縄文時代
縄文時代とは?
縄文文化の時代区分 [1]時代区分の考え方 縄文時代は、通常、土器に代表される縄文の社会/文化の変化によって区分される。具体的には、縄文式土器の型式学的変化に着目した相対編年を基準にして、草創期から晩期に至る6期に区分するのである。これは、伝統的考古学の方法論として整備されてきた土器型式論に立脚したもので、昭和7,8年に山内清男によって唱えられた。なぜ、土器の形式によって分類するのであろか。我々は、通常は時代を、あるエポックメーキング的な出来事・それが何年に起きたのか、ということによって区分していく。その多くは国の成立、支配者の交代など、何らかの権力の移行とそれに伴う社会/文化の変化であろう。 しかし、縄文時代はそのような考え方では分類出来ない。縄文時代の文化は、現在残っているものとして、土のなかから発見される遺物、とりわけその出土量が豊富な土器によってその特徴・広がり等を表さざるを得ない。しかし、土器は、地域・時代によって変化の速度が様々である。従ってこれが年代の数値的な変化を跡づけるものとはなりえない。そのため、山内清男がその研究理念で述べているように、土器型式の研究は縄文文化の相対的な時代区分の指標をつくるという作業仮説なのである。この立場に立つ限り、時代区分は必ずしも等速な絶対年代の時の流れに準拠する必要はない。それどころか、土器は常に鋭敏に縄文社会の変化を反映し、文化段階の画期の存在を大変明確に私たちに語りかけてくれるのである。つまり、縄文土器に反映された大きな型式変化の画期を、私たちは縄文文化の時期区分として用いていきたい。