻構造、統語構造、概念構造に分ける。このうち...
-概念範疇(物体・場所・経路・行為・出来事・方法・量など)
-関数(BE関数・GO関数・CAUSE関数など)
これらを組み合わせることによって文の意味を表示する。
例) あそこにカメラがある。
[stateBE([thingCAMERA],[placeTHERE])]
大文字は個別言語ではなく意味概念を表す。BE(α,β)は、関数。...
小文字は概念範疇を表す。
【河西コメント】これは、単に別の言語を作成しているだけで...
Jakobson (ロマン・ヤコブソン:Roman JAKOBSON, 1896-1982)
言語活動の六機能
言語コミュニケーションを構成する6つの要素と、そのうちのど...
-発信者...心情的機能
-コンテクスト...指示機能
-メッセージ...詩的機能
-接触...交話的機能
-コード...メタ言語的機能
-受信者...動能的機能
James (ウィリアム・ジェイムズ:William JAMES, 1842-1910)
プラグマティズム(pragmatism)
真理は、人間の意識経験、認識を超えたところに厳然と存在す...
Jauss (ハンス・ルーベルト・ヤウス:Hans Robert JAUSS)
受容理論
文学研究における読者の役割を重視し、作品はそれ自体で成立...
-作者の時代
-作品の時代
-読者の時代
Johnson (バーバラ・ジョンソン:Barbara JOHNSON, 1947- )
批評的差異(critical difference)
テクストの内的差異。
Jung (カール・グスタフ・ユング:Carl Gustav JUNG, 1875-19...
元型(archetype)
人間の無意識の中には、人間に共通の様相(普遍的無意識)が複...
-影(shadow)...その個人にとって生きられなかった半面。個人...
-太母(グレートマザー)...慈しみ、呑込む。産み出して死に還...
-アニマ/アニムス...男性が持つ女性像がアニマ、女性が持つ...
-仮面(ペルソナ)...社会的役割。
-自己(self)...意識と無意識を含みこんだ心の全体
-老賢者
-トリックスター
【河西コメント】普遍的無意識という概念は、人間そのものの...
K
Kabashima (樺島忠夫:KABASHIMA Tadao, 1927- )
樺島の法則
素材テクストの延べ語数の品詞構成比率を名詞(N)の比率を基準...
-形容詞(M)の比率...M=45.67-0.60N
-接続詞(I)の比率...logI=11.67-6.56logN
-動詞(V)の比率...V=100-(N+M+I)
Karatani (柄谷行人:KARATANI Kojin, 1941- )
教える立場
ソシュール以来の言語学が寄って立つ立場は「話す立場」のよ...
Kripke (ソール・A・クリプキ:Saul Aaron KRIPKE, 1940- )
指示の因果説(causal theory of reference)
固有名の指示内容は、最初の命名儀式から現在まで連なる因果...
Krippendorff (クラウス・クリッペンドルフ:Klaus KRIPPENDO...
内容分析
「内容分析とは、データをもとにそこから(それが組み込まれ...
「歴史家もまた決して単なる資料の収集家にとどまるものでは...
Kristeva (ジュリア・クリステヴァ:Julia KRISTEVA, 1941- )
意味生成分析(semanalyse)
言語活動を行ううえで、言語体系という生産様式に則ってテク...
-フェノ=テクスト...現象としてのテクスト、表層テクスト
-ジェノ=テクスト...生成としてのテクスト。テクストの生成過...
ル・セミオティック
ル・サンボリック(→ラカン)のなかに噴出してくる「掻き乱すも...
間テクスト性(intertextualite)、転位(transposition)
目の前のテクストとは別のテクストの存在によって、はじめて...
「あらゆるテクストは引用のモザイクとして構築されている。...
【河西コメント】クリステヴァの〈間テクスト性〉という用語...
L
Lacan (ジャック・ラカン:Jacques LACAN, 1901-1981)
テクストの無意識
精神分析において無意識を読むことが出来るのは、患者の話を...
想像界(リマジネール、l'imaginele)/象徴界(ル・サンボリッ...
精神の表象世界を以下のように分ける。
-想像界...類同原理に支配された、鏡像段階の無意識構造
-象徴界...エディプス・コンプレックスの完成と言語の獲得後...
Langlois & Seingobos (ラングロア & セニョボス :Charles V...
歴史と史料
「歴史は史料で作られる。史料とは、むかしの人間が残した思...
Lejeune (フィリップ・ルジュンヌ:Philippe LEJEUNE, 1938- )
自伝契約
自伝というジャンルを成り立たせている文学的慣習。
Levi-Strauss (クロード・レヴィ=ストロース:Claude LEVI-ST...
構造人類学
民族の風習・伝承を個別的な特徴によって記述するのではなく...
Levinas (エマニュエル・レヴィナス:Emmanuel LEVINAS, 1906...
他者性(l'alterite)
「コミュニケーションに挫折という文字が、あるいは非本来性...
「コミュニケーションの挫折認識の挫折とみなされているのだ...
Levy-Bruhl (リュシェン・レヴィ=ブリュール:Lucien LEVY-BR...
融即律(loi de participation)
未開人の思考は、文明人の思考とは異質の前論理に支配されて...
Libby (ウィラード・リビー:Willard Frank LIBBY, 1908-1980)
放射性炭素法(14C炭素法)
放射性炭素と呼ばれる炭素(C)の同位体14Cを用い、年代を測定...
Luhmann (ニクラス・ルーマン:Niklas LUHMANN, 1927-1998)
システム/環境
ルーマンにとってシステムとは、常に環境から区別される存在...
複雑性
複雑性とは、〈完全な/選択的な〉関連付けの差異によって定...
コミュニケーション
コミュニケーションは、指示可能な客観的対象として存在する...
-情報(Information)...事実確認的(constative)な側面
-伝達(Vermittelung)...行為遂行的(performative)な側面
-理解(Verstenhen)...上記の差異を観察すること
M
Maruyama (丸山圭三郎:MARUYAMA Keizaburou, 1933-1993)
『講義』のソシュールと「原資料」のソシュール
ソシュール言語学のバイブルである『一般言語学講義』は、ソ...
Marx (カール・マルクス:Karl MARX, 1818-1883)
価値形態
ある量の商品Aの価値は、ある量の商品Bの使用価値で表示され...
交通(Verkehr)
「ある地方でえられた生産諸力、ことに諸発明が、以後の発展...
【河西コメント】マルクス、エンゲルスの言う〈交通〉の概念...
Maturana & Varela (マトゥラーナ & ヴァレラ:Humberto R. M...
オートポイエーシス
構成素が構成素を産出する産出(変形・破壊)過程のネットワー...
McLuhan (マーシャル・マクルーハン:Marshall MCLUHAN, 1911...
印刷術
印刷術の普及により、近代人は均質で線条的な理解を強いられ...
Merton (ロバート・キング・マートン:Robert King MERTON, 1...
ミドルレンジセオリー(middle range theory)
具体的なフィールド調査のデータと高度に抽象的な社会理論と...
Mill (ジョン・スチュアート・ミル:John Stuart MILL, 1806-...
固有名詞
固有名詞は、対象の名に過ぎず、一切の内包をもたない。した...
Monod (ジャック・モノー:Jacques MONOD, 1910-1976)
生命発生の偶然性
地球上に生命が発生する可能性は、ほとんどゼロに等しい。し...
「〈宇宙〉は生命をはらんでいなかったし、生物圏は人間をは...
Montelius (モンテリウス:Gustaf Oscar Augustin MONTELIUS,...
形式学(typology)
考古学は個々の遺物に認められる属性(attribute)に基づいて纏...
【河西コメント】〈形式/遺物〉の区別は、自然科学における...
Morris (チャールズ・ウィリアム・モリス:Charles William M...
言語の記号論的分析
言語とは、以下の3つの規則によって規定される記号媒体の相互...
-統辞論的(syntactical)
-意味論的(semantical)
-語用論的(pragmatical)
N
Nelson (テッド・ネルソン:Theodor Holm NELSON, 1937- )
ハイパーテクスト
複数のテクストが、順番に関わらず、相互にリンクされている...
Nietzsche (フリードリヒ・ニーチェ:Friedrich NIETZSCHE, 1...
概念の形成
すべての概念は、等しからざるものを等置することによって、...
(フリードリヒ・ニーチェ「哲学者に関する著作のための準備草...
文献学批判
文献学は教育施設(ギムナジウム)の最高権威として存在してお...
Noe (野家啓一:NOE Keiichi, 1949- )
物語行為論
口承伝承としての、物語るという行為は、すでに特定の作者が...
O
Oguma (小熊英二:OGUMA Eiji, 1962-)
単一民族神話の起源
日本民族が単一民族である、という発想は、戦後になってから...
Ohno (大野晋:OHNO Susumu, 1919- )
大野の法則
素材テクストの異なり語数の品詞構成比率の法則。
任意の三作品甲乙丙の各語彙について、名詞の構成比をそれぞ...
-(y-Y0)/(Y1-Y0)=(x-X0)/(X1-X0)
P
Peirce (チャールズ・サンダース・パース:Charles Sanders P...
記号
記号Xと指示される対象Yとのあり方により記号を3つに分類する。
-アイコン(icon)...ある点において対象と類似するもの。
-インデックス(index)...対象を直接的物理的に表す様式。
-シンボル(symbol)...対象と慣習的に結びつくもの。
Pickering (ピッカリング:M. PICKERING)
分析者の再帰的態度
知的言説の物語性・権力性を自覚し、分析者自身の位置を問い...
Prince (ジェラルド・プリンス:Gerald PRINCE)
物語文法
生成文法を、物語の解釈に応用する考え。
語られる相手(narrataire / narratee)
テクストの「語り手」が語るのはテクスト外部の「読み手」だ...
Propp (ウラジミール・プロップ:Vladimir PROPP, 1895-1970)
(物語における)機能
物語において登場人物の果たす役割。以下の基本テーゼがある。
-昔話の恒常的不変要素は人物たちの機能である。
-この機能の数は有限(しかも少数)である。
-機能の継起順序は常に同一である。
-あらゆる昔話がその構造の点では1つのタイプに属する。
R
Ranke (レオポルド・フォン・ランケ:Leopold von RANKE, 179...
歴史主義(歴史実証主義)
人類の精神的な「進歩」は存在せず、各時代において無限に多...
Recoeur (ポール・リクール:Paul RECOEUR, 1913- )
物語的理解
物語とは行動のミメーシスであり、筋であり、出来事の組み立...
物語的自己同一性
私とは誰か、という問いに答えることは、すなわち、誕生から...
Riffaterre (ミハエル・リファテール:Michael RIFFATERRE, 1...
文体
「語連続のある要素に対して読者の注意を否応なく喚起する浮...
テクストにおいて、読者が何らかの刺戟を受ける刺戟因の総称。
原=読者(archi-lectur)
テクストを読み刺戟因をすくい上げる為の道具としての「読者...
-付け足しによる誤り...過去において規範的だった要素が現在...
-見落としによる誤り...過去において逸脱的だった要素が現在...
非文法性(ungrammaticality)
「原=読者」が順調な思考の流れを断ち切られ、解釈行為が足止...
Rostow (ウォルト・ホイットマン・ロストウ:Walt Whitman RO...
成長経済史学
経済成長を基準とし、伝統的社会(traditional society)/過渡...
Russell (バートランド・ラッセル:Bertrand RUSSELL, 1872-1...
表示理論(theory of denoting)
変項xに対し、命題関数C(x)とすると、everything、nothing、s...
-C(everything)...C(x)は常に真である。...(x)C(x)
-C(nothing)...「C(x)は偽である」は常に真である。...(x)-C(x)
-C(something)...「「C(x)は偽である」は常に真である」は偽...
記述理論(theory of description)
「チャールズ二世の父は処刑された」を例に取ると、それは以...
-xはチャールズ二世を子に持ち、かつ、「もしyがチャールズ二...
-(∃x)(Bx & (y)(もしByならy=x) & Ex)...Bxは「xはチャールズ...
論理的原子論
分析の結果、世界のあらゆるものは個人的、刹那的な感覚の束...
S
Said (エドワード・W・サイード:Edward W. SAID, 1935-2004)
オリエンタリズム(orientalism)
東洋についてかかれた西欧のオリエント研究が、西欧の視点か...
Sapir (エドワード・サピア:Edward SAPIR, 1884-1939)
偏流(drift)
言語の使用における変化は、個々の主体の意識を超えて、ある...
【河西コメント】ソシュールの言う、〈通時態〉における〈交...
Sartre (ジャン・ポール・サルトル:Jean Paul SARTRE, 1905-...
志向性(intentionnalite)
意識は何ものかについての意識であるとする概念。
超越論的自我(私)が、意識に統一と個性を与えるのではなく...
即自存在(etre en soi)/対自存在(etre pour soi)
事物、心像の存在の仕方は以下の2つがある。
-即自存在...「私」の自発性に関係なくあるがままに惰性的に...
-対自存在...「私の意識」が意識することによってのみ存在で...
Sausurre (フェルディナン・ド・ソシュール:Ferdinand de SA...
ラング(langue)/パロール(parole)
言語の社会的な規則、辞書、文法的側面をラングとし、その実...
【河西コメント】ソシュールのラングは、〈聴く主体〉の中に...
シニフィアン(signifiant)/シニフィエ(signifie)/シーニュ(...
言葉は何かを指し示す為の道具ではなく、言葉自体に表現(シニ...
共時態(syncronie)/通時態(diaclonie)
言語学における同時共存の「状態」の静態的研究(=共時態)と時...
「〈共時態〉とは、「語る主体の意識」に問うことによって取...
【河西コメント】共時態は、〈語る主体=聴く主体〉の意識の中...
交通(intercourse)
あらゆる人間の集団にはたらく2種類の力がある。
-郷土の力(force du clocher)...ある集団の内部で凝縮され、...
-交通の力(force du l'intercourse)...ある集団と他の集団の...
【河西コメント】我々は、この〈力〉を集団だけに限定する必...
Schmidt (ジークフリード・シュミット:Siegfried J. SCHMIDT)
文学現象
文学を広い社会的コミュニケーションとして捉え、以下のよう...
-文学創作行為...創作活動
-文学媒介行為...出版社、書籍流通、取次、図書館など
-文学受容行為...読書、観劇、映画鑑賞など
-文学加工行為...批評、翻訳、映画化など
Scott (ジョーン・スコット:John SCOTT, 1949- )
フェニミズム歴史学
Searle (ジョン・R・サール:John R. SEARLE, 1932- )
発語内行為の分類
全ての言説に含まれる行為である発語内行為を以下のように分...
-確言
-命令
-約束
-表出
-宣言
また、これらの行為の成立条件として4つの規則がある。
-本質規則...行為の本質的なルール。
-事前規則...行為の前に成立していなければならない条件。
-命題内容規則...表現される命題に関する規則。
-誠実性規則...行為者に求められる責任、条件。
Serres (ミシェル・セール:Michel SERRES, 1930- )
パラジット
一見するとシステムの淀みない作動を妨げるように見える外的...
Slobin (ダン・アイザック・スロービン:Dan Isaac SLOBIN, 1...
話す為の思考(thinking for speaking)
話をする為には特別なオンライン的な考え方があり、それは話...
Souriau (エティエンヌ・スーリオ:Etienne SOURIAU, 1892-19...
(演劇における)機能
演劇における登場人物の機能は以下の6つ。
-獅子座...一定の方向を与えられた主題の力
-太陽...善乃至価値の代表者
-地球...善を潜在的に受けるもの
-火星...反対者
-天秤座...善の配当者である審判者
-月...獅子座の力を強める援助者
Spengler (オズワルド・シュペングラー:Oswald SPENGLER, 18...
没落
西洋文明を始め、全ての文明は必ず没落するという歴史観。
Sperber & Wilson (スペルベル & ウィルソン:Dan SPERBER, 1...
関連性理論(relevance theory)
発話解釈は、以下の2段階からなる。
-文法(言語能力)による可能な複数個の仮説を形成する段階
-語用論能力を用い、仮設を評価し、特定の仮説を採用して話し...
解釈仮説の評価に当たっては、最適な関連性を持つものを採用...
-その発話が聞き手の注意を惹くのに値する十分な認知的効果を...
-その効果を得る為に聞き手に課される処理労力はそれほど大き...
【河西コメント】結局、〈意味〉そのものがそこにあるのでは...
Spitzer (レオ・シュピッツァー:Leo SPITZER, 1887-1960)
エティモン
作品の有する全ての要素を類縁付け、説明する共通分母。作品...
文献学的円環法(philological circle)
作品の再読吟味により、作品を支配する美的・心理的印象、効...
Spivak (ガヤトリ・C・スピヴァック:Gayatri Chakravorty SP...
認識論の暴力
エスニシティ・人種・女性などの概念は、言説それ自体が西洋...
Stevens (スタンリー・スミス・スティーヴンス:Stanley Smit...
数値の尺度
-名義尺度(nominal scale)...分類されたカテゴリーに名義的に...
-序数尺度(ordinal scale)...量を比較できる数値の順序を扱う...
-距離尺度(interval scale, equal unit scale)...数値間の間...
-比例尺度(ratio scale)...距離尺度である上に、絶対零点を持...
Stirner (マックス・シュティルナー:Max STIRNER, 1806-1856)
階級と諸個人
「彼はキリスト教徒である」「彼は人間である」など、「何」...
T
Tatsukawa (立川健二:TATSUKAWA Kenji, 1958- )
誘惑(seduction)
ソシュール以来の言語学は「聴く立場」に立つ議論である。「...
【河西コメント】立川の興味は、言語の「社会性」よりもむし...
Thomzen (トムゼン:Christian Jugensen THOMZEN, 1788-1865)
三時代法(three age system)
古物を材質によって分類。
- 石器時代
- 青銅器時代
- 鉄器時代
Thorndyke (ソーンダイク:P. W. THORNDYKE)
物語文法
物語理解の際の心的な枠組みとしての物語文法。成分構造を生...
Toyama (外山滋比古:TOYAMA Shigehiko, 1923- )
古典化
作品は作者が作る、と言われるが、作者は古典を作ることは出...
Toynbee (アーノルド・ジョゼフ・トインビー:Arnold Joseph ...
文明
歴史の発展の基本単位は、国家ではなく文明である。
挑戦と応戦(challenge and response)
文明は発生/成熟/老衰/衰退の運命をたどる。これらの文明...
Tsuda (津田左右吉:TSUDA Soukichi, 1873-1961)
歴史の矛盾性
歴史家は、二つの矛盾する立場に共に立たなければならない。
-史実を現在の事実としてみる立場…あらゆる史実は、その時に...
-歴史を過去としてみる立場…現在から振り返って過去を見る立...
歴史学における概念の拒否
歴史学において、国家や民族などに対して予め〈概念〉を以っ...
【河西コメント】これは主に「マルクス主義」或いは「唯物史...
Turing (アラン・マジスン・チューリング:Alan Mathison TUR...
チューリング・テスト
もし、人間と機械とに同じように問いかけてみて、人間と機械...
U
Ueno (上野千鶴子:UENO Chidzuko, 1948- )
ジェンダー・ヒストリー
従来の歴史学に対するジェンダー・ヒストリーのインパクトは...
-文書史料中心主義への挑戦...公文書自体が権力によって構成...
-学問の客観性、中立性神話への挑戦...客観性とは強者のルー...
-オーラル・ヒストリー、口承の歴史証言の方法論的挑戦...文...
【河西コメント】この批判は、「修正主義」或いは固定化した...
V
Valery (ポール・ヴァレリー:Paul VALERY, 1871-1945)
自我の内的差異
「自分に話す、この奇妙で直接的な機能はわれわれの<自我>に...
「『私が』『私に』話すのである以上、前の『私』は後の『私...
van Dijk & Kintsch (ヴァンダイク & キンチ:Teun Adrianus ...
文章理解
文章が理解されるまでには以下の3種の表象が構成される。
-表層的記憶...単語や文の意味についての記憶
-命題的記憶...文章全体の展開構造の記憶
-状況モデルやメンタルモデルなどの所謂記憶表象
意味表象の構成
「言語使用者は文章の産出と理解の双方において、同一の、あ...
Vidal-Naquet (ピエール・ヴィダール=ナケ:Pierre VIDAL-NAQ...
歴史と物語
「いっさいが言説を通過せざるをえないということは分かりま...
Vogt (ジョセフ・フォークト:Joseph VOGT, 1895- )
世界史
世界史という分野は20世紀になってから生まれてきたものであ...
W
Wallerstein (イマニュエル・ウォーラーステイン:Immanuel M...
世界システム(world-system)
歴史上存在した世界システムを以下の2つに分類する。
-帝国...システム全体が1つに統合されているタイプの世界シス...
-世界経済(world-economy)...経済的には大規模な分業体制を取...
世界システムは、このような包括的な概念である。が、ウォラ...
中核/周縁/半周縁
世界経済における経済状況により、地域は以下の3つに区分され...
-中核...システムの分業体制により経済余剰の大半を握る。
-周縁(peripheral)...経済的に中核に従属させられている。
-半周縁...中核と周縁の中間。
ウォラーステイン理論においては、中核から半周縁への降下、...
覇権(ヘゲモニー、hegemony)
中核諸国の1国が圧倒的な経済力を有し、他を寄せ付けない状態...
Watanabe (渡辺仁:WATANABE Hitoshi, 1919- )
考古学者のアプローチ
-モード1...資料の記載に終わり、その解釈を通じて遺物をめぐ...
-モード2...用途や機能という分野への興味はあるが、科学的解...
-モード3...科学的アプローチによる遺物情報の人類学的理論化...
Weber (マックス・ヴェーバー:Max WEBER, 1864-1920)
理念型(idealtypus)
歴史認識にあたって、一定の視点を持ち、その視点から現実の...
White (ヘイドン・ホワイト:Hayden WHITE, 1928- )
歴史のプロット化
歴史を記述する場合、必ず、何らかの価値基準によりプロット...
メタヒストリー(meta-history)
歴史の記述は、言語論的転回(20世紀の哲学の対象における事実...
Whorf (ベンジャミン・リー・ウォーフ:Benjamin Lee WHORF, ...
サピア-ウォーフ仮説/言語相対性仮説(Sapir-Whorf hypothesi...
人は言語によって世界を認識し、概念化するため、言語の違い...
-強い仮説...言語がそのまま思考であるという主張
-弱い仮説...言語の性質が思考に影響を及ぼすという主張
色の再認実験では効果が認められたが、記憶実験の精緻化効果...
Wittfogel (カール・アウグスト・ウィットフォーゲル:Karl A...
水利社会論
灌漑の存否や規模の大小によって社会組織や国家の形態が異な...
Wittgenstein (ルードウィヒ・ウィトゲンシュタイン:Ludwig ...
言語ゲーム論
多様な「言語と言語の織り込まれた諸活動の総体」として捉え...
【河西コメント】〈規則〉という語が、変更不可能な固定的な...
ウィトゲンシュタインの懐疑論者
始めから〈規則〉なるものが存在したから、コミュニケーショ...
Y
Yuge (弓削達:YUGE Tooru, 1924- )
存在としての歴史/ロゴスとしての歴史
歴史学を精神的な生産活動と見なし、歴史を以下の二つに区別...
-存在としての歴史...全ての人間の生活の総体。生産の素材。...
-ロゴスとしての歴史...史料を基に人間の歴史を創造したもの...
Yule (ユール:George Udny YULE, 1871-1951)
K特性値
語彙の豊かさを示す統計値。
Z
Zipf (ジョージ・キングスレイ・ジップ:George Kingsley ZIP...
ジップの法則
語の使用率分布において、使用度数(f)と度数順位(r)の積は一...
Zizek (スラヴォイ・ジジェク:Slavoj ZIZEK)
普遍性
「重要な点は、普遍性を参照するということは、語りそのもの...
RIGHT:独り言(Historical)
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