処理水問題、ASEANは慎重な姿勢

処理水問題、ASEANは慎重な姿勢 中国の主張を声明に盛り込まず

ジャカルタ=半田尚子 西村宏治 斎藤徳彦2023年7月14日 21時00分

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インドネシアの首都ジャカルタで開かれたASEAN関連会議に出席し、ジョコ大統領(右)と握手する中国共産党の王毅政治局員=2023年7月14日、インドネシア外務省提供

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 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、インドネシアの首都ジャカルタで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連会議でも、中国が処理水問題を持ち出す場面がたびたびあった。だが、ASEAN加盟国は慎重な姿勢を保ち、外相会議の成果文書である共同声明に盛り込むことは見送った。

 「日本の『核汚染水』の海洋放出は海洋環境と人類の生命・健康に関わる。これは大きな問題だ」

 13日、ASEAN外相と日中韓による会議に臨んだ中国共産党外交部門トップの王毅(ワンイー)・政治局員はそう発言した。中国政府が国内で強めている日本の海洋放出批判を、国際会議の場でも取り上げることを試みた。

 この試みは、中国にとって今回の会議の主眼の一つだった模様だ。複数の外交筋によると、中国側は11~14日に開催された、ASEAN外相会議や日中も参加するASEAN地域フォーラム(ARF)などがとりまとめる文書などにも、処理水に関わる文言を盛り込もうと働きかけていた。


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