中国、日本の世論を見誤ったか 典型的な「わな」に 専門家の見方

有料記事福島第一原発の処理水問題
聞き手・瀋陽=金順姫2023年9月6日 17時00分

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小嶋華津子・慶応大学教授=金順姫撮影

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 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を受けて、中国政府は8月24日に日本産の水産物の輸入を全面的に停止しました。その後、中国からとみられる嫌がらせ電話が日本に相次ぎ、中国にある日本人学校に石や卵が投げ込まれる事件も起きました。

 日中関係の現状をどう見るのか。現代中国政治が専門の小嶋華津子・慶応大学教授に話を聞きました。

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 ――中国の対応の背景にどんな事情があるのでしょうか。

 日本政府が2021年4月に処理水の放出計画を発表して以降、中国政府は処理水を「核汚染水」と呼んで放出に反対してきました。中国社会で近年、食の安全や環境問題への関心が高まっていることを背景に、日本で想像されている以上に中国では大きな問題になっていきました。まず、そのことを認識したほうがいい。

 中国政府は強い姿勢で対応しないわけにはいかなかったと言えます。その一方で、処理水が危険だという世論を喚起してきたことで、外交の選択肢が狭められるという、これまでにもたびたび見られた典型的なわなに陥りました。
「中国は、日本を揺さぶれると思った」

 ――中国側にはどんな意図があると見ていますか。

 中国は日本産水産物の全面禁…

(出典等)

2024-04-09 (火) 10:19:02
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Last-modified: 2024-04-09 (火) 10:19:02