神武天皇

神武天皇

じんむてんのう
 -711.1.1~-585.3.11
別:野尊(さぬ)、神日本磐余彦天皇(かむやまといわれひこ)、彦火火出見(ひこほほでみ)神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)、若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)、豊毛沼命(とよけぬのみこと)、神日本磐余彦火火出見尊(かむやまといわれびこほほでみのみこと)、神日本磐余彦尊
父:鵜葺草葺不合神(命)(うがやふきあえず)の第四皇子
母:海神の女(むすめ)玉依姫命
室:媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめ)(父:三輪大物主神(磯城県主?))
子:手研耳尊、神八井命(かむやいのみこと)、神渟名川耳尊(かむぬなかわみみのすめら)(綏靖天皇

神格:軍神神社:橿原神宮、宮崎神宮、狭野神社
皇居・畝傍橿原宮(うねびかしはらのみや) 奈良県橿原市
陵墓・陵名: 畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)
古墳: ミサンザイ古墳
形状: 円丘

鵜葺草葺不合神玉依姫神の第四子。
記紀所伝の初代天皇で建国の祖。
神武という名は8世紀後半の命名による漢風諡号(しごう)
記紀には
(1)若御毛沼命(わかみけぬ)・・・・・・・・・・・・・・穀霊的性格を示す幼名
(2)神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこ)・・・・・・神聖な大和の国のいわれ(由緒)を負うている男
(3)始馭天下之天皇(はつくにしらししすめらみこと)・・・初めて天下を治定した天皇の意
ほか多くの名が記されている。

高天原(たかまがはら)より天津神(あまつかみ)の子として九州の日向(ひゅうが)高千穂の峰に降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の曾孫とされる。
45歳のとき、船軍を率いて日向国を出発し、瀬戸内海を東へ進み、難波(なにわ)に上陸して大和(やまと)に向かおうとしたが、土地の豪族長髄彦(ながすねひこ)の軍に妨げられ、方向を変え紀伊半島を迂回(うかい)して熊野から吉野を経て大和攻めに入り、土豪たちを征服し、ついに長髄彦を倒して、日向出発以来、6年目(『古事記』では16年以上かかる)で大和平定に成功。
前660年大和畝傍橿原宮を営んで辛酉(かのととり)の年元旦に初代の天皇の位に即位し、始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)と讃(たた)えられた。
そして媛蹈五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)(『記』では比売多多良伊須気余理比売(ひめたたらいすけよりひめ))を皇后とし、神武天皇76年3月11日崩御。在位76年、127歳(『記』では137歳)。
奈良県橿原市の畝傍山東北陵に葬られたという。

神さまとしての神武天皇
神武天皇というのは軍神、英雄神といった一側面は一般によく知られているところだが、そもそも曾祖父である邇邇芸命は、高天原から地上に降った稲穂の神(穀物の精霊)である。神武天皇は、「神代」に生まれ「人代」の世界に足を踏み入れた存在という境目に位置するなかなかに特異な神さまである。神武天皇の別名の「穂穂手見」は、稲穂から連想された名前で、さらには「穂穂手見」の名称は、稲の豊穣を祈る古代の農耕祭儀と関係する呪術的な意味合いを持つ。別名の若御毛沼命の「ミケヌ」は「御饌」のことで、神の食物=穀物を意味しており、この神の原初的な性格は稲作儀礼に深く関わる
父神の鵜葺草葺不合神の母は豊玉姫命であり、神武天皇の母は玉依姫命である。この二神の女神は姉妹で、海神の娘であるから、神武天皇には血筋として海の神としての性格も備わっているということができる。
 以上のように、軍神として、長寿や開運といった霊力が注目されている。しかし、その本源的な性格は、農業の神あるいは海の神として、豊穣を約束し生活を守護する機能を持つ神といえよう。 

神武天皇架空説
神武天皇については、古事記にも日本書紀にも詳しい記述があるのだが、第2代・綏靖(すいぜい)天皇から第9代・開化天皇までの記述は非常に簡単である。そして、第10代崇神(すじん)天皇になると、とたんに詳細になる。そのことから第2代から第9代までの天皇は実在しなかったのではないかといわれることがある。
そういう説を取ると、神武天皇の実在性にも疑問が出てくる。ただ、記紀の記述から全くの作り話とも思えない。そこで、神武天皇は始馭天下之天皇という称号が崇神(すじん)天皇と共通するので、崇神天皇こそ第1代天皇で、神武天皇はその投影であるとする説もある。
第15代・応神天皇の分身ではないかと。
考古学的にみれば原始社会の段階における大和の一土豪として喧伝されてきた話を、こんな形で描いたものであろうといわれ、その東征説話も大和朝廷の発展期における皇室の淵源を悠遠のかなたにおき、九州と大和との連係の必然性をうたおうとしたものであろうといわれる。

略歴

-711庚午- 01月01日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、生誕
-697神日本磐余彦尊(神武天皇) 、立太子
-667神日本磐余彦尊(神武天皇) 、筑紫の国の岡水門に到着
-667神日本磐余彦尊(神武天皇) 、安芸国に着き埃宮(えのみや)を訪問
-66710月05日神日本磐余彦尊、諸皇子、舟軍を率いて日向の国を出発し大和国をめざし東征開始
-667甲寅-11月09日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、筑紫の国の岡水門に到着
-667甲寅-12月27日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、安芸国に着き埃宮(えのみや)を訪問
-667甲寅-10月05日 諸皇子、舟軍を率いて日向の国を出発し大和国をめざし東征開始
-667甲寅-11月09日 筑紫の国の岡水門に到着
-667甲寅-12月27日 安芸国に着き埃宮(えのみや)を訪問
-66603月06日神日本磐余彦尊は吉備国に到着。高島宮をつくり移動し、そこで船軍を整える
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) の軍が吉備の国を出発し東征再開
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) 、難波に到着し川を遡り河内国草香の青雲の白肩津に到着
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) 、兵を整え徒歩で竜田に向かい長髄彦(ながすねひこ)と戦い撤退
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) 、軍は茅渟の山城水門(やまきのみなと)に到着
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) 、軍は名草村(なくさむら)に到着
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) 、宇陀の地で兄猾(えうかし)の謀略を破る
-663神日本磐余彦尊(神武天皇) 、宇陀の高倉山に登る
-663神日本磐余彦尊、金色に光り輝く鵄(とび)が弓の先にとまり、長髄彦(ながすねひこ)を討つ
-663戊午-02月11日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、吉備の国を出発し再び東征を開始
-66303月10日 神日本磐余彦尊、難波に到着し川を遡り河内国草香の青雲の白肩津に到着
-66304月09日神日本磐余彦尊 、兵を整え徒歩で竜田に向かい長髄彦(ながすねひこ)と戦い撤退
-66305月08日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、軍は茅渟の山城水門(やまきのみなと)に到着
-66306月23日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、軍は名草村(なくさむら)に到着
-663戊午-08月02日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、宇陀の地で兄猾(えうかし)の謀略を破る
-663戊午-09月05日 神日本磐余彦尊、宇陀の高倉山に登る
-66312月04日 神日本磐余彦尊 、金色に光り輝く鵄(とび)が弓の先にとまり、長髄彦を討つ
-663-戊午-02月11日 吉備の国を出発し再び東征を開始
-663-戊午-03月10日 難波に到着し川を遡り河内国草香の青雲の白肩津に到着
-663-戊午-04月09日 兵を整え徒歩で竜田に向かい長髄彦(ながすねひこ)と戦い撤退
-663-戊午-05月08日 軍は茅渟の山城水門(やまきのみなと)に到着
-663-戊午-06月23日 軍は名草村(なくさむら)に到着
-663-戊午-08月02日 宇陀の地で兄猾(えうかし)の謀略を破る
-663-戊午-09月05日 宇陀の高倉山に登る
-66312月04日 金色に光り輝く鵄(とび)が弓の先にとまり、長髄彦(ながすねひこ)を討つ
-662己未-03月07日 神日本磐余彦尊(神武天皇) 、橿原宮造営の開始
-66101.01 第1代 神武天皇橿原宮で(神武天皇元(前660)正.1~神武天皇76(前585)3.11)
-66109月24日神武天皇事代主神の娘媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめ)を正妃とする
-619壬寅-神武42年01月03日 神武天皇(神日本磐余彦尊) 、神渟名川耳尊を皇太子とする
-585丙子-神武76年3月11日 神武天皇(神日本磐余彦尊) 、崩御127歳
-584神武天皇を畝傍山の東北の陵に葬った
-584丁丑-9月12日 神武天皇(神日本磐余彦尊) 、畝傍山の東北の陵に葬られる.

神武天皇(神日本磐余彦尊)

  生没年:BC711-BC585
  父:彦波瀲武盧茲草葺不合尊
    BC697-BC660 皇太子
    BC660-BC585 神武天皇
  皇后:媛蹈鞴五十鈴媛命(父:三輪大物主神(磯城県主?))
    神八井耳命(阿蘇氏へ)
    BC632-BC549 神渟名川耳尊綏靖天皇
  妃:吾平津媛
    手研耳命
    岐須美々命
    研耳命
  妃:茨田連
    彦八井耳命


彦波瀲武盧茲草葺不合尊━┳━彦五瀬命(五瀬命)
            ┣━稲飯命(稲氷命、彦稲氷命)
            ┣━三毛入野命(御毛沼命)
            ┗━神武天皇━┳━神八井耳命(阿蘇氏へ)
                   ┣━神渟名川耳尊綏靖天皇
                   ┣━手研耳命
                   ┣━岐須美々命
                   ┣━研耳命
                   ┗━彦八井耳命