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序章 先史の世界

序章 先史の世界

ア.人類の進化

a 先史時代 =人類が出現してから文字をして記録を残すようになるまで、人類史の99%を占める。
人類の定義を考えよう = b 直立二足歩行 すること。 → 脳容積が増大して手が解放された。
  他にc 道具 ・ 火 ・ 言語 を使用し、社会生活を営み、精神活動を行う=”d 文化 ”を形した。
化石人類に見る人類の進化。

補足:進化の過程
A 猿人  地質年代の生代第3期の末期。
人類の誕生は人類学の展により、現在ではa 約700万年前のアフリカ であったと考えられている。

人類の出現年代
・b アウストラロピテクス  1959年 タンザニアの オルドヴァイ渓谷 で見された。
 = 「南の猿」の意味。
・文化 最も簡単なc 打製石器 (礫石器)を使用。単純な狩猟採集生活。

B 原人  地質年代の更世(洪積世)中期。a 約240万年 前。
・b ホモ=ハビリス  1964年、タンザニアで見された猿人と原人の中間と考えられる化石人類
  ※ホモ …… 生物学的に現生人類の属するのがホモ族。

:ホモ=ハビリス

 c ホモ=エレクトゥス  ユーラシア大陸全域に広がる。
  例d ジャワ原人  1891~94年 インドネシア・ジャワ島のトリニールで見。
  脳容積が約900ccに増大。
   e 北京原人   1927~37年に北京郊外の口店で見された。脳容積が約1000ccに増大。
・文化 高度な打製石器であるハンドアックスやf 火 の使用。高度な狩猟・採集生活。



C 旧人  更世後期のはじめころ a 約60万年 前。

Text p.11
・b ネアンデルタール人  1856年、ドイツのライン川下流で見。脳容積、現代人にほぼ同じ。
 → ヨーロッパ、アジアに広く分布し、原人とも共存した。

補足:ホモ=ネアンデルターレンシス
・文化 達した打製石器である剥片石器を使用。毛皮をまとい、洞穴住居に住む。
 c 埋葬 の習慣をもつ。  → 宗教的観念の生か。

D 人(現生人類)  a 約20万年 前。現代人と同じ現生人類:b ホモ=サピエンス に属する。
※現生人類の起源はアフリカ単一説が有力になっており、そこから地球上に拡散したと考えられている。
・c クロマニヨン人  南フランスで見。  d 口店上洞人  北京原人の上層から出土。

補足:ホモ=サピエンス
・文化 高度に達した打製石器である石刃技法と骨角器を使用。
    e 洞穴絵画  スペインのf アルタミラ と、南フランスのg ラスコー が有名。
  → 狩猟と漁労の達。 → 自然の生産力への依存強まる。女性像などn原始美術。

補足:原始美術
・h 人がアフリカ大陸からユーラシア大陸、さらに南北アメリカ大陸など地球上全域に拡散した。 
・ここまでの人類の文化段階 = i 旧石器時代 
  その特色 =j 打製石器を主要な道具として用い、狩猟・採集を主とした獲得経済の時代。 

地図:現生人類の拡散

イ.農耕・牧畜の開始と国家の誕生

・a 約1万年 前、地球上の環境の変化 = b 氷期の終わりにともなう温暖化 
 → 地球上の各地で、現生人類たな環境にそれぞれ適応していった。
・c 農耕・牧畜 の開始 = 現在は、d 約9000年前 、e 西アジア が最初とられている。
 → f 磨製石器 (石斧・石臼・石皿など)とg 土器 の出現。
 = 穀物の栽培と保存、調理に用いられる。他に、織物がつくられ、竪穴住居が出現するなどの変化。
・このしい人類の文化段階を、 石器文化 という。
  特色 =i 磨製石器・土器を使用した農耕・牧畜という自然に働きかける生産経済の時代。 
◎学習のポイント

 	旧 石 器 文 化 	新 石 器 文 化

 石 器 a 打製石器(礫石器・剥片石器・握斧・石刃)  b 磨製石器(石斧、石臼、石皿など) 
その他道具 c 人段階から骨角器の使用始まる。  d 土器の製作(彩文土器の普及)。 
衣服・住居 e 毛皮類・移動性が強く洞穴住居を利用。  f 織物を作製・竪穴住居などに定住。 
生業・経済 g 狩猟・採集・漁労による獲得経済。  h 農耕・牧畜による生産経済。 
文化の特色 i 洞窟絵画・女性像などの原始美術。 j 初期農耕文化。彩文土器などの多様化。
            *中間に、細石器などを中心とした、中石器時代を置く考えもある。
・農耕の始まりから文の形
A 初期農法 
・a* 乾地農法  雨水だけに依存し、肥料を用いない農法。略奪農法とも言う。
  = まだ移動性が強いが、日乾し煉瓦による住居もつくられている。
  西アジアの初期農耕遺跡 ジャルモ・イェリコなど。 → 教科書 p.17 地図でマーク。

B 灌漑農業  
・a メソポタミア 地方の  ティグリス・ユーフラテス川 流域に始まる。
  = 用水路やため池などの人工的な水利技術によって水を確保し、生産を安定させた。
  → c 食料生産の達によって人口が増え、地域の農村の統合も進む。 

C 文 の形   前5000年前(紀前3000年)に始まる。
・農業と牧畜という生産経済の開始によって生まれた社会と文化の総体をC  文 という。
・その4要素  a 都市の生   → 宗教と交易の中心となる。
 b 階級の形  → 社会の指導層(神官・戦士)が、平民・奴隷を支配する階級社会。
 c 属器の使用  → はじめ青銅器、ついで鉄器が武器や工具として製造される。
 d 文字の使用  → 政治上の必要(租税)や商取引の生とともに始まる。
・意義:e 文の形と共に、国家が生まれ、人類歴史時代には入った。 

D 文圏の形
・前5000年~前3000年ごろ、農耕文が西アジアのメソポタミアから辺に伝播したと考えられている。
 → ユーラシア大陸の、いずれも大河の流域に集中的な農耕文圏が形された。
 a ナイル川流域   : → エジプト文を形。地中海文につながる。
 b ティグリス・ユーフラテス川   : → メソポタミア文。現在、最古と考えられている。
 c インダス川 : → インダス文。インド、東南アジアの文につながる。
 d 黄河・長江  : → 中国文。東アジアに拡大。
 *アメリカ大陸には、ややおくれて、独自の文圏が産まれたが、属器は、青銅器にとどまり
 鉄器文化は形されなかった。

補足:農耕以外の文化圏

ウ.人種と語族の分化

・a 人種  = 人間の身体的特徴(身長、頭の形、皮膚の色、頭髪の色など)での分類
 一般に、コーカソイド(白色人種)・モンゴロイド(黄色人種)・ネグロイド(黒色人種)
 19世紀以降のヨーロッパでは人種的な優劣の差があるという見方が強かったが、現在は科学的に否定されている。
・b 民族  = 言語・宗教・社会的慣習など文化的に同一性のある集団で分類。
 例 日本民族、民族、ゲルマン民族、ラテン民族等々。人種とは一致しないので注意する。
・c 語族  = 言語の類似を系統的に分類したもの。これも人種、民族とは一致しないので注意。
 →  同じ系統の言語を用いる集団を、~語系と言うことが多い。主要な語族 → 教科書 p.13 の表を参照。
・注意点 国民は国家の構員という意味で、近代の国民国家立後の概念である。


http://www.y-history.net/wh_note/note_mokuji.html