財務

財務経理の仕事の違い

お金を扱う部門ということで、混同されてしまいがちな財務経理の仕事。管理系の仕事としてスペシャリストの資格もある分野ですが、財務の仕事とは一体どのようなものなのか、詳しくみていきましょう。

財務の仕事その1 資金調達

一定規模以上の会社の場合、企業活動の基礎となる資金が必要な時に必要なだけある、または準備できる状況を整えておくことが事業継続のためには重要です。

財務担当者は経理部門の正確な財務データのもと、自社の現資金の他に、金融機関から受ける融資、資本市場から調達する社債、あるいは株券発行による資本増資などの手段を考えていく業務です。財務部は企業の信用力を担保として、企業運営に必要な資金がいかなる時も不足することがないように、各種資金提供元からの資金調達が円滑に実施できるように経理資料を整備することが業務であるといえます。

一方、各資金提供元への営業業務、取引継続のための透明性のある経理と経営状況の維持なども業務の一部です。

財務の仕事その2 財務戦略を立案し実行する

資金調達力の基礎は、企業の信用と将来性によって左右されます。財務部は経理部門が担当するすでに動いたお金の管理(決算書の作成)の先にある、これから動かすお金を管理することが業務です。

財務部は財務戦略の立案と実行によって、経営を健全で収益性の高い企業に成長させていくよう経営者側に提言できるように機能しなければなりません。利益率が低く資金繰りを悪化させるような回収条件の悪い取引を続けていると財務はしだいに弱体化してしまいます。

事業部門ごとの粗利益や、商品ごとの粗利益など、経営判断ができるような経理部からの数字を経営者に報告書として提出することも業務の1つです。財務的な視点から経営計画をたてられることは、営業とは違う側面から会社を成長させる業務といえるでしょう。

財務の仕事その3 資金の管理

財務部は企業内の資金が上手く回っているかを管理会計によって確認し、もし不足する事態が予測されれば外部からの資金調達など事前に準備できるように管理しておかなければなりません。経理的に資金ショートを起こせば会社の信用問題になってしまいます。

経理部から出される近い将来の資金繰り予測、売掛金の回収一覧、買掛・未払いなどの支払一覧、融資を受けているリストを金利、元本、利息別の返済明細で作成し、経営者や債権者から提出を求められたら提出できる準備を日ごろから整えます。借りる場合の条件が有利に運ぶためには、経理財務担当の作成する書類の質によっても左右されがちだからです。

まとめ

経理部門が「日々の経費の精算や帳簿の記帳などをする」「事業活動を数字に表していく処理をする」仕事がメインですが、財務部は「経理部門が作成した財務情報を基礎として企業の今後の経営戦略を財務の視点から考える」部署となります。経理部より財務部の方がより専門性が高い業務といえるでしょう。

また、回収と支払いのサイト管理や資金繰りの管理を通して、企業運営を円滑に進められるように、資金が足りないときは外部から調達してくる役割を担っているのです。