閔妃
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開始行:
***閔妃の写真はなかった [#cecd166a]
&ref(4ea493b0f5b1120f8a17480a293cb013.jpg,nolink,伝 閔妃);
伝 閔妃
***1、閔妃の写真を否定する新説 [#q0c77164]
流布されている閔妃の写真
閔妃について簡単に概説すると、彼女は1866年李朝第二六代...
朝鮮史関係の本の多くにはこの閔妃の写真が掲載されており...
http://www.bishu.jp/r-yagi/koria/saito/rekisi-sp9.htm
それは閔妃の写真ではない
ところがこの写真、実は閔妃を写したものではないということ...
当論考によると、日韓併合(1910)以前の欧文資料や日本語資...
つまり別人の写真であったものが数十年経った戦後に閔妃とさ...
***2、クンモリから新説を検討する [#s2873801]
クンモリとは?
この写真で目につく大きな特徴は頭部の左右に丸く張り出し...
本節ではこのクンモリに注目して、写真の女性が閔妃ではなく...
イサベラ・バードの記録
イギリスの女性旅行家であるイサベラ・バードは、日清戦争前...
彼女は宮中の侍女について次のように書いている。誤解のな...
「長すぎる1ヤード(0.91メートル)の絹のガウンを着て、頭...
「丈を1ヤードもひきずる絹衣を着て、重たいかもじで髪をふ...
このなかで「頭にとぐろを巻き、枕状のものをつけた鬘」「...
次にイサベラは閔妃をどう書いているか。頭部に限った描写...
「彼女の頭飾りは、その前部に珊瑚の薔薇花飾りと赤い飾り房...
‥‥この行事に王妃は‥頭はむき出しであった。その豊かな黒髪は...
「髪飾りは毛皮をまわりにあしらった黒い縁なし帽で、ひたい...
‥‥このとき王妃は‥帽子はかぶらず、たっぷりある黒髪はうしろ...
これをどう読んでもクンモリは出てこない。すなわち閔妃は...
イサベラの記録からは、その謁見時においてクンモリをしてい...
最近の再現事例
最近の韓国で、高宗と閔妃の嘉礼式(結婚式)を忠実に再現...
http://www.seoulnavi.com/images.html?img=/area/images/rig...
ここでは閔妃の右後ろにクンモリの侍女が立っている。一方...
王妃はクンモリをしない
『日露戦争 写真画報』第2巻(1904年5月)のなかに、4月14日...
また1920年に皇太子李垠公と結婚された日本の皇族梨本宮方子...
朝鮮王室の慣例では王妃はクンモリをしないと推測できるだろ...
以上のようにクンモリについて検討してきたが、それは写真の...
***3、間違いの一人歩きと新たな「歴史」の創造 [#k6119280]
誰が最初に間違えたか
写真を閔妃とする間違いを最初にしたのは誰でいつであるかに...
少なくとも戦前ではこの誤りを犯したものはいないようである...
間違いの一人歩き――姜相圭
韓国では1976年に姜相圭『韓國冩眞史』が刊行された。その...
「明成皇后 閔妃(図14)は早くから外戚としての精神を起こ...
これがどんな資料に拠ったのか不明であるが、撮影者の具体...
間違いの一人歩き――辛基秀
『映像が語る「日韓併合」史』は1987年の刊行である。編著...
「ソウルの日本軍守備隊や公使館員らは、1895年10月の夜、王...
日本政府は、すでに皇室の嘱託写真師として村上天真をおくり...
ここでは日本政府が朝鮮王室に写真師村上天真を送り込んで...
間違いの一人歩き――角田房子
角田房子は閔妃暗殺事件について本格的な資料収集を行ない...
角田はその本文において、この写真を元に1866年の閔妃婚姻...
「王妃冊封の日の閔妃は‥‥頭には、左右に大きく張り出したハ...
このように間違いが暗殺事件より29年前までさかのぼり、ク...
「私が読んだ日本側の閔妃暗殺現場の資料はすべて、「誰も閔...
『韓国写真史』は1987年に発行されたもので、その中にイサベ...
“閔妃の二枚目の写真”というものがあるが、これは肖像画を撮...
角田の優れた筆力もあって、この記述には真実味を感じさせ...
閔妃の写真は一枚もない
閔妃の写真とされてきたものが否定されたので、彼女の写真は...
当時の朝鮮では上流階級の女性は公の場に出ることがなく、そ...
また2001年7月7日付け東亜日報の記事に、写真真偽問題に関...
もともと閔妃の写真は一枚もなかった可能性がある。
検証と批判の重要性
辛の著作は1987年、角田の著作は1988年の発行である。とこ...
角田の著作はその後かなり普及し、暗殺事件は日本の朝鮮侵...
歴史研究は人間がするものであるから間違いは避けられない。...
註
(1) 国際日本文化センター紀要『日本研究第27集』(平成...
(2) 当論考に例示されているもの以外では、学習院大学東...
「この写真・絵葉書資料のうち「朝鮮」と題された写真群につ...
(3) 戦後でも例外的に以下の二つの資料がこの写真のキャ...
①『別冊1億人の昭和史 日本植民地史①朝鮮』(毎日新聞社 19...
②『目でみる李朝時代』(国書刊行会 1986年3月)の183頁では...
(4) 三谷憲正は自分のHPのなかで当該論文の概要を解説...
「近代における日本のアジアに対するまなざしはどうであったの...
http://www.bunet.jp/world/html/15_11/458_kenkyu/458_ken...
(5)『朝鮮奥地紀行2』(朴尚得訳 平凡社東洋文庫 1994...
(6)『朝鮮紀行 英国婦人の見た李朝末期』(時岡敬子訳 ...
(7)註5の67頁と80・81頁。
(8)註6の330頁と341頁。
(9)註1の106頁。
(10)『英親王李垠伝 李王朝最後の皇太子』(共栄書房 200...
(11)註10の11~14頁。
(12)註1の95頁。
(13)註1の96頁より再引。原典は姜相圭『韓國冩眞史』(1976...
(14)撮影者とされる村上天真なる写真師は、朝鮮史でも日本...
(15)註1の97頁。
(16)辛基秀編著『映像が語る「日韓併合」史』(労働経済社...
(17)註16の6頁。ここで参照された「韓国写真史」は註13と同...
(18)角田房子『閔妃暗殺 朝鮮王朝末期の国母』(新潮社 1...
(19)註18の50・51頁。
(20)註18の327頁。なおこのなかで閔妃は写真好きというイサ...
(21)註1の104頁より再引。
(追記)
当HPの読者より、8月12日付け朝鮮日報にこの写真につい...
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/12/...
8月14日記
(追記)
「閔妃の写真」が存在しないことは、拙論で論じた。このこと...
ところが今よく売れていると評判の嫌韓本のなかに、「閔妃...
桜井誠 『嫌韓流 反日妄言撃退マニュアル』56頁
山野車輪『マンガ 嫌韓流2』221頁
「閔妃の写真」なるものは左翼系の人たちが広めたものだが...
間違いを正すことはなかなか難しいと改めて痛感した次第で...
(2006年3月5日記)
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http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dairokujuuhachidai
終了行:
***閔妃の写真はなかった [#cecd166a]
&ref(4ea493b0f5b1120f8a17480a293cb013.jpg,nolink,伝 閔妃);
伝 閔妃
***1、閔妃の写真を否定する新説 [#q0c77164]
流布されている閔妃の写真
閔妃について簡単に概説すると、彼女は1866年李朝第二六代...
朝鮮史関係の本の多くにはこの閔妃の写真が掲載されており...
http://www.bishu.jp/r-yagi/koria/saito/rekisi-sp9.htm
それは閔妃の写真ではない
ところがこの写真、実は閔妃を写したものではないということ...
当論考によると、日韓併合(1910)以前の欧文資料や日本語資...
つまり別人の写真であったものが数十年経った戦後に閔妃とさ...
***2、クンモリから新説を検討する [#s2873801]
クンモリとは?
この写真で目につく大きな特徴は頭部の左右に丸く張り出し...
本節ではこのクンモリに注目して、写真の女性が閔妃ではなく...
イサベラ・バードの記録
イギリスの女性旅行家であるイサベラ・バードは、日清戦争前...
彼女は宮中の侍女について次のように書いている。誤解のな...
「長すぎる1ヤード(0.91メートル)の絹のガウンを着て、頭...
「丈を1ヤードもひきずる絹衣を着て、重たいかもじで髪をふ...
このなかで「頭にとぐろを巻き、枕状のものをつけた鬘」「...
次にイサベラは閔妃をどう書いているか。頭部に限った描写...
「彼女の頭飾りは、その前部に珊瑚の薔薇花飾りと赤い飾り房...
‥‥この行事に王妃は‥頭はむき出しであった。その豊かな黒髪は...
「髪飾りは毛皮をまわりにあしらった黒い縁なし帽で、ひたい...
‥‥このとき王妃は‥帽子はかぶらず、たっぷりある黒髪はうしろ...
これをどう読んでもクンモリは出てこない。すなわち閔妃は...
イサベラの記録からは、その謁見時においてクンモリをしてい...
最近の再現事例
最近の韓国で、高宗と閔妃の嘉礼式(結婚式)を忠実に再現...
http://www.seoulnavi.com/images.html?img=/area/images/rig...
ここでは閔妃の右後ろにクンモリの侍女が立っている。一方...
王妃はクンモリをしない
『日露戦争 写真画報』第2巻(1904年5月)のなかに、4月14日...
また1920年に皇太子李垠公と結婚された日本の皇族梨本宮方子...
朝鮮王室の慣例では王妃はクンモリをしないと推測できるだろ...
以上のようにクンモリについて検討してきたが、それは写真の...
***3、間違いの一人歩きと新たな「歴史」の創造 [#k6119280]
誰が最初に間違えたか
写真を閔妃とする間違いを最初にしたのは誰でいつであるかに...
少なくとも戦前ではこの誤りを犯したものはいないようである...
間違いの一人歩き――姜相圭
韓国では1976年に姜相圭『韓國冩眞史』が刊行された。その...
「明成皇后 閔妃(図14)は早くから外戚としての精神を起こ...
これがどんな資料に拠ったのか不明であるが、撮影者の具体...
間違いの一人歩き――辛基秀
『映像が語る「日韓併合」史』は1987年の刊行である。編著...
「ソウルの日本軍守備隊や公使館員らは、1895年10月の夜、王...
日本政府は、すでに皇室の嘱託写真師として村上天真をおくり...
ここでは日本政府が朝鮮王室に写真師村上天真を送り込んで...
間違いの一人歩き――角田房子
角田房子は閔妃暗殺事件について本格的な資料収集を行ない...
角田はその本文において、この写真を元に1866年の閔妃婚姻...
「王妃冊封の日の閔妃は‥‥頭には、左右に大きく張り出したハ...
このように間違いが暗殺事件より29年前までさかのぼり、ク...
「私が読んだ日本側の閔妃暗殺現場の資料はすべて、「誰も閔...
『韓国写真史』は1987年に発行されたもので、その中にイサベ...
“閔妃の二枚目の写真”というものがあるが、これは肖像画を撮...
角田の優れた筆力もあって、この記述には真実味を感じさせ...
閔妃の写真は一枚もない
閔妃の写真とされてきたものが否定されたので、彼女の写真は...
当時の朝鮮では上流階級の女性は公の場に出ることがなく、そ...
また2001年7月7日付け東亜日報の記事に、写真真偽問題に関...
もともと閔妃の写真は一枚もなかった可能性がある。
検証と批判の重要性
辛の著作は1987年、角田の著作は1988年の発行である。とこ...
角田の著作はその後かなり普及し、暗殺事件は日本の朝鮮侵...
歴史研究は人間がするものであるから間違いは避けられない。...
註
(1) 国際日本文化センター紀要『日本研究第27集』(平成...
(2) 当論考に例示されているもの以外では、学習院大学東...
「この写真・絵葉書資料のうち「朝鮮」と題された写真群につ...
(3) 戦後でも例外的に以下の二つの資料がこの写真のキャ...
①『別冊1億人の昭和史 日本植民地史①朝鮮』(毎日新聞社 19...
②『目でみる李朝時代』(国書刊行会 1986年3月)の183頁では...
(4) 三谷憲正は自分のHPのなかで当該論文の概要を解説...
「近代における日本のアジアに対するまなざしはどうであったの...
http://www.bunet.jp/world/html/15_11/458_kenkyu/458_ken...
(5)『朝鮮奥地紀行2』(朴尚得訳 平凡社東洋文庫 1994...
(6)『朝鮮紀行 英国婦人の見た李朝末期』(時岡敬子訳 ...
(7)註5の67頁と80・81頁。
(8)註6の330頁と341頁。
(9)註1の106頁。
(10)『英親王李垠伝 李王朝最後の皇太子』(共栄書房 200...
(11)註10の11~14頁。
(12)註1の95頁。
(13)註1の96頁より再引。原典は姜相圭『韓國冩眞史』(1976...
(14)撮影者とされる村上天真なる写真師は、朝鮮史でも日本...
(15)註1の97頁。
(16)辛基秀編著『映像が語る「日韓併合」史』(労働経済社...
(17)註16の6頁。ここで参照された「韓国写真史」は註13と同...
(18)角田房子『閔妃暗殺 朝鮮王朝末期の国母』(新潮社 1...
(19)註18の50・51頁。
(20)註18の327頁。なおこのなかで閔妃は写真好きというイサ...
(21)註1の104頁より再引。
(追記)
当HPの読者より、8月12日付け朝鮮日報にこの写真につい...
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/12/...
8月14日記
(追記)
「閔妃の写真」が存在しないことは、拙論で論じた。このこと...
ところが今よく売れていると評判の嫌韓本のなかに、「閔妃...
桜井誠 『嫌韓流 反日妄言撃退マニュアル』56頁
山野車輪『マンガ 嫌韓流2』221頁
「閔妃の写真」なるものは左翼系の人たちが広めたものだが...
間違いを正すことはなかなか難しいと改めて痛感した次第で...
(2006年3月5日記)
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http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dairokujuuhachidai
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