「在日3世」の私が、日本から移住してわかった「住みづらすぎる韓国」

「在日3世」の私が、日本から移住してわかった「住みづらすぎる韓国」の“おかしな現実”と「ヤバすぎる道路事情」…!
11/14(月) 7:32配信

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現代ビジネス
「ハロウィン事故」韓国の「意外な道路事情」
写真提供: 現代ビジネス

 韓国の梨泰院は、米軍基地が隣接しており日頃から国際色豊かな街の一つとして知られてきた。また昨今の韓国ドラマ「梨泰院クラス」で脚光を浴び、ソウルでも先端な街として若者に人気が高い。

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 その梨泰院で10月29日22時半頃に事故が起きた。数十万人が訪れていたという梨泰院の大通りに出る路地でドミノ倒しが起こり、11月1日時点で155名の死亡が確認された。また外国人の死亡者もイラン、中国、ロシア、米国、日本、フランスなど14ヵ国26人に及んだ。

 この事故に対して警察の警備の不手際、国と市の管理問題などが指摘されているが、実のところ韓国の道路事情に多くの問題があると韓国に住んでいる私は思う。

 実際に日本から韓国に移り住んでからというもの、韓国の道路、歩道でまともに歩ける場所は少ないと感じている。

 私が「まともでない」と言うのは、その地形を削ったり整えたりせず自然な地形に道路や歩道を作っているということ。私の住む江南駅付近は丘になっているのだがその「心臓破りの坂」どころの角度ではない、50ccのバイクでは到底登りきれない角度の坂も多い。

危険な「坂」
スリップするほどの急坂(筆者撮影)

 実際、私も運動と称して江南駅から日にウォーキングで4~7キロメートル(地下鉄3駅ほど)歩くのだが、どこを歩いても傾斜が多い。まったく腰が悪くない私だが、ウォーキングをすると、その傾斜のためにのバランスを保てずに片方に体重が行きがちで、同じコースを毎日ウォーキングしているとむしろ腰が悪くなりそうな気がするほどである。

 なので、この日は左に体重がかかれば翌日は右に体重がかかるコースを歩くようにしているほどだ。

 また道路も自然な地形をしっかり慣らさず作るので所々に穴が空いているところがある。それは歩道も同じである。街灯はあっても少し薄暗い路地で何度、落とし穴の様な体験をしたことか。

 急な坂には横に階段が設置されているが、その階段がなぜか磨かれた石の階段が多く、冬には-10度以上になるソウルでは坂以上に危険だ。

この段差、必要ですか…?
この段差は必要なのか…?(筆者撮影)

 歩道も冬になれば凍る、雪が降るとわかっていて磨かれた石畳の歩道が多い、ただでさえ傾斜に気をつけて歩くのに雨や冬には滑りやすいことにまで気を使い歩かないと行けないのが韓国である。もうちょい削れば整備できるのにと思ってしまう場所が多い。

 また歩道から一般道路へ出る際の段差も結構あったり、階段の段差に均等性がなったりと気をつけていないとすっ転んでしまう場合がある。

 またマンホールも、道路よりへこんでいるのはまだ良いほうで、道路面より出ているマンホールは気をつけないとこれも蹴躓くのだ。

 日本に住んでた頃は決して道路、歩道に不安を感じたことはなかったが、韓国では外に出るだけでそんな不安に気をつけなければいけない。

山に沿ってできている街
事故現場 photo/gettyimages

 梨泰院駅の前の大通りを挟み北と南が山になっている。その道を挟み路地裏はほとんど坂だ。

 梨泰院駅の北側は若者に人気の飲食店、クラブが乱立していて、梨泰院駅の前の道を南に下がると東京の骨董通りの様なアンティーク家具取扱店が多い。その南に下がる道の西側にも飲食店は乱立し、東側の一角は繁華街になっている。

 一度、梨泰院の北と南の山を車で行ったことがあるが、登りきった後の下り坂では極端な表現だが後部座席に座ってると運転席頭上のサンルーフから前方が見えるほど傾斜が激しく感じる。

 韓国ドラマ「梨泰院クラス」内で2件目にオープンしたお店は、梨泰院駅の北の山側のまさに「心臓破りの坂」を登った場所にある。

 ドラマでも「この店は死に店」と言われた店舗は坂がきつく人がよりつかない場所であったが、ドラマでは地域店舗と協力し合い活性化を図り人を呼び込むと言う設定だ。だがソウルではで地域店舗が協力し合うことはほぼないと言っていい。これは長く韓国で商売をしてきた私の率直な実感だ。

 おそらく、乱立する店舗は人が集まった際の災害時、事故時の対応、地形的危険地域の改善を行う町内会の様なものもないだろう。そのため、事故が起これば大惨事になりかねないという側面はあるだろう。

地域協力という意識が少ない…
写真:現代ビジネス

 日本の場合、商店街やモール内店舗は協力し合って、その地域の活性化に努める。またハロウィンの様な毎年行われる主催者のないイベントの場合、その地域の住民、店主が警察と対策を相談したり、それまでの事故を教訓としたりと準備に準備を重ねるが、それでも事故が起こる時は起こる。

 ただそれだけ準備、計画をしていた場合、その準備、計画に何が不足しなぜ事故が起きたかの要因、原因も直ぐに把握ができるが、韓国の場合はそうはならないだろう。
私は韓国で日本の加工食品の貿易、販売を行っていたが、百貨店でさえイベント参加要請を2ヶ月~1ヶ月半前にしてくる。

 私が扱っていた商品の場合、商品の準備、輸入手続き等に最低1ヶ月超必要なのだ。それなのに2ヶ月前のイベント要請も2週間前にならないと出店場所が決まらないので、販売用の器具類も合わせられない。でもそんな要望に応えられる業者のみが百貨店でイベント出店や店舗を構えることができるのだ。

「自分さえよければ」という人たち
 それでも韓国では誰もが羨む百貨店出店なのだからこちらも必死に食らいつき結局、韓国式の「やっつけ仕事」になり何一つ計画、準備が出来ず「イラつき」だけが後に残る作業になり、日本の様な計画性を重視するビジネススタイルの私に取ってはストレスだけが溜まっていった。

 また地域、商店の協力に関しても、私は一度、弘大(ホンデ)駅の隣、合井(ハプチョン)駅のソウルの駅ビルで企画を上げて、イベントを行ったことがある。

 そこは多くの芸能人や某企業のCEOなどが居住する高級高層アパートとショッピングモールがひとつになった複合団地、駅ビルで、芸術やアートの街であり、トレンドに敏感な若者に人気な場所なのだが、ここに店舗を構える店の店主は何一つ協力的ではなかったことを覚えている。

 そのモールを盛り上げるための企画にもかかわらず、他人事の様に非協力的で、結局行ったイベントも手応えとしてはもう一つになった。

 結局は「自分さえ良ければ」と言うことでその地域で協力し合い活性化しようって意識は全くなかったことを鮮明に記憶している。

歩道の真ん中で…
 梨泰院という地域も私の住むカンナム駅周辺も同じ様に店舗が乱立しながら年に数回、大きなイベントも行われるが、すべて市の管理に寄るもの、でその地域の店舗が何かしら市に警察に相談、協力をするということはなかったのかもしれない。

 私が韓国は暮らしにくいと話すのは、この国がどんな経済大国、先進国と言っても、普通に暮らす上で日本と比較すると不安が多すぎるからなのだ。

 道を歩くにも落とし穴の様なものにぶつかり、どこを歩いても体が斜めになり、崖を上る様な階段や坂道、そこら中にある電線から垂れているネット回線、歩道の真ん中に置かれている市管理のゴミ箱……これではどこで事故が起きてもおかしくないと思う。

 それでも、今回も梨泰院事故でも犯人探しが始まって、「うさぎのカチューシャをした男組5人」を探せと盛り上がっている。また、警察の対応の遅れも指摘されているが韓国の警察は昼の市民団体のデモに各署から多くの応援人員が駆り出され夜の人員はビックリするほど少ないとカンナム警察署の友人刑事が話していた。

 今回の事故から真の教訓を学ぶことはできるだろうか。

 さらに連載記事『韓国が「日本より暮らしやすい国」だって…? 「在日3世」の私が久しぶりの“日本帰国”でわかった「おかしな韓国」のヤバい現実』では、そんな私が韓国に移り住んで直面した“違和感”についてレポートしよう。

豊 璋(在韓国コンサルタント)