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第6回  南北朝時代

中国史(第6回 ~南北朝時代)
は長く続かず・・・。
  3国のうち最後まで残ったは、北ヴェトナム地域まで征服しますが、君主選びに失敗し孫晧を帝位に就けてしまいます。「こいつなら扱いやすい陛下になるだろう・・」という思惑があったのでしょうが、なんと彼は、残虐な人物でりの人々を次々殺し、の国力は大きく低下。無論、人々の心はどんどんから離れました。ここでが侵攻して来て、ついには滅亡し、三国志の時代が終焉するのでした。

 しかし、そのも長くは続きません。司馬炎の死後、恵帝が即位しましたが、武帝の皇后楊氏一族と、恵帝の皇后賈氏一族が争います。そして、賈氏一族が汝南王司馬亮と王司馬偉を味方につけ、楊氏一族を滅ぼすのですが、さらに用済みということで汝南王と王を殺害してしまいます。ここで8人の諸王を巻き込んだ内乱が生し、そのうち7人が死亡し、306年に恵帝の弟が帝位に就くまで続きます。これを八王の乱といいます。

 はこれにより国力が大いに低下し、農民は荒廃した華北の地から南へと移住し、またこの乱で利用された匈奴の侵攻を防ぎきれず、316年に滅亡してしまいました。

 その頃、の都であった建業(その当時には建康へと改名)に司馬氏一族の司馬睿がいました。彼は、の滅亡の知らせを聞くと、地の有力者王導と、江南の地へ逃れてきたの貴族とともに、を再建します。これを東、そしてその前の西晋歴史学では区別します。

 この国は、門閥貴族による土地所有で没落した農民の反乱で衰え、そして悲願の洛陽・長安占領で名声を得た将軍・劉裕により420年に乗っ取られて滅亡し、が(420~479年)建国されます。しかし、これも(~502年)、(~557年)、(~589年)と国が移り変わっていくのです。このからまでの王朝を南朝と総称します。また、からまでを六朝時代とよび、この文化を六朝文化ともいいます。

五胡十六国の華北地域と北
 一方華北の地では匈奴鮮卑・羌・の5つの民族が入り乱れ、合計で16もの国が興亡しました。これを、五胡十六国時代と呼びます。いずれの国も、あまり長続きせず混乱が続き、386年にトルコ系の鮮卑族の拓抜珪(道武帝)が北を建国し、439年に、3代太武帝がようやく華北が統一しました。五胡十六国の一覧を下に記します。
 
民族   王朝<都> 存続期間(年)
五胡 匈奴(きょうど) 前趙(ちょう) <平陽→長安> 304~329
    北涼 <張掖→州> 397~439
    (か) <統万城> 407~431
  (けつ) 後趙  <襄国→業> 319~351
  鮮卑(せんぴ) *代   <楽>  315~376
    前燕(えん) <龍城→>  337~370
    後燕   <中山→>    384~407
    *西  <長安> 384~394
    西秦(しん) <城(甘肅)> 385~431
    *北(ぎ) <平城→洛陽> 386~534
    南涼   <廉川> 397~414
    南燕   <広固> 398~410
  (てい) )  <都> 304~347
    前秦   <長安> 351~394
    後涼   <州> 386~403
  羌(きょう) 後秦   <長安> 384~417
  前涼   <姑臧> 313~376
    *冉魏(ぜんぎ) 350~352
    西涼  <敦煌→酒泉> 400~421
    北燕  <龍城> 409~436

代、西、北冉魏十六国にかぞえない。

 さて、北を大きく隆盛させたのが第六代皇帝の択抜宏(孝文帝 位471~499年)です。彼は、首都を平城(山西省大同)から、洛陽に移し、鮮卑語を宮廷で使わないようにし、さらに自分の拓抜という姓をという姓に改め、家臣にも同様にさせるなど、反対はありましたが鮮卑族の化政策を行います。異民族という肩書きをはずして、中国全土の支配をしやすくしようとしたのでしょう。また彼自身、母も祖母も民族で、純粋な鮮卑族でなくなっていたことと、さらに彼は儒教の教養を身に付けていたことも影響していると思われます。

 また、特に大きな業績としては485年に実施された均田制があげられます。これは丁男(15~69歳)に百畝を給付し、死亡時または70歳で国家が回収するという制度です。そして女性にもその半分、奴隷にも一定の給付がありました。ここから租・調という税が課せられます。日本史でもおなじみの言葉です。「班田収授法」がそれにあたります。

 しかし、孝文帝による化政策に対する鮮卑族の反感は非常に強く、彼が死ぬと差別されていた民族の農民も含め、華北で大反乱が起きます。その中で北は、孝静帝擁する高歓による西(535~556年)と、孝武帝擁する宇文泰による東(534~550年)に分裂し、さらにそれぞれ宇文泰・高歓の息子にのっとられて北(556~581年)・北(550~577年)へと変わります。

 ところで、西では「府兵制」が導入されます。府兵は「軍府に配属された兵」のことで、税と力役負担は免除されますが、武器・馬・衣服は自分持ちです。この制度はで確立します。

 で、また話は変わって、前述のようにと変遷し、いずれも中国全土を統一できずに終わっています。そんな中でようやく中国を統一したのが、の楊堅(文帝 位581~604年)という男です。この男は北の皇室の外戚で、皇帝の座を奪います。また、彼は民族でしたが、生活様式は北方民族的で、さらに奥さんは鮮卑族でした。それもあって、鮮卑族の協力も得られやすかったのでしょう。その後彼は、北、そして589年に南朝のを滅ぼし、中国を統一したのでした。

第7回  華開く南北朝文化
第5回  群雄割拠・三国志時代