【収益用不動産と減価償却について】 2003.7 新聞・雑誌の投資用マンションの広告を見ると、減価償却の旨味を感じるような記述がなされています。 ■ 収入と経費の関係 投資用不動産や、収益用物件を所有すると賃貸収入を得るようになり、所得区分で言うと『不動産所得』が税金の対象になってきます。 不動産収入を得るための経費 ① 固定資産税 ② 不動産業者に対する仲介手数料(物件購入時・入居者斡旋時) ③ 不動産取得税 ④ 登録免許税 ⑤ 減価償却費 ⑥借入金利子 ⑦修繕費 ⑧ 損害保険料 etc 上記の経費項目の内、②(物件購入時)と、③と④は初年度に必要な経費項目ですから実質的な負担も多くて赤字になるか、黒字であっても次年度よりも所得は低くなります。 ■ 新築物件と中古物件ではルールが違います! 実際の出費のない「減価償却費」ですが、取得した資産をその耐用年数に応じて費用として計上していくには一定のルールがあります。 それは【耐用年数の調整】であります。 中古物件の耐用年数の計算 法定耐用年数経過した物件の場合 ⇒ 法定耐用年数×0.2(但し、最低2年) 法定耐用年数経過前の物件の場合 ⇒ 法定耐用年数-経過年数×0.8 ■例えば、耐用年数47年の建物を築10年後に買った場合、上記の式で計算すると 47年―10年×0.8=39年…この建物の耐用年数となります! 主な耐用年数 <建物> SRC造・RC造 事務所用のもの 50年 金属造(いわゆる鉄骨造) 事務所用のもの(肉厚4㎜超) 38年 <建物付属設備> 給排水・ガス・衛生設備 15年
この計算によると、中古物件の減価償却の旨味は新築ほどではないけれども、それなりに享受できるようになっています。 ■ 定額法と定率法 平成10年4月1日以降に購入した建物は【定額法】で減価償却することになりました。 【定額法】は毎年同じ額だけ償却していくのですが,【定率法】は残存価格(注1)に対して毎年同じ率を掛けて償却していくので、届出すれば建物付属設備の分だけでも早めに経費計上できます。 注1) 残存価格 耐用年数経過後も残る資産価値を帳簿上に残すもので、取得価格の10%。 |