1.宋の中国統一
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1.宋の中国統一
960年に、後周の将軍であった趙匡胤によって宋が建国され、
次の太宗の時代には中国を統一した。
宋は、学識をもった文人官僚によって政治を行う文治主義を
とり、科挙を整備していった。
10世紀の初めごろ、モンゴル高原では契丹という国が勢力を
強めていった。契丹は勢力範囲にはさまざまな諸民族がおり、
官制は部族制による北面官と州県制による南面官という二重
統治体制であった。契丹は時期によっては遼という中国風の
名を使うときもあった。
また、仏教をとりいれて、契丹文字という独特な文字をつく...
した。
宋の西北では西夏という国が中国と西方を結ぶ重要交通路を
押さえ、仏教をとりいれ、西夏文字という独特な文字による仏典
の翻訳が行われた。
北宋では、契丹と西夏の圧迫をうけていた。宋は王安石を登用
し、新法とよばれる農民や商工業者の生活安定と生産増加、国
10~12世紀の東アジア
家財政の確保と軍備増強の富国強兵策をとったが、反対派との...
契丹(遼)の東では女真という国があり、女真文字という独...
に支配されていたが、12世紀の初めに独立して金という国名を...
宋は金と結んで1125年に遼を滅ぼしたが、金が華北を占領し...
の宋を北宋という。)
2.宋の社会と文化
宋は都を唐の長安のような計画都市ではなく、古くから城壁...
として発展させていった。
貨幣経済が発達し、銅銭の他に、金や銀の地金、手形は紙幣...
は地主となり、荘園を直接経営するのではなく、佃戸(でんこ...
をとった。
宋が江南に都をたてると、中国経済の中心が長安から東南の...
堤防で湿地帯を囲み干拓した田で集約的な稲作が行われるよう...
また、陶磁器や茶・絹などの特産品が各地で集中的に行われ...
発達した。
宋の文化の担い手の中心は、士大夫とよばれる儒学を身につ...
らず、ものごとの真理をつかみとろうとする、すっきりとした...
儒学では、宇宙万物の本質を求める宋学がおこり、南宋の朱...
ようになった。朱子学は四書とよばれる「大学」、「中庸」、...
大義名分論などの内容は日本にも影響を与えた。
このほか、歴史では司馬光の「資治通鑑」、古文復興では王...
美術では、写実的な院体画とならんで、自然の観察を通じて...
行われるようになった。
工芸では、高温で焼いたかたい白磁や青磁などの生産が行わ...
商業の発達によって、庶民の文化も発展し、小説などでうた...
宗教では、禅宗が支持され、さかんに行われるようになった。
唐の時代にはじまった木版印刷が普及し、羅針盤や火薬など...
宋の文化は、港にイスラム商人が来航し、ヨーロッパに伝わ...
五代~北宋時代
の白磁器 北宋時代の白磁器 南宋時代の白磁器 金時代の花びん
写真:東京国立博物館
3.元の中国統一
1125年に遼が滅亡すると、モンゴル部族のテムジンが1206年...
で君主となるハンの位につき、チンギス=ハンとなり、モンゴ...
は千戸とよばれる全民族を1000戸単位に編成した軍事・行政組...
夏を滅ぼした。チンギス=ハンの死後も勢力を強め、金を滅ぼ...
さらにドイツ・ポーランドの連合軍をワールシュッタットの...
まで脅威を振るった。
13世紀の半ば、中国北部からロシア、イランにいたるまでモ...
ると、中央アジアではチャガタイ=ハン国、南ロシアではキプ...
ではイル=ハン国といったチンギス=ハンの子孫が地域の政治...
する政治体制をとった。
5代目に皇帝に即位したフビライ=ハンは都を大都(現在の北...
を滅ぼして中国全土を支配するにいたった。
フビライ=ハンはさらに東南アジアや日本にも遠征軍を送っ...
が多かった。
金~元時代のつぼ
元時代の白磁器
写真:東京国立博物館
元の中国統治は、伝統的な中国の官僚制であったが、実際は...
決定されていた。
元はモンゴル帝国の初期のころから交通路整備と治安の確保...
幹線道路に駅を設けて、その周辺の住民から馬や食料を調達さ...
スラム教徒の商人(ムスリム商人)らによって東アジアからヨ...
れた。
また、杭州、泉州、広州といった港市が繁栄し、大都と江南...
大都に至る海運も整備された。
貨幣は、交鈔とよばれる紙幣が発行され、主要な通貨として...
交通路の整備やモンゴル帝国・元の勢力拡大はヨーロッパに...
などは使節を送るようになった。中でも、イタリアのマルコ=...
(東方見聞録)」はヨーロッパに影響を与え、日本は黄金の国...
14世紀になると、モンゴル帝国は天災を原因に内紛がおこり...
を広げ、キプチャク=ハン国は内紛で統合がゆるむと、モスク...
元も内紛や飢饉などによって各地で反乱がおこり、1368年、...
高原に退いた。
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1.宋の中国統一
960年に、後周の将軍であった趙匡胤によって宋が建国され、
次の太宗の時代には中国を統一した。
宋は、学識をもった文人官僚によって政治を行う文治主義を
とり、科挙を整備していった。
10世紀の初めごろ、モンゴル高原では契丹という国が勢力を
強めていった。契丹は勢力範囲にはさまざまな諸民族がおり、
官制は部族制による北面官と州県制による南面官という二重
統治体制であった。契丹は時期によっては遼という中国風の
名を使うときもあった。
また、仏教をとりいれて、契丹文字という独特な文字をつく...
した。
宋の西北では西夏という国が中国と西方を結ぶ重要交通路を
押さえ、仏教をとりいれ、西夏文字という独特な文字による仏典
の翻訳が行われた。
北宋では、契丹と西夏の圧迫をうけていた。宋は王安石を登用
し、新法とよばれる農民や商工業者の生活安定と生産増加、国
10~12世紀の東アジア
家財政の確保と軍備増強の富国強兵策をとったが、反対派との...
契丹(遼)の東では女真という国があり、女真文字という独...
に支配されていたが、12世紀の初めに独立して金という国名を...
宋は金と結んで1125年に遼を滅ぼしたが、金が華北を占領し...
の宋を北宋という。)
2.宋の社会と文化
宋は都を唐の長安のような計画都市ではなく、古くから城壁...
として発展させていった。
貨幣経済が発達し、銅銭の他に、金や銀の地金、手形は紙幣...
は地主となり、荘園を直接経営するのではなく、佃戸(でんこ...
をとった。
宋が江南に都をたてると、中国経済の中心が長安から東南の...
堤防で湿地帯を囲み干拓した田で集約的な稲作が行われるよう...
また、陶磁器や茶・絹などの特産品が各地で集中的に行われ...
発達した。
宋の文化の担い手の中心は、士大夫とよばれる儒学を身につ...
らず、ものごとの真理をつかみとろうとする、すっきりとした...
儒学では、宇宙万物の本質を求める宋学がおこり、南宋の朱...
ようになった。朱子学は四書とよばれる「大学」、「中庸」、...
大義名分論などの内容は日本にも影響を与えた。
このほか、歴史では司馬光の「資治通鑑」、古文復興では王...
美術では、写実的な院体画とならんで、自然の観察を通じて...
行われるようになった。
工芸では、高温で焼いたかたい白磁や青磁などの生産が行わ...
商業の発達によって、庶民の文化も発展し、小説などでうた...
宗教では、禅宗が支持され、さかんに行われるようになった。
唐の時代にはじまった木版印刷が普及し、羅針盤や火薬など...
宋の文化は、港にイスラム商人が来航し、ヨーロッパに伝わ...
五代~北宋時代
の白磁器 北宋時代の白磁器 南宋時代の白磁器 金時代の花びん
写真:東京国立博物館
3.元の中国統一
1125年に遼が滅亡すると、モンゴル部族のテムジンが1206年...
で君主となるハンの位につき、チンギス=ハンとなり、モンゴ...
は千戸とよばれる全民族を1000戸単位に編成した軍事・行政組...
夏を滅ぼした。チンギス=ハンの死後も勢力を強め、金を滅ぼ...
さらにドイツ・ポーランドの連合軍をワールシュッタットの...
まで脅威を振るった。
13世紀の半ば、中国北部からロシア、イランにいたるまでモ...
ると、中央アジアではチャガタイ=ハン国、南ロシアではキプ...
ではイル=ハン国といったチンギス=ハンの子孫が地域の政治...
する政治体制をとった。
5代目に皇帝に即位したフビライ=ハンは都を大都(現在の北...
を滅ぼして中国全土を支配するにいたった。
フビライ=ハンはさらに東南アジアや日本にも遠征軍を送っ...
が多かった。
金~元時代のつぼ
元時代の白磁器
写真:東京国立博物館
元の中国統治は、伝統的な中国の官僚制であったが、実際は...
決定されていた。
元はモンゴル帝国の初期のころから交通路整備と治安の確保...
幹線道路に駅を設けて、その周辺の住民から馬や食料を調達さ...
スラム教徒の商人(ムスリム商人)らによって東アジアからヨ...
れた。
また、杭州、泉州、広州といった港市が繁栄し、大都と江南...
大都に至る海運も整備された。
貨幣は、交鈔とよばれる紙幣が発行され、主要な通貨として...
交通路の整備やモンゴル帝国・元の勢力拡大はヨーロッパに...
などは使節を送るようになった。中でも、イタリアのマルコ=...
(東方見聞録)」はヨーロッパに影響を与え、日本は黄金の国...
14世紀になると、モンゴル帝国は天災を原因に内紛がおこり...
を広げ、キプチャク=ハン国は内紛で統合がゆるむと、モスク...
元も内紛や飢饉などによって各地で反乱がおこり、1368年、...
高原に退いた。
確認問題
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