処理水の問題化狙うも不発?

中国、処理水の問題化狙うも不発?ASEAN関連会合で賛同広がらず

7/11(火) 22:06配信
朝日新聞デジタル

ジャカルタで11日に開幕したASEAN外相会議で記念撮影する各国の外相ら=ロイター

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を巡り、中国側がインドネシアのジャカルタで11日に開幕した東南アジア諸国連合(ASEAN)外相の関連会合で問題化するよう、求めていることが分かった。中国は会議で採択される文書に盛り込み、日本の海洋放出に反対する国際世論づくりを働きかける構えだが、議題になる見込みは薄いとみられている。

【写真】ASEAN外相会議の冒頭であいさつするインドネシアのルトノ外相=インドネシア外務省提供

 複数のASEAN外交筋が明らかにした。日本が今夏にも実施する処理水の海洋放出に、中国は「日本は他の方法を十分に検討していない」などとして強く反発している。今回の会議でも問題化し、ASEAN外相会議や、日本や中国も参加するASEAN地域フォーラム(ARF)などの場で議題とするよう求めているという。

 ただ、ASEAN側でこの問題への関心は高くなく、応じる可能性は今のところ低い。会議関係者の一人は朝日新聞の取材に「議論を求めているのは中国だけで、一連の会議で議題にすることはない」と話した。共同声明や議長声明にこの問題を盛り込む考えについても否定した。

 この会議関係者によると、中国は単独でも処理水放出の問題について何らかの発表をする可能性があるという。この場合、日本側による反論も予想される。(ジャカルタ=斎藤徳彦、半田尚子)


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