賞与に対する源泉徴収

!賞与に対する源泉徴収

 
 そろそろ多くの企業では賞与の支給時期がやってまいります。もう皆さんご
存知だと思いますが、あらためて賞与の源泉徴収について確認しておきましょ
う。

 
 賞与の源泉所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算しま
す。これは、給与所得の源泉徴収税額表のように給与支給額に対する源泉徴収
額が記載されているわけではなく、賞与支給額に対する源泉徴収税額を計算す
るための率を求める表になっています。ただし、甲欄と乙欄の区分は給与の源
泉徴収税額と同じです。

 
 では、賞与に対する源泉徴収額の計算の仕方です。
(1)前月の給与から社会保険料等を差し引きます。
(2)上記(1)の金額および扶養親族等の人数を「賞与に対する源泉徴収
   額の算出率の表」に当てはめて税率(賞与の金額に乗ずべき率)を求め
   ます。   
(3)(賞与から社会保険料等を差し引いた金額)×上記(2)の税率

 この金額が、賞与から源泉徴収する税額になります。

 次に、この「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使えない場合です。
まれに、前月中に給与支給の無い場合があります。そのときは、給与所得の源
泉徴収税額表(月額表)を使用し、先ほどと同じく扶養控除等申告書の提出の
有無により甲欄・乙欄の区分をして計算します。
(1)(賞与から社会保険料等を差し引いた金額)×6分の1
(2)(1)の金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。
(3)(2)×6 

この金額が賞与から源泉徴収する税額になります。
ただし、賞与の計算期間が半年を超える場合には、賞与から社会保険料等を差
し引いた金額を12分の1にして、同じ方法で計算します。そして、求めた金
額を12倍したものが源泉徴収する税額になります。

 もうひとつ、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」が使えない場合が
あります。それは、前月の給与の金額(社会保険料等を差し引いた金額)の10
倍を超える賞与(社会保険料等を差し引いた金額)を支払う場合です。その際の
計算方法です。
(1)(賞与から社会保険料等を差し引いた金額)×6分の1
(2)(1)+(前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額)
(3)(2)の金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。
(4)(3)-(前月の給与に対する源泉徴収税額)
(5)(4)×6
この金額が賞与から源泉徴収する税額になります。
ただし、先ほどと同様に、賞与の計算期間が半年を超える場合には、賞与から
社会保険料等を差し引いた金額を12分の1にして、同じ方法で計算します。
そして、求めた金額を12倍したものが源泉徴収する税額になります。

 もうご存知の方も多いとは存じますが、あらためて確認し、賞与の源泉徴収
業務に当たってみてください。