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藍田原人

藍田原人(読み)らんでんげんじん(英語表記)Lan-tian-yuan-ren

   Lantien man藍田原人 Lantian man

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
中国陝西省藍田県の家窩および公王嶺付近で骨が発見された原人。学名をホモ・エレクトゥス・ランティアネンシス Homo erectus lantianensisという。初め 1963年7月に家窩付近の紅色土中から下顎骨が発見され,次いで 64年には公王嶺で頭蓋骨が発見された。北京原人より脳容量が小さく,頭蓋冠はジャワ原人よりも厚いので,一般に北京原人よりもやや古いものと考えられている。

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デジタル大辞泉の解説
1963~64年に中国の藍田で発見された化石人類。50~60万年前の人類とみられ、北京原人より原始的。

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百科事典マイペディアの解説
中国,陝西省藍田(西安の南東50km)で発見された化石人骨。1963年―1964年張玉萍ら中国古脊椎動物・古人類研究所員が下顎骨,頭骨等を発掘。北京原人(シナントロプス・ペキネンシス)より古く,第四紀更世中期の初めかそれ以前の人骨と推定。

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世界大百科事典 第2版の解説
中国,陝西省藍田県で発見された化石人類。初め1963年に同県家窩で下顎骨が発見され,64年に少し離れた公王嶺で頭蓋冠と顔面骨の各破片と歯が発見された。どちらも灞河の段丘上の遺跡で,チョッピングトゥールを主体とする石器群と獣骨化石を伴った。時は周口店遺跡よりやや古く,約70万年前前後と推定されている。頭蓋冠の骨は著しく厚く,眼窩上隆起が強く発達し,前頭部ははなはだ低く,眼窩の後の狭窄が著しく,頭蓋腔容積は約780ccにすぎない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国の化石人類。1963~64年に陝西(せんせい/シャンシー)省藍田県で下顎(かがく)骨および頭骨破片が発見された。発掘は中国科学院によって行われ、チョッピング・ツール(敲打器(こうだき))などが伴出した。時は50万~60万年前とみられ、周口店遺跡の北京(ペキン)原人より古い。

 眼窩(がんか)上隆起が著しく発達し、眉間(みけん)で左右の隆起が連続している。眼窩の後方で頭骨は大きく狭まる。低頭で脳容積は780ミリリットルと推定され小さい。左右の下顎第三大臼歯(きゅうし)が先天的に欠如しているが、この時のものとしてはきわめて珍しい。原人段階に属するが、北京原人より古いタイプである。

[香原志勢]

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