法人税率の改正、復興特別法人税について教えてください。 †平成23年12月に公布された改正税法では、法人税率の引き下げが規定されていると聞きました。また、同時に復興増税法が公布され、復興特別法人税が課されることとなったと聞きました。具体的に、いつから、どのように法人税率が変更されるのでしょうか。 1.法人税率の引き下げについて 平成23年度税制改正に関する法律「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」(平成23年法律第114号)が、平成23年12月2日に公布・施行され、下表のとおりに法人税率が改正されました。 表1:改正された法人税率について(平成24年4月1日以後に開始する事業年度より適用)<br> (出典:平成23年度税制改正大綱 P.79) (出典:平成23年度税制改正大綱 P.79) 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から、改正後の税率が適用されます。 なお、上表において、中小法人については、年800万円以下の所得に係る税率が二段書きとなっていますが、現行も、改正後も、租税特別措置法により下段のカッコ書きの税率(以下、「中小法人の軽減税率」といいます。)が適用されます。 2.復興特別法人税の創設について 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(平成23年法律第117号)が、前記1.と同日公布・施行され、復興特別法人税が創設されました。 復興特別法人税の課税標準は、各事業年度の所得に対する法人税の額、すなわち、通常の法人税額です。通常の法人税額の10%が復興特別法人税の額となります。また、復興特別法人税は期間限定で課されます。 具体的には、指定期間(平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間※)内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度を課税事業年度として、復興特別法人税が課されます。 分かりやすく言えば、3月決算法人の場合、平成25年3月期から3事業年度ということですが、途中で決算期を変更した場合等には、4事業年度以上になる場合もあります。 なお、決算期変更等により課税事業年度の月数が36カ月以上になった場合には、最後の課税事業年度の課税標準を月割りし、36カ月分の通常の法人税額に対して復興特別法人税の額が計算されるように調整することになっています。 ※平成25年10月現在では、指定期間の1年短縮が検討されています。 3.今後の法人税率はどうなるのか 前記1.より、平成24年4月1日開始事業年度以降、法人税率は引き下げられます。 一方で、前記2.より、平成24年4月1日開始事業年度以降、原則3事業年度については、復興特別法人税が課されます。 3月決算法人を例にとると、通常の法人税率と復興特別法人税率を合わせた税率は、下表のとおりとなります。 表2:通常の法人税率と復興特別法人税率を合わせた税率<br>※改正法による中小法人の軽減税率は、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度について適用されることとなっている。<br>本表は、復興特別法人税の上乗せ効果を確認するため、平成27年4月1日以後開始事業年度についても改正後の税率が適用されるものとして作成した。 本表は、復興特別法人税の上乗せ効果を確認するため、平成27年4月1日以後開始事業年度についても改正後の税率が適用されるものとして作成した。 復興特別法人税が創設されたものの、平成25年3月期以降は減税となります。 地方税まで含めて考えた場合、次のとおりとなります。 まず、法人事業税(地方法人特別税を含みます)は、所得を課税標準とするため復興特別法人税の影響はなく、また、今改正で税率変更もされませんでしたので、現行どおりとなります。 次に、法人住民税です。法人住民税も税率の改正はありませんでしたが、法人税額を課税標準として課されるため、法人税率を引き下げる今改正に連動して減税となります。 なお、法人住民税の課税標準となる法人税額には復興特別法人税を含みません。したがって、平成25年3月期より、前記1.の表の改正後の税率により計算された法人税額を課税標準として、法人住民税が課されることとなります。 関連情報<経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案要綱 法人税法の一部改正>(財務省) |