高句麗

高句麗【こうくり】
古代満州(中国東北)東部〜朝鮮北部に建国した満州系の王朝。別名に高麗,貉,狛などがあり,〈こうらい〉〈こま〉とも呼ぶ。紀元前後,満州東部に興り,朝鮮北部に発展。3世紀初め鴨緑江中流域に拠を移し,輯安(集安)を都とする。魏の遠征を受けたが,313年楽浪郡を滅ぼして朝鮮北部を領有。広開土王の時代に急速に領土を拡大し,長寿王のとき,427年都を平壌に移す。かくて最盛期を迎え,半島は三国時代となるが,朝鮮南部の百済(くだら)や新羅(しらぎ)を圧した。7世紀初め隋の遠征を撃退,次いで唐の遠征にも抵抗したが,668年唐と新羅の連合軍に滅ぼされた。その遺民は渤海(ぼっかい)をつくる。唐に滅ぼされるまでの建築,古墳などの遺跡は平安南・北道,黄海道に多く,特に古墳は天井の構成と石室内部の壁画(壁画古墳)に特色がある。2004年,北朝鮮中国東北地方に分布する高句麗遺跡群はそれぞれ世界文化遺産に登録された。