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疏勒

疏勒(読み)そろく(英語表記)Shu-le; Su-lê
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
中央アジア,タリム盆地西端のオアシス都市。現在のウイグル自治区のカシュガル (喀什) 。中国,代から約 1000年にわたって中国の歴史書で疏勒と呼ばれた。西域南北道,天山北麓からの道,パミール高原えの道の合流点にあり,国際的商業都市として繁栄し,政治的にも要地である。8世紀以後カルルク族のもとでトルコ化され,10世紀以後はイスラム化が進んでトルコ・イスラム文化も生れた。その後,次第に天山東部のウイグリスタンとは別個の政権の拠点となり,カシュガル・ハン国の中心ともなった。ジュンガル~清朝時代にはヤルカンドがタリム盆地西部の中心となったが,19世紀末からは再び清朝地方官制の拠点として重要性を回復。ロシアやイギリスの注目する地ともなった。

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百科事典マイペディアの解説
→カシュガル

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

→カシュガル

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旺文社世界史事典 三訂版の解説
⇨ カシュガル

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世界大百科事典内の疏勒の言及
【カシュガル】より

…南疆で最も重要な都市。代の中国には疏勒(そろく)国として知られ,また代以降,佉沙,迦師佶黎,伽師祇離,可失哈耳,可失哈児などの呼称でも知られる。イスラム文献にはKāshgharとして見える。…

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カシュガル

   KashgharKāshíかしゅがる / 喀什噶爾

百科事典マイペディアの解説
中国,ウイグル自治区西南部の都市。疆南部最大の都市。1952年疏附県の一部地区を分けて市を設置。タリム盆地西隅にあり,タリム川に臨むオアシス都市。天山南路の要地で,羊毛,綿花,茶の交易が行われる。代のカシュガル汗国の主都で勢力の後退とともに,トルコ,イスラム化した。市街は城と回城の2区に分かれる。64万人(2014)。
→関連項目疆|ヤークーブ・ベク

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世界大百科事典 第2版の解説
中央アジアのオアシス都市。タリム(塔里木)盆地の西端に位置する。現在の中国,ウイグル自治区喀什地区の喀什市(カスカル・シャフリ)。人口23万(1994)。その大半をウイグル人が占める。南疆で最も重要な都市。代の中国には疏勒(そろく)国として知られ,また代以降,佉沙,迦師佶黎,伽師祇離,可失哈耳,可失哈児などの呼称でも知られる。イスラム文献にはKāshgharとして見える。東西交通路(シルクロード)上の要衝に位置するため,〈碧眼〉のアーリヤ系民族が居住した前イスラム時代には,しばしばエフタル,突厥(とつくつ),,吐蕃など異民族の支配下に置かれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国、疆(しんきょう)ウイグル自治区西端にある一大オアシス、およびその中心となる県級市をさす。県級市は行政上では喀什(カーシー)市と記され、カシュガル地区の公署所在地である。常住人口41万0381(2012)。南疆線(トゥルファン―カシュガル)が通じ、市中心部から北約9キロメートルにはカシュガル空港がある。

 タクラマカン(タクリマカン)砂漠が広がるタリム盆地の四には、天山(てんざん)、パミール、崑崙(こんろん)山系からの融雪河川による灌漑(かんがい)農耕に支えられたいくつものオアシス都市が古くから達し、シルク・ロードを支えていた。なかでもカシュガルは、天山をえ西トルキスタン、カザフ草原へ通じる東西通商路上の要衝として古くから繁栄し、現在でも南疆最大の農産物集積地であるなど、カシュガリア地方における政治的・経済的中心地となってきた。タリム盆地四のオアシス地帯一帯がカシュガリアと称されてきたのはこのためである。

[真田 安・編集部 2018年1月19日]
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代には疎勒(疏勒)(そろく)国として知られ、イラン系の民族が住んでいたが、9世紀以降トルコ系の民族が移り住み、10世紀にはイスラム教が浸透し始め、15世紀以降トルコ・イスラム社会が立した。カシュガリアは絶えず中国、北アジア、西アジアの民族に支配されてきたが、17~18世紀にはカシュガル・ハン国のイスラム宗教貴族ホージャ家がオアシス経済を基盤に、カシュガルを首都にしてカシュガリアを支配した。その後、(しん)の征服により中国領の最西端に組み込まれて現在に至っている。住民の大多数はイスラム教徒のトルコ系ウイグルであり、現在でも伝統的なイスラム文化が生き続けている。

[真田 安 2018年1月19日]
[参照項目] | ウイグル | カシュガル・ハン国 | タリム盆地

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精選版 日本国語大辞典の解説
(Kashgar) 中国、ウイグル自治区西部の都市。天山南路の要地にあたり、古くから繁栄した。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説
中国疆 (しんきよう) (シンチヤン) ウイグル自治区南西部にあるオアシス都市
前漢から代まで約1000年間は疏勒 (そろく) と記された。タリム盆地の北西にあり,天山南路の要衝である。代は安西四鎮の1つであり,その後カラ−ハン朝・カラ−キタイ(西)・チャガタイ−ハン国・ジュンガルに属し,1759年以来,国に属し,1882年,彊省の地方都市とされた。

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世界大百科事典内のカシュガルの言及
【住居】より


ウイグル族の住居]
 ウイグル族の住居は地方によって形式・構造とも異なる。カシュガルの住宅は,日常生活の大きな部分を占める中庭を随所に設けた複合型平面で,〈アイワン〉と呼ぶ大広間を中心とする。木造のに小を並べた土葺き陸屋根で,天窓により採光し,室内には壁龕を設け,セッコウの文様彫刻や木造部材にも彫刻を多用する。…

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カシュガル/疏勒

東トルキスタンのタリム盆地に位置するオアシス都市。中国では疏勒という。
 東トルキスタン地方のタリム盆地の西の端にあるオアシス都市で、中国では疏勒(そろく)という。現在はウイグル自治区の一都市。
 かつてはシルクロードの天山南路にあって最も栄えた都市の一つであった。の時代には都護府が置かれ、安西四鎮の一つといわれた。11世紀に立したトルコ系のカラ=ハン朝時代に、この地に生まれたカシュガリーは、セルジューク朝などのトルコ系諸国を遍歴し、1077年に世界最初のアラビア語で書かれた『トルコ語辞典』を完させた。