歴史・人名

金取遺跡

国内最古級の金取遺跡
 1984(昭和59)年、宮守村(現在の遠野市宮守町)達曽部金取の赤土の切土から1個の石器が発見された。それは、約3万5000年以上前の旧石器時代人の生活の道具、旧石器であった。
 翌年行われた発掘調査までに、約8万5000年前に噴火した阿蘇山の火山灰層より上層から、石斧(ハンドアックス)・掻器(スクレイパー)など32点の旧石器が、多量の木炭片や焼けた礫とともに出土した。
 金取遺跡は、約9万年~3万5000年前の旧石器時代人のキャンプ跡と推測され、金取遺跡の人たちは、狩猟の途中で、金取の地でキャンプをし、たき火で暖をとり、石器を作り、ナイフ様の小型石器で皮を剥ぎ、骨から肉を削ぎ取り、肉を焼いて食べたりしながら、しばらくの期間、生活をしていたと考えられる。
 金取遺跡は、2003(平成15)年と2004(平成16)年、文化庁・岩手県の補助を受けて、第2次・第3次調査が行われ、国内で最古級の旧石器時代遺跡であることが確認された。