韓国史年表から高句麗をまるごと削除…中国博物館東北工程の姑息な手法

韓国史年表から高句麗をまるごと削除…中国博物館東北工程の姑息な手法(1)

9/13(火) 9:35配信

48
コメント48件
中央日報日本語版
8日、中国国家博物館で開かれている「東方吉金:中韓日古代青銅器展」を訪れた観覧客が展示中の「漆鞘青銅剣」の説明文を詳しく読んでいる。[写真 シン・キョンジン特派員]

中国国家博物館が高句麗を削除した韓国史年代表を堂々と展示している。韓中修交30周年と日中国交正常化50周年を契機に7月26日に開幕した「東方吉金:中韓日古代青銅器展」でだ。

8日に訪れた展示会には約70万年前から1910年までを石器・青銅器・鉄器に分けた「韓国古代歴史年表」が展示されていた。鉄器時代はさらに古朝鮮末期から新羅百済伽耶・統一新羅高麗・朝鮮の順序で区分されていたが、高句麗渤海は見られなかった。年表の下には「本年代表の内容は韓国国立中央博物館提供」という表記が見えた。観覧客が韓国の公式的な歴史区分だと誤解しかねない書き方だった。

遺物を説明する文章も論争だらけだった。高句麗百済新羅三国時代は隠したまま漢四郡だけを強調している。慶尚南道昌原茶戸里(キョンサンナムド・チャンウォン・チャホリ)出土、国立金海(キムヘ)博物館所蔵と表示された「漆鞘青銅剣(漆塗りの剣鞘と青銅の剣)」展示ブースに次のような「韓国原三国時代」の説明が見られた。

「紀元前108年西漢(中国王朝「前漢」期)政府が韓半島北部と中部に楽浪・玄菟・真番・臨屯の4郡を設置した。歴史は『漢四郡』と称する。韓半島南部地域に3つの部落連盟(馬韓辰韓弁韓)が形成された。この3部落はその後、百済新羅伽耶に発展して韓半島南部の古代国家の基礎を築いた。漢四郡設立以降、韓半島南部は漢四郡文化の影響を受けて『泥質灰陶(泥灰色の陶磁器)』が出現し始めて3世紀まで続いた。この時期、韓半島南部の地域の歴史を『原三国時代』と呼ぶ。時期はおよそ紀元前1世紀から西暦3世紀までとなっている」

紀元前37年に建国された高句麗については最初から触れていなかった。

原三国時代のすぐ横には三国時代を飛ばしたまま「韓国統一新羅時代」を説明している。高麗時代青銅鼓の後にはこのような文章が見られる。「7世紀中葉以後、韓半島情勢に重大な変化が発生した。660年に百済が滅亡して668年に高句麗が滅亡した。新羅が次第に韓半島南部と中部地域を統一した。9世紀末から統一新羅の王権が衰退して各地域に反抗勢力が生まれた。統一新羅王室は935年高麗太祖王健に投降した。統一新羅時代の終わりを意味する」。展示主管側は高句麗が668年滅亡したと説明するのにとどまった。

韓国史年表から高句麗をまるごと削除…中国博物館東北工程の姑息な手法(2)

9/13(火) 9:35配信

61
コメント61件
中央日報日本語版
中国国家博物館に展示されている韓国古代歴史年表。高句麗がまるごと抜け落ちている。[写真 シン・キョンジン特派員]

◆中国史に高句麗をすでに編入した結果

専門家は今回の展示会を中国が高句麗史を中国史にすでに編入した結果だと分析した。西江(ソガン)大学史学科のチョン・インガプ教授は「2004年8月高句麗史紛争当時、韓中両国政府が合意した5項目の口頭合意を意図的に廃棄したと解釈する余地が非常に大きい」とし「中国の国家博物館が韓国の歴史アイデンティティを歪曲(わいきょく)した」と指摘した。チョン教授は「また、韓国の国立博物館が提供した内容という説明で展示している以上、政府次元で是正を要求しなければならない事案」と話した。

中国は2004年高句麗史歴史紛争当時、武大偉外交部副部長(次官)を韓国に派遣して崔英鎮(チェ・ヨンジン)外交次官と会談を行い、「(4)中国は中央及び地方政府次元の高句麗史関連記述に対する韓国側の関心に理解を表明し、必要な措置を取っていく」など5項目を約束した。

韓日中の国立博物館の交流次元で行われた今回の青銅器展示会は10月9日まで開催される。開幕翌日だった7月27日には中国の主催で第12回韓日中国立博物館長会議が画像をつないで開かれた。国立中央博物館は当時、「国立中央博物館の青銅器時代から朝鮮時代に達する青銅遺物、中国国家博物館の周国の青銅礼器、東京国立博物館の弥生時代から古墳時代までの所蔵遺物39点を紹介する展示」という報道資料を配布した。中国側の「韓国国立中央博物館提供」表記問題に関連し、該当報道資料担当者に電話をしたが連絡は取れなかった。

北京天安門広場の東側に位置した国家博物館は、現在、事前予約者に限り入場が可能な状態だ。青銅器展が開かれている北第1展示庁入口には「今回の展示会を通じて三カ国の民心が互いに通じて、文化が互いに融合して、価値を互いに共有し、地域の持続的な平和と普遍的な繁栄を促進する小さい力になることを希望する」と書かれていた。

ソウル大学国家未来戦略院のソン・インジュ副院長は「中国共産党が見る中国という歴史アイデンティティ自体がいわゆる『人類運命共同体』などの新しいイデオロギーで再構築され、今後中国の経済力と軍事力に劣らず世界秩序に影響を及ぼす要因になるだろう」と懸念した。単に高句麗史の中国史編入を試みる東北工程にとどまらず、世界を対象に拡張するかもしれないという指摘だ。ソン副院長は「高句麗史イシューによって誕生した東北アジア歴史財団は日本・植民地歴史だけでなく本来の役割である東北工程の対応に忠実でなければならないだろう」と求めた。

◆5つの「韓中の口頭了解事項」(2004年8月23日合意)

(1)中国は高句麗史問題が重大懸案として台頭したことに留意する。

(2)歴史問題で両国友好協力関係が損なわれることを防ぎ、全面的な協力パートナー関係の発展のために努力する。

(3)高句麗史問題が政治争点化するのを防止する。

(4)中国は中央及び地方政府次元の高句麗史関連記述に対する韓国側の関心に理解を表明し、必要な措置を取っていく。

(5)学術交流の早急な開催のために共に努力する。