Z世代とは?年齢や特徴、X・Y世代、ゆとり世代、ミレ二アル世代などの違いと併せて解説

2022.11.29

2022.10.28

1990年代後半から2012年頃に生まれた「Z世代」は、今後の消費者として注目されている。生まれたころからインターネットがある世界に育ち、10代・20代の時期をSNSを使いながら過ごすZ世代にはどのような特徴があるのだろうか。

本記事では、Z世代の特徴やなぜ「Z」世代なのか、その他の世代との違いや、Z世代の消費行動について解説していく。

目次 [表示]

Z世代とは?年齢や特徴、由来とは?
Z世代は何歳から何歳?
Z世代とは、1990年代後半から2012年頃に生まれた世代のこと。2022年現在から見ると、14歳から27歳ぐらいの世代である。「Z世代」と言われるように、他の世代もアルファベットを使用して分類される。Z世代以前を見ていくと、次のような区分だ。

X世代 1960年~1979年頃

Y世代 1980年~1995年頃

Z世代 1996年~2012年頃

α世代 2013年~2022年頃

Z世代のさらにその先もあり、2013年〜2022年に生まれた0歳から13歳ぐらいの世代を「α(アルファ)世代」と呼んでいる。

Z世代の特徴とは
インターネットが普及したのは1995年から2000年頃のこと。Z世代は1996年以降に生まれた世代のため物心がついたころからインターネットの存在が当たり前だ。

テレビや雑誌よりも、インターネットやSNSで情報を収集し、モノを買う。インターネットの利用時間も長く、総務省「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると休日のインターネット利用時間は10代で253.8分、20代で303.1分。60代ではテレビの視聴時間が300分を超えているのに対し、10代は73.9分、20代で90.8分と短い。

また、「SDGs」が求められる現代であるため、環境問題や社会行動にも関心がある世代と言われている。

モノやサービスを消費していくのにも、そこでどんな体験ができるのかや、どんな社会的意味があるのかといった背景に価値を見出す。多様な価値観を容認すると同時に、個人個人の価値観を大切にする世代だ。

Z世代はなぜ「Z」か?
なぜ「X世代」、「Y世代」、「Z世代」とアルファベットの「X・Y・Z」で区分されているのだろうか。

世代をX、Y、Zと分けることは、1950年代に写真家、ロバート・キャパのフォトエッセイ「Generation X」というタイトルを付けたことが始まりだと言われている。

このフォトエッセイは、第二次世界大戦後に成長した若者がテーマであり、こういった背景から1960年〜1979年頃に生まれた世代が「X世代」と呼ばれるようになった。「X」には未知といった意味を含むことがあり、当時、若者たちが未知な存在であったことを表している。

Y世代、Z世代はこの「X世代」からアルファベットを順に追っている背景があるということだ。

Z世代とその他の世代との違い

世代ごとの違い
X世代、Y世代、Z世代は主に欧米で使われてきた言葉で、日本では、「バブル世代」や「ゆとり世代」といった言葉が使われてきた。それぞれの世代はどういった時代だったのか。また、各世代をX、Y、Z世での区切りではどこに当てはまるのかを見ていこう。

生まれ年 年齢(2022現在) アルファベット別 日本名別
1960~1964年 58~62歳 X世代 バブル世代
1965~1970年 52~57歳 – –
1971~1976年 46~51歳 団塊ジュニア世代 –
1977~1981 41~45歳 X世代・Y世代 ロスジェネ世代
1982~1987年 35~40歳 Y世代 ミレニアル世代・プレゆとり世代
1988~1994年 28~34歳 ミレニアル世代・ゆとり世代 –
1995~2012 10~27歳 Z世代
バブル世代

バブル時代に消費行動をしていた世代。高級品、ブランド品などでステータスを確立してきた。男女雇用機会均等法の施行も実施。高度成長の時代であった。

団塊ジュニア世代

バブルが崩壊したのは1991年で、団塊ジュニア世代は、バブル崩壊時期に成人を迎える年齢。1946年〜51年生まれの団塊世代の子どもということで、団塊ジュニア世代と呼ばれる。

ロスジェネ世代

「ロスジェネ」とは「ロストジェネレーション」のことで、失われた世代と言われている。バブル崩壊後から10年間の間の就職氷河期を経験した世代。

ミレニアル世代

景気が良かった時代を知らないが、バブル世代の親の価値観も影響を受けてきた世代。また、「ゆとり教育」と言われる授業時間数を縮小し、自分で考えて学ぶ「生きる力」を身につける教育を受けてきた。

Z世代とミレニアル世代の違い
1995〜2012年生まれのZ世代に一番近い世代は、1982〜1994年ごろに生まれたミレニアル世代だ。それぞれの特徴と違いを見ていこう。

・ミレニアル世代

ミレニアル世代は、パソコン、インターネットの普及、ガラパゴス携帯、スマートフォンの台頭とデジタルテクノロジーが成長する中で育ってきた。テレビや雑誌といったメディアに加えて、ネット上で繋がれるコミュニティや、ガラケー、スマホの画像で楽しんできた世代だ。

また、コストパフォーマンスの高いものや、最低限のモノしか所有しないミニマリストを好んできた。そのため消費行動でも、モノを所有していく「モノ消費」から体験や豊かな時間を重視する「コト消費」に。仕事においてもプライベートをきちんと分けたいといったワークライフバランスの追求がされてきた。

・Z世代

一方で、Z世代は生まれたときからインターネットのある世界で、「デジタルネイティブ」と言われる。スマートフォンが日本で普及した2010年は既に小学生だ。SNSでの発信も活発で、Youtubeといった動画共有サービスも広まった。情報収集もSNSで行い、さらに自分で発信も行っていく。自己実現欲求が強いとも言われている。

また、SDGsが国連総会で採択された2015年時、Z世代は成人前後。環境保全や人種差別、LGBTQ差別といった問題にも関心の高い世代だ。

消費行動の側面においても「イミ消費」と言われ、購入する商品やサービスが地域支援に繋がるか、環境保全に繋がるか、他者に貢献できるかなど、商品・サービスの意味や背景を重視して選択する傾向にある。

・両者の違い

ミレニアル世代とZ世代は年代が近く、どちらも現在デジタルツールを駆使する世代だ。しかし、情報収集の仕方に違いがある。デジタルが成長する中で育ってきたミレニアル世代では、テレビ等のメディアも含めリサーチをするが、物心がついた時からデジタルに囲まれて育ってきたZ世代では、SNSが中心だ。

Z世代の消費行動
世界のZ世代の人口は、2020年で約24%。購買力は15兆円に上ると言われており、今後の消費活動において重要な世代と考えられる。そのようなZ世代は商品・サービスの購入時にどのような消費行動を取るのか。

購入前後の行動
商品やサービスを購入する前と購入した後の2段階に分けて、Z世代の消費行動を見ていこう。

購入前

購入前に行う情報収集には、テレビや雑誌などのメディアではなく、SNSや動画共有サービスの投稿を参考にしている。

例えば、インフルエンサーや他者のSNS投稿、SNS上で表示された広告などだ。SNSを中心に商品・サービスへの情報を収集し、インフルエンサーや他者がどのような評価をしているかを確認。購入するかは、しっかりとその商品・サービスが自分にとって良いものなのか、実際に来店をするなどして判断する。

購入後

購入した後は、SNSでどうだったかのレビューなど、商品に関して投稿をする傾向がある。SNSで投稿する行為は、さらに他者への推奨にも繋がっていく。

Z世代の消費行動の特徴
Z世代の消費行動の特徴を2つ紹介しよう。

パルス型消費
「パルス型消費」とは、スマートフォンやウェブサイトを操作していて瞬間的に購買意欲が発生し、買い物をする消費行動のこと。スマートフォンでいつでも買い物ができる時代になり、24時間消費行動のタイミングとなり得る。

パルス型消費には、影響する直感センサーが6つあり、「衝動買い」とは違って日常品など直感的に欲しいかを判断している。Z世代は、この直感センサーを感じやすく、パルス型消費をしやすいと言われている。

Safety(セーフティ)

「安全かどうか」に反応する。スマートフォンやウェブサイトでの買い物は、どういった会社が販売元なのか分かりづらい。安全に買い物ができるかを見ている。

For me(フォーミー)

自分に合うモノかどうかに反応する。

Cost save(コストセーブ)

お得かどうかに反応する。価格比較がしやすいネットショッピングの特徴ともいえる。

Follow(フォロー)

他者が推奨しているかどうかに反応する。売れているか、第三者が推奨しているかが購入の判断基準となる。

Power save(パワーセーブ)

労力を減らせるかどうかに反応する。例えばネットショッピングは手軽に購入でき、買い物の労力が減る。

Adventure(アドベンチャー)

新しいものなどへの冒険心に反応する。初めて知ったものや、新しいものを試したくなる気持ち。

Z世代では、特に「Safety」、「For me」、「Follow」、「Power save」が強いと言われている。SNSでの第三者の評価の確認や、自分に合っているかどうか、信頼している人が推奨しているかなどZ世代の買い物の仕方の特徴からパルス型消費になりやすい。

イミ消費
「モノ消費」、「コト消費」、「イミ消費」というワードがあり、Z世代はイミ消費やコト消費をする世代だ。

「モノ消費」は、車やカバン、アクセサリーなど文字通りモノそのものを購入していくこと。また、「コト消費」は購入したモノからどのような体験をしていくかを重視して購入すること。Z世代の「イミ消費」は「コト消費」のさらに先、環境や人、社会に配慮した消費のことだ。

Z世代はモノを所有することから、そこにどんな体験があるのかや、環境に良いものなのか、地域に貢献できるのかといった意味や体験に価値を見出している。例えばクラウドファンディングもその一つ。

自分が好きなもの困っている人を応援したい、支援したいといった気持ちがある。また「イミ消費」は、SDGsの観点から推奨されている人や社会、環境に配慮した「エシカル消費」という言葉にも大きく影響しているだろう。

Z世代のオープンなコミュニケーションと周囲の目
Z世代の行動の特徴として、SNSを利用してオープンなコミュニケーションを取っていることが挙げられる。出掛けたときや旅行の写真や動画をSNS上に挙げるなど、オンライン・オフラインの境がないオープンなコミュニケーションをSNS上で行っている特徴がある。

一方で、SNSには本アカとサブアカの2つを持ち、投稿内容を変更している人もいる。旅行時の写真を、サブアカをメインにアップし、本アカには良く撮れた写真だけアップするといった使い分けをするケースも。オープンなコミュニケーションを取り、共感や共有をする一方で、周りの目を気にして投稿するという一面もあるのだ。

Z世代に向けたマーケティング
これから20代〜30代へ突入するZ世代は、消費者としての側面が必然的に多くなる。デジタルネイティブのZ世代はSNSを中心に情報収集をし、直感的に購入するパルス型消費になることも。

Z世代がどのような消費行動をして、モノ・サービスを購入するのかを見極めながらのマーケティングが重要になる。また、商品によっては各世代ごとの消費行動の特徴を掴むことで、顧客に合ったプロモーションを行えるだろう。Z世代だけでない消費行動についても調べてみてはいかがだろうか。

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Last-modified: 2024-04-09 (火) 10:20:22