ほぼ使い捨てっていう形になっている

ほぼ使い捨てっていう形になっている」“リサイクル難しい”電気自動車バッテリー「ほぼそのままリユース」する新しい発電システムとは?

7/8(土) 11:02配信

tbc東北放送

特集はシリーズSDGs「つなごう未来へ」。まずはこちらをご覧ください。これは全国で登録されているハイブリッドカーと電気自動車の台数を表したグラフです。2012年から2022年までの10年間でハイブリッドカーはおよそ5倍に、電気自動車はおよそ10倍に台数を増やしています。

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この車に使われているのがリチウムイオンバッテリーで、使用量は増加していますがその材料や仕組みからリサイクルが難しいという課題があります。そんな使用済みのバッテリーを使って新たな発電システムを開発し再利用を目指す研究が仙台市内の大学で行われています。大友記者の報告です。

■希少な金属使用「リチウムイオンバッテリー」再利用難しいわけは・・

「これがリチウムイオンバッテリーになります」
仙台市内の自動車解体工場でハイブリッドカーから回収されたリチウムイオンバッテリーです。重量が大きく外装も頑丈です。また、劣化が激しいものは発火する恐れがあり解体するのも難しいためメーカーに返却するしかなく、一般の業者はなかなか取り扱えないといいます。

県中古自動車解体再生部品卸協同組合 平地健理事長:
「自動車メーカーや業界団体でいろいろな勉強はしているんですけど(リチウムイオンバッテリーを)活用するというか取り組むことが非常に少ない、経験がまだ足りないっていう感じ」

環境問題への配慮から急速に市場を拡大しているハイブリッドカーや電気自動車。搭載されるリチウムイオンバッテリーにはリチウムやコバルトなど希少な金属=レアメタルが使われています。

東北工業大学の下位法弘教授によりますとこれらを元の金属素材として低いコストで効率的に取り出し再資源化することが望まれていますが、現状では、技術が確立されておらずほとんどが焼却処分になるといいます。

東北工業大学 下位法弘教授:
「材料も希少な金属を使っているが、それを取り出す技術も研究されている段階で実際に確立もされていないので、バッテリーってほぼ使い捨てっていう形になっていてなんとか元の材料の形に戻さなくてもせっかく電池という形になっているから上手く使いまわせないかなというところは常々考えていた」

■バッテリーを”ほぼそのままリユース”新発電システムその仕組みは

そこで下位教授は4年ほどかけて分解してレアメタルを取り出すのではなくバッテリーをほぼそのままリユースできる新たな発電システムを開発しました。

東北工業大学 下位法弘教授:
「バッテリーにためられた電気はこのラインの蛍光灯と街頭を全部点灯させるように配線されている」

それがこの太陽光発電システムです。本来、新品の蓄電池が使われる部分に車で使われていたリチウムイオンバッテリーを取り付けています。この部分にはバッテリーの温度を制御する機能が取り付けられていてバッテリーが発火する恐れを防ぎ安全性が保たれているといいます。

また、バッテリーそのものだけでなく周りの部品や配線もそのまま活用できるようになっていてより再利用の幅が広がりコストを削減できるといいます。

東北工業大学 下位法弘教授:
「コストを極力下げたいと考えたときに、車から取り出したバッテリーを極力いじらないでそのままシステムとして使いたいというのがあった」

■バッテリー再利用した蛍光灯 ”エネルギーの地産地消”に期待

大学内に設置されているものは1日のうち4時間だけ試験点灯していて、1時間の充電で30時間ほど点灯し続けることができるといいます。出力の大きさにまだ課題はありますが、今後は住宅や工場などの発電システムに応用していきたいと下位教授は話します。

東北工業大学 下位法弘教授:
「大きな建物とか工場とかにエネルギーの再生システムっていうのが入っていない。エネルギーを活用する制御システムをうまく立ち上げられれば工場のような大出力なところでも(エネルギーを)地産地消できるんじゃないかなと考えている」

環境に優しい持続可能な社会の実現のために。システムの普及に向けたさらなる研究が続けられています。

東北放送

  • EVって、SDGs(持続可能な開発目標)とは、ほど遠いようだ。 -- 6581 2023-07-13 (木) 16:48:46

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