個人事業主が納める税金の種類 †1.個人事業主が払う税金の種類 †消費税以外で、個人事業者として支払わなければならない主な税金は、 国税 … 個人事業開廃業等届出書、青色申告承認申請書 を提出 地方税 … 個人事業開始申告書 を提出 2.所得税 †課税所得金額に、収入に応じた下表税率をかけたものが、所得税として納める金額になります。課税所得金額は、「課税所得金額=収入-必要経費-各種控除」 の式で計算できます。各種控除には、「基礎控除38万円」、「生命保険料控除」、「医療費控除」などがあります。個々のケースによって該当する控除項目もまちまちなので、詳細は税務署などにお問い合わせください。なお、青色申告者は、前ページ 所得税の青色申告申請書について で述べた「青色申告特別控除 65万円」も更に別途控除することができます。 所得税速算表(平成19/1~) 課税所得金額 195万円以下 195万円超~330万円以下 330万円超~695万円以下 695万円超~900万円以下 900万円超~1,800万円以下 1,800万円超 例: (500万円-120万円-68万円-65万円)= 課税所得金額 2,470,000円×所得税率10%-課税控除額97,500円= (参考リンク:国税庁(タックスアンサー) - 所得税の税率 3.個人事業税 †■個人事業税を納める対象者 (対象となる所得金額 及び 対象業種) 個人事業税を納める対象者は、各都道府県内に事務所又は事業所を設け、課税対象の事業(ほとんどの業種)を行っている個人で、事業所得又は不動産所得の 金額が事業主控除額(年290万円)を超える場合は翌年の3月15日までに、個人事業税の申告書を、事務所又は事業所所在の県税事務所に提出しなければな りません(つまり、納税義務が発生します)。 ■個人事業税の納税額、税率 個人事業税の税額は、「青色申告特別控除」を控除する前の課税所得金額から、事業主控除290万円を差し引いたものに、税率5%を掛けた金額です。青色申告特別控除はこの個人事業税には適用されません。 5%(第1種、第3種)、4%(第2種)、3%(第3種のうち、はり、きゅう等、特定の事業)となっています。詳細は、東京都主税局のページなどを参考にしてみてください。計算方法は以下の通りです。 例: (500万円-120万円-68万円-事業主控除290万円)×5%=税金 11,000円 課税所得金額247万円から起算して計算する場合は、 {(課税所得金額247万円+青色控除65万円)-事業主控除290万円}×5%= ■事業主控除の金額 個人事業者は、「事業主控除」として一律290万円控除されます。つまり、冒頭にも書きましたが、年間の事業所得が290万円以下の場合は、個人事業税を納付しないで済みます。 ■納税時期について 県税事務所から送付される納税通知書によって、8月、11月の2回に分けて納めます。 4.住民税 (市県民税) †■住民税の概要 住民税は、市県民税などとも呼ばれます。都道府県民税と市区町村民税の合計額を、各市区町村に納付します。 (1) 均等割 (2) 所得割 ■住民税の計算例 年間収入500万円、必要経費50万円、各種控除73万円(基礎控除33万円、配偶者控除33万円、その他控除7万円)の場合 (1) 均等割 (2) 所得割 よって、均等割3,000円+所得割376,200円=379,200円 ■付記 なお、国に納める「所得税」と、地方自治体に納める「住民税(所得割)」とでは、各種控除額の金額や控除対象が多少異なっています(例:基礎控除金額 … 所得税=38万円、住民税=33万円 など)。このため、課税所得金額が所得税とは多少異なる金額になってきますので、ご注意ください。 上記計算例(均等割)の「年間収入500万円、必要経費50万円」は、個人事業主の「事業所得」を想定して記載しています。ちなみに、サラリーマンの給 与の場合は、年間の給与収入を基に「給与所得金額」という値を算出し(年間給与収入の60%~80%程度の額)、その所得金額から各種控除を差し引いたも のに計10%(6%+4%)の税率を乗じて計算されます。 平成19年度~21年度にかけて、自治体によっては「水と緑の森づくり税(均等割)」として500円をプラスして課税されるケースもあります。また、その他の課税控除や調整額など、自治体によって多少の税額(税率)の差異があります。 5.「消費税課税事業者選択届出書」の提出は原則不要 †個人事業者の場合、課税売上1,000万円以下なら、消費税の申告は免除されます(税込のまま会計処理を行うことが出来ます)。売上が1,000万円以 上になったら、翌々年度から納税義務者となります(消費税課税事業者選択届出書。税務署へ提出)。 初年度の確定申告時点で売上が1,000万円を超えたなら、個人事業者に消費税が課税される可能性があるのは、事業開始後3期目からとなります(3期目より「消費税の申告」が必要になります)。つまり、開業時点では 年収1,000万円を超えそうだろうが超えなさそうだろうが、消費税関係の届出は原則的に不要です。 ただし、設立初年度に機械や店舗設備など多額の設備投資を行う予定の場合には、消費税課税事業者選択届出書を提出して消費税の課税事業者となっておけ ば、消費税の還付を受けることができる可能性があります。なお、一旦消費税課税事業者選択届出書を提出したら、2期目も消費税の課税事業者になりますの で、ご注意を。 |