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祝融

祝融(読み)シュクユウ

   祝融 Zhù róng

デジタル大辞泉の解説
中国古代神話上の帝王。赤帝と号したという。一説に、帝嚳(ていこく)のときの火官。のちに火神。をつかさどる神、南方の神、南海の神ともされる。
火災のこと。
「屡(しばしば)―に奪はれて架上蕭然たり」〈北雪譜・二〉

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百科事典マイペディアの解説
中国神話の火神。《墨子》によれば(いん)の湯王が王(けつおう)を討った時,城に火を降らせた。のち三皇三皇五帝)の一,火をつかさどる官名。の祖先の重黎(ちょうれい)と回がこの職に任ぜられたという。

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世界大百科事典 第2版の解説
中国の神話にみえる火神。《左氏伝》昭公29年に火をつかさどるものとされ,《墨子》非攻に,の革命のとき,天が融に命じて火を(か)の地に下さしめたという。《左氏伝》昭公18年に火を禳(はら)うため回禄の神を祀(まつ)ったとされ,これも火神。の世系では重黎(ちようれい)の弟の囲が火正として祝融となったとあり,もと南方系の火神で,電光を神格化したものと考えられる。のち伏羲(ふくぎ)・神農とともに,三皇の一とされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国の古代神話に登場する神。顓頊(せんぎょく)の子あるいは孫と伝えられている。湯王(とうおう)が、暴君の悪名高い(か)王朝最後の王である王(けつおう)を討ち滅ぼすために軍隊を進めたとき、祝融王の守る城に火災を引き起こして湯王を勝利に導いた。このように、祝融は火と関係の深い神であり、同じく火神である炎帝(えんてい)の配下とされたり、竈(かまど)の神とも考えられた。また五行説が、木、火、土、、水の五つの素をそれぞれ中央と四方に当てはめたとき、火を南方に配当したことから、南方をつかさどる神であるともされた。他方、祝融を一個の神格としてではなく、火を取り扱う官職の名前とする伝承も存在している。

[桐本東太]

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精選版 日本国語大辞典の解説
〘名〙
① 中国で、火をつかさどる神。また、の神、南方の神。祝融氏。祝融神。しゅうゆう。《季・
※済北集(1346頃か)七・後無価軒記「寺為二祝融一所レ奪焉、拾二瓦礫一掃二灰塵一」 〔礼記‐月令〕
② 火事をいう語。火災。
※空華日用工夫略集‐至徳二年(1385)四月一五日「忽聞二城中祝融用事一、府君登二羅閣一観レ之。少頃還レ駕。為二救火一也。六角大慈院亦罹二其災一」
※随筆・北雪譜(1836‐42)二「少く蔵せしも屡(しばしば)祝融(シュクユウ)に奪れて架上蕭然たり」